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「気をつけて運んでね」
 陽気に手を振るミノワさんに、送り出されたあたしたちのテンションはかなり低い。
「グネグネのせいだ。最悪の気分」

 扉を開けながら、パロパロちゃんがブーブー言った。だけど、グネグネちゃんは何食わぬ顔のまま、

「早く行ってよー、ノロマ」

と、パロパロちゃんのおしりをつついてくる。パロパロちゃんが先頭、パロパロちゃん、あたしの順に進む。四つんばいになりながら、トンネルをちょこちょこ行く。ひざが床に当たる。スカートじゃなくて、ロングパンツかレギンスをはいてくればよかったな。小さな豆粒くらいの照明が上にあるから、暗くないけど。

 さて、さっそくトンネルが二手に分かれていた。

 パロパロちゃんが、前を指さした。

「右に行くと、お星さまの部屋なんだよ、ナオちゃん」
「へえ」
「その先にはおもちゃの部屋、そのまた先がお話の部屋だよー」
「右行きたいな」
「すきあり。どけどけーい」
 あたしとパロパロちゃんが話しているすきをついて、勝手にグネグネちゃんが、あたしたちの横をすりぬけ、左へ曲がっていく。
「なぬー」

 パロパロちゃんも、負けじとハイハイで追跡だ。しだいに、前方に赤色の扉が見えてきた。

「わっ、すごい」

 あたしは、中に入って目を丸くした。二メートルほど先に、大きな山が燃えていたのだ。と、いうより、山の形にカットされた金属のパネルが壁に貼り付けてあるだけなんだけど。それが、天井から赤色のスポットライトで照らされている。しかし、本当に燃えているみたい。その火山の下には、白い火山灰が散らばっている。でもよく見ると、それは皿のはへんだった。
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