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グネグネちゃんが皿を渡すと、パロパロちゃんは立ち上がり、
「イヤなこと全部、消えちまえーっ」
と投げつけて、すぐうずくまった。グネグネちゃんは何も言わずに、そっとふるえる体をかかえた。そして、声をふるわせながら、くずれないようにたがいに支えあっている。
あたしは、ただ棒立ちになって、ふたりを見下ろしたままだった。まぶたの奥がジンジンしたけれど、一滴も涙がこぼれ落ちてこなかった。そして、それがまた、何事もなかったかのように、静かに波のように引いていくのを感じた。
(あたし、このままじゃ、ずるい。ズルすぎる)
あたしは、両手を握りしめた。それをなんとかして、食い止めたいと思った。あたし、なんで、こんなふうになっちゃったんだよ。
きっと、それはパパがいないからだ。棺の動かないパパを見た時、あたしはなんだか、すごく心がひんやりしたんだ。それからは、毎日かあわただしく過ぎたけど、どんどん気持ちに穴が空いて、砂時計の砂みたいにこぼれおちていく感じだった。
だけど、今だってすごくパパに甘えたいんだよ。よくママを一人で支えてがんばってるなって、きゅっとだきしめてほしいよ。それが、あたしの本当の気持ちだよ。
すると、お腹の底からめらめらとはげしいものが突き上げときた。あたしは首に下げたゴーグルをはめ直して、手袋をしっかりはめた。そして皿をにぎりしめ、
「パパのバカヤロー!」
って、さけんだ。バリンと、皿が砕けた音がした。そして、何か胸のあたりが苦しくなってきた。
「ハクちゃん、だいじょうぶ?」
赤い目のパロパロちゃんが、あたしの肩をさすった。その何かが、だんだん、のどのあたりまで出てきて、あたしはせきこんだ。手をひろげると、何か黒ずんだものがついている。
「たいへんだー。うち、ちょっと先生呼んでくるよー」
グネグネちゃんは、あわてて部屋を出ていく。パロバロちゃんはボケットからハンカチを取り出して、あたしの口もとをぬぐってくれた。
「ハア、ハア、ハア」
ああ、痛くて苦しい。だけど、早く直したい。みんなと、いっぱい泣いて、いっぱい笑いたいんだ。
「イヤなこと全部、消えちまえーっ」
と投げつけて、すぐうずくまった。グネグネちゃんは何も言わずに、そっとふるえる体をかかえた。そして、声をふるわせながら、くずれないようにたがいに支えあっている。
あたしは、ただ棒立ちになって、ふたりを見下ろしたままだった。まぶたの奥がジンジンしたけれど、一滴も涙がこぼれ落ちてこなかった。そして、それがまた、何事もなかったかのように、静かに波のように引いていくのを感じた。
(あたし、このままじゃ、ずるい。ズルすぎる)
あたしは、両手を握りしめた。それをなんとかして、食い止めたいと思った。あたし、なんで、こんなふうになっちゃったんだよ。
きっと、それはパパがいないからだ。棺の動かないパパを見た時、あたしはなんだか、すごく心がひんやりしたんだ。それからは、毎日かあわただしく過ぎたけど、どんどん気持ちに穴が空いて、砂時計の砂みたいにこぼれおちていく感じだった。
だけど、今だってすごくパパに甘えたいんだよ。よくママを一人で支えてがんばってるなって、きゅっとだきしめてほしいよ。それが、あたしの本当の気持ちだよ。
すると、お腹の底からめらめらとはげしいものが突き上げときた。あたしは首に下げたゴーグルをはめ直して、手袋をしっかりはめた。そして皿をにぎりしめ、
「パパのバカヤロー!」
って、さけんだ。バリンと、皿が砕けた音がした。そして、何か胸のあたりが苦しくなってきた。
「ハクちゃん、だいじょうぶ?」
赤い目のパロパロちゃんが、あたしの肩をさすった。その何かが、だんだん、のどのあたりまで出てきて、あたしはせきこんだ。手をひろげると、何か黒ずんだものがついている。
「たいへんだー。うち、ちょっと先生呼んでくるよー」
グネグネちゃんは、あわてて部屋を出ていく。パロバロちゃんはボケットからハンカチを取り出して、あたしの口もとをぬぐってくれた。
「ハア、ハア、ハア」
ああ、痛くて苦しい。だけど、早く直したい。みんなと、いっぱい泣いて、いっぱい笑いたいんだ。
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