春の風のシノリ

朝日みらい

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 あたしのほほがカッと熱くなる。だけど、となりのシノリは、

「あんな子、知らんぷりしてなよ」って首をふった。

 また乗り場にも、人、人、人だ。華子はブスッとした顔で手をふると、ベンチにすわった。あたしは後ろに並んで、「ふう」と息をはいた。

「ねえ、あれ、かわいいね」

 シノリが大きなアヒルを指さす。シッポの下から、アワがブクブク出ている。

「あれは足こぎボートだよ。あっちは手こぎボート」

 男の人が、恋人の女の子をのせて、いっしょうけんめいオールをこいでいる。

「あたし、てごきの方がいいなあ。ねえ、いいでしょ」

 あたしは、まゆをもちあげた。アヒルをこいだことあるけど、オールを使ったことがない。

「しんぱいしなくて、だいじょうぶ。わたしにまかせてよ。だって、ここにはお友だちがわんさか、いるんだもの」

 あたしがまだ首をかしげたままなので、シノリはおよいでいるカルガモを指さした。

「ほら、あれはゲンくんの兄弟とお父さんお母さん。それから、あっちはカメのガブくん。それから、平泳ぎしてるのが、カエルのマーちゃん。みんな、私の同級生」

 カルガモとカメがいるのは分かったけど、目をこらしてもカエルまでは分からない。シノリの丸い目は、すごくいいみたいだ。

「だから、だいじょうぶ。春菜の味方はいるからね」
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