【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい

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 パーティーの翌朝。伯爵の父と母親は、もう屋敷を出ていきました。

 父親は、郊外の領内の視察という名目で馬車に乗って、実はどこかの愛人のもとへ向かいました。

 母親は、その浮気性の夫に愛想をつかして、次男のエドワードや三男のグレゴリーのもとへ会いに行きました。

 エドワードは、母親が溺愛する騎士で、騎士団の宿舎に住んでいました。グレゴリーは、発明家として王立の研究機関で働いていました。


 エリーナが、いつものように自室で朝食を食べていたとき、ザネリがやってきて、長男のアルベルトから呼び出しがありましたと告げました。エリーナは驚きました。

 アルベルトはいつも忙しくて、屋敷にいるときもほとんど自分の書斎にこもっていました。彼はエリーナに何か用があるなんて、めったにありませんでした。エリーナは、不安と好奇心に駆られながら、使用人についてアルベルトの部屋に向かいました。

 扉をノックすると、中からアルベルトの声が聞こえました。

「入れ」

 エリーナは、深呼吸をして、扉を開けました。

 アルベルトは、外務省の高官として相応しい服装をしていました。彼は紺色の上着とズボンに白いシャツと赤いネクタイを合わせていました。彼の胸には国王から授与された金色の勲章が光っていました。

 アルベルトは、エリーナを見て眉をひそめました。

「やっと来たか。遅いぞ」

「ごめんなさい。何かご用でしょうか?」

とエリーナは尋ねました。

「エリーナ、話があるんだ。昨日のパーティで、あのヴィクトールという男とデレデレだったろ?」

 アルベルトは、パーティでエリーナがヴィクトールと踊ったことを知っていました。

 ヴィクトールは、王国でも有数の財力と影響力を持つ実業家です。彼は、政治の世界でも大きな声を持っていました。

「彼は、わが伯爵家に出入りしたいという申し入れをしてきたんだ。まあ、そもそもお前ごときには興味などないだろうがな!」

「まあ、もちろん何も……」

 エリーナは、言葉に詰まりました。

「そこで頼み事だよ。お前以外は、皆、用事があって外に出ているんだ。私も仕事があるしな」

とアルベルトは言いました。

 エリーナは目を伏せました。それから、

「どなたがヴィクトール様のお相手をするんですか?」と訊きました。

「それがね、おまえに頼みたいんだ」

「私に、ですか?」
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