美形揃いの王族の中で珍しく不細工なわたしを、王子がその顔で本当に王族なのかと皮肉ってきたと思っていましたが、実は違ったようです。

「──お前はその顔で、本当に王族なのか?」

 そう問いかけてきたのは、この国の第一王子──サイラスだった。

 真剣な顔で問いかけられたセシリーは、固まった。からかいや嫌味などではない、心からの疑問。いくら慣れたこととはいえ、流石のセシリーも、カチンときた。

「…………ぷっ」

 姉のカミラが口元を押さえながら、吹き出す。それにつられて、広間にいる者たちは一斉に笑い出した。

 当然、サイラスがセシリーを皮肉っていると思ったからだ。


 だが、真実は違っていて──。
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