美形揃いの王族の中で珍しく不細工なわたしを、王子がその顔で本当に王族なのかと皮肉ってきたと思っていましたが、実は違ったようです。

ふまさ

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(王族は全て化け物に見えるうえに、崩れかたが酷い……でもわたしは人間の顔に見える、か)

 突然のサイラスの打ち明け話に、頭は混乱したままだったが、セシリーは必死に考えをまとめようする。何か。何か出来ることはないか。せめて法則性とやらがわかれば、少しは安心出来るのではないか。

 そんな思考の中。ふと浮かんだのは。

「あの……わたしの顔、どんな風に見えていますか?」

「ちゃんと人間の顔をしているが……それがどうした?」

「昨日のまわりの反応でおわかりかと思いますが、わたしの顔は醜く、美しくありません。サイラス殿下の目にうつるわたしの顔は、どんな風に認識されていますか?」

 サイラスは目を丸くしながら、改めてセシリーをじっと見てみた。

「……醜い、とはとても思えないが……」

 セシリーは、やはり、と納得したように頷いた。サイラスが何のことだと首を傾げる。

「サイラス殿下。これはわたしの勝手な推測ではありますが、その呪い、美醜が逆に見えるものではないでしょうか」

「……逆に?」

「はい。わたし以外の王族全員が化け物に見えて、崩れたかたも酷いということ。そして、わたしの顔をきちんと認識出来ていないことから考えると、それもありうる話かと……王族の美しさは、特に際立っていますからね」

「……そう、なのか。なるほど……」

 サイラスは背もたれに体重を預けると、天井を仰いだ。

「だとすれば、オーエンはどうしてそんな呪いをわたしにかけたんだろうな……知らない間に、それほどまでに彼を怒らせることをしてしまっていたんだろうか」 

 憔悴しながらも、自分が悪かったかもしれないと考えられるサイラスが、セシリーにはとてもまともに思えた。

(このような王族に会えたのは、はじめてだわ)

 未来の国王がこの方なら、未来に希望が持てるかもしれない。そこまで考えて、はっとした。

(……だから、サイラス殿下は呪われた?)

 王族の中では異端だから?  
 でも、どうして暗殺などではなく、わざわざこんな呪いを?

 そんな恐ろしい考えをあれこれ巡らせていると、サイラスが「セシリー嬢。頼みたいことがあるんだが……」と声をかけてきた。

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