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「よろしければ、こちらに」
セシリーが椅子を引き、声をかける。サイラスは少しふらつきながら「……助かる」と言い、椅子に腰かけた。目の前にある机に両肘をつき、顔を両手で覆うと、長く、大きいため息を吐いた。ようやっと一息つけた。そんな感じにも見えた。
──が。
「サイラス殿下、お茶をお持ちしました。入ってよろしいですかな?!」
どんどん。どんどん。
扉を叩きながら大声をあげたのは、セシリーの父親だった。サイラスの身体がびくっと揺れた。双眸に怒りを宿し、ギロッと扉を睨み付ける。
「……いらん! いいから邪魔をするな!!」
怒気を含ませ、サイラスが怒鳴る。父親が「は、はい」と声を震わせ、階段をくだっていく音が聞こえた。
肩で荒く息をするサイラスを見ながら、セシリーはとりあえず正面の席に座り、サイラスの言葉を待つことにした。しばらくして。落ち着きを取り戻したサイラスが、静かに口を開いた。
「……まずは昨日、わたしがきみに向けて放った言葉の意味を、弁明させてほしい。すぐに誤解を解きたかったが……あれだけの数に囲まれては、わたしの精神がもたなかったんだ……すまない」
謝罪されても、何も理解できないセシリーが、頭に疑問符を浮かべる。それはサイラスの次の言葉を聞いても、同じだった。
「きみは王族なのに、人間の顔をしていたから……だから驚いて」
「…………。…………。…………。ええっと」
たっぷり黙考してみたものの、やはり意味がさっぱりわからず、セシリーが困惑する。サイラスは小さく苦笑した。
「唐突過ぎたな、すまない。順を追って話すよ。……信じてもらえるかはわからないが」
「……はあ。わかりました」
何がなにやらわからないまま、セシリーはとにかく、サイラスの話しに黙って耳を傾けることにした。
──サイラスの瞳がまるで助けを求めるように、不安定に揺らいでいるようにみえたから。
セシリーが椅子を引き、声をかける。サイラスは少しふらつきながら「……助かる」と言い、椅子に腰かけた。目の前にある机に両肘をつき、顔を両手で覆うと、長く、大きいため息を吐いた。ようやっと一息つけた。そんな感じにも見えた。
──が。
「サイラス殿下、お茶をお持ちしました。入ってよろしいですかな?!」
どんどん。どんどん。
扉を叩きながら大声をあげたのは、セシリーの父親だった。サイラスの身体がびくっと揺れた。双眸に怒りを宿し、ギロッと扉を睨み付ける。
「……いらん! いいから邪魔をするな!!」
怒気を含ませ、サイラスが怒鳴る。父親が「は、はい」と声を震わせ、階段をくだっていく音が聞こえた。
肩で荒く息をするサイラスを見ながら、セシリーはとりあえず正面の席に座り、サイラスの言葉を待つことにした。しばらくして。落ち着きを取り戻したサイラスが、静かに口を開いた。
「……まずは昨日、わたしがきみに向けて放った言葉の意味を、弁明させてほしい。すぐに誤解を解きたかったが……あれだけの数に囲まれては、わたしの精神がもたなかったんだ……すまない」
謝罪されても、何も理解できないセシリーが、頭に疑問符を浮かべる。それはサイラスの次の言葉を聞いても、同じだった。
「きみは王族なのに、人間の顔をしていたから……だから驚いて」
「…………。…………。…………。ええっと」
たっぷり黙考してみたものの、やはり意味がさっぱりわからず、セシリーが困惑する。サイラスは小さく苦笑した。
「唐突過ぎたな、すまない。順を追って話すよ。……信じてもらえるかはわからないが」
「……はあ。わかりました」
何がなにやらわからないまま、セシリーはとにかく、サイラスの話しに黙って耳を傾けることにした。
──サイラスの瞳がまるで助けを求めるように、不安定に揺らいでいるようにみえたから。
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