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二週間後、公爵家の令息エドワーズと、公式に婚約した。
彼はオカリナの両親に、彼女との婚約を早めることを提案した。
しかも両親に、彼女との仲を深めるために、共同生活を始めたいと言い出したのだ。
「お願いです。お嬢様と一緒に屋敷に暮らすのをお許しください。お迎えする準備はできています」
両親は喜んだが、オカリナは気乗りしなかった。
「エドワーズ様、ご厚意はありがたいのですが、私はまだ心の準備ができていません」
しかし、父親は娘の意見など意にも介さなかった。
「オカリナ。エドワーズ様は婚約者だ。もっと仲良くなる必要がある」
母親も会話に入ってきた。
「お父様の言う通りよ。あなたたちは正式したの婚約ですから。エドワーズ様は王国で最も尊敬される家柄ですもの。安心していいですよ」
けれど、オカリナはためらった。
「私たちはまだ知り合って間もないですし……」
エドワーズはしつこく迫ってきた。
「だからこそ、私の屋敷に来てください。あなたのことをもっと知りたい。好きなものや嫌いなもの、夢や希望、すべてを知りたいんです」
「それは嬉しいですが、私はあまり自分のことを話すのが得意ではないもので……」
「心配には及びません。あなたに無理などさせませんよ。束縛などしません。ただ、時々一緒に過ごしてくれたらいいんです。あなたに自由ですし、好きなことをしてください」
なかなか娘が首を縦に振らないので、とうとう母親がいら立って言った。
「まったく、この子はまだ夢ばかり見ているのだわ。14歳のころ、孤児出身の騎士に惚れてしまったのですよ。まったく身分に合わない話です。彼は本当の愛を与えられないし、自分を傷つけるだけ。不誠実な男なのに」
「お母さま、そんなことおっしゃらないで! 彼は傷つけたことはないわ。誠実な方よ……」
オカリナは、うつむいた。
エドワーズは、彼女の前で片膝をついて頭を垂れた。
「オカリナ様、私はあなたに全てを捧げます。最高の幸せを、最高の愛を捧げます。私の言葉を信じてください」
エドワーズから、シルクの手袋から熱い接吻を受けてた。両親の圧力もあり、さすがのオカリナも断る言葉が見つからなかった。
***
彼の屋敷は街の中心部にあり、広大な敷地と高い塀に囲まれていた。外観は白い石造りで、ゴシック様式の窓や塔がある。正面には大きな扉があり、その上には公爵家の紋章が掲げられている。周りには美しい庭園や噴水があるが、門からしか見えなった。
内装は豪華で、金色や赤色が多く使われている。屋敷の中には多くの部屋があり、客間や食堂、書斎、寝室などがある。
部屋の壁には絵画や鏡が飾られており、床には絨毯が敷かれていた。
部屋の中央にはシャンデリアが吊るされており、明るさと華やかさを与えている。部屋の家具は高級な木材や革で作られており、快適さと威厳を感じさせた。
エドワーズは、オカリナを自分の寝室に連れて行った。
彼の寝室は屋敷の最上階にあり、窓から街の景色が見えた。
寝室は他の部屋よりもシンプルで、ベッドや机、椅子などがある。
ベッドは大きくてふかふかで、赤いシーツと枕があった。
ドアを閉めるなり、エドワーズはオカリナをベッドに押し倒した。
「これからはあなたは私だけのものです」
と言って、キスを迫ってきたのだ。
「やめてください!」
オカリナは顔を背けて、両手を彼の顎に突き出して、激しく抵抗した。
「……すまない」
エドワーズは我に返ったように彼女から離れると、足早に部屋から出て行った。
***
それからは、オカリナに対して常に優しくて丁寧な態度をとった。花や贈り物を贈り、彼女をレストランや劇場に連れて行った。
彼は何度もオカリナに愛を誓い、彼女を幸せにすると約束した。
しかし、オカリナは彼に愛情を感じることができなかった。
数日後、エドワーズとオカリナは大広間で開かれる夜会に招待された。そこには王国の貴族や騎士、そして隣国の王族や使節が集まっていた。
彼らは華やかな服装をして、美味しい料理や飲み物を楽しんだ。音楽やダンスに興じたり、政治や経済について話したりした。
ふたりは公爵令息と伯爵令嬢として、高貴な身分の人々と交流した。美しいドレスとスーツを着て、華やかな雰囲気に溶け込んでいた。
エドワーズはオカリナを自慢げに抱き寄せて、他の男性から目をそらさせた。
彼女は嫌だったが面前だったため、エドワーズに微笑んで応じたものの、心の中では苛立ちを感じていた。
夜会の途中で、国王が登場した。王様は人々に静かにするように促した。
王様は次のように言った。
「今日は皆さんにお知らせがある。先日、隣国ドンバルの王国にはびこるグールの大群を撃退した英雄がいる。彼は騎士団長のブルーム・アルディス。勇敢に戦って、多くの人々の命を救った。彼は我が王国の誇りだ。彼を夜会に招待した。彼に敬意と感謝を表したい」
王様は言って、手を振った。
すると、会場の入り口から、鎧を着た男性が現れた。彼は剣を腰に差して、堂々と歩いてきた。
彼は王様の前に立って、一礼した。
「王様、ご招待ありがとうございます。私はブルーム・アルディスと申します。私はただ任務を果たしたまでです」
と彼は言った。
「いやいや、そなたは謙虚過ぎる。そちは素晴らしい功績を挙げた。感謝するぞ」
と王様は言いました。
「それでは、この勲章を授与する。これは我が王国で最も高い栄誉だ」
とブルームの胸に金色の星型の勲章をつけた。
人々はブルームに拍手と歓声を送った。
騎士は恥ずかしそうに笑って、頭を下げた。
「ありがとうございます」
と彼は言った。
「それでは、この夜会で楽しんでいただきたい。どうぞ自由にしてくれ」
と王様は言って、ブルームを送り出した。
騎士は会場の中を見回した。
彼は多くの人々から祝福や賞賛を受けた。彼は礼儀正しく応えたが、心の中では疲れていた。
こういう場所が苦手だった。戦場で生きることに慣れていた。
そんなとき、彼は目の前に見覚えのある顔を見つけた。それはオカリナだった。
彼は驚いた。彼女がエドワーズと婚約していることを知っていたが、彼女に会うことはないと思っていたのだ。
オカリナもブルームに気づいて、驚きを隠せなかった。
二人は互いに目を合わせた。言葉を交わさなかった。気持ちは通じ合っていたから。
ただ、静かに見つめ合っていた。
彼はオカリナの両親に、彼女との婚約を早めることを提案した。
しかも両親に、彼女との仲を深めるために、共同生活を始めたいと言い出したのだ。
「お願いです。お嬢様と一緒に屋敷に暮らすのをお許しください。お迎えする準備はできています」
両親は喜んだが、オカリナは気乗りしなかった。
「エドワーズ様、ご厚意はありがたいのですが、私はまだ心の準備ができていません」
しかし、父親は娘の意見など意にも介さなかった。
「オカリナ。エドワーズ様は婚約者だ。もっと仲良くなる必要がある」
母親も会話に入ってきた。
「お父様の言う通りよ。あなたたちは正式したの婚約ですから。エドワーズ様は王国で最も尊敬される家柄ですもの。安心していいですよ」
けれど、オカリナはためらった。
「私たちはまだ知り合って間もないですし……」
エドワーズはしつこく迫ってきた。
「だからこそ、私の屋敷に来てください。あなたのことをもっと知りたい。好きなものや嫌いなもの、夢や希望、すべてを知りたいんです」
「それは嬉しいですが、私はあまり自分のことを話すのが得意ではないもので……」
「心配には及びません。あなたに無理などさせませんよ。束縛などしません。ただ、時々一緒に過ごしてくれたらいいんです。あなたに自由ですし、好きなことをしてください」
なかなか娘が首を縦に振らないので、とうとう母親がいら立って言った。
「まったく、この子はまだ夢ばかり見ているのだわ。14歳のころ、孤児出身の騎士に惚れてしまったのですよ。まったく身分に合わない話です。彼は本当の愛を与えられないし、自分を傷つけるだけ。不誠実な男なのに」
「お母さま、そんなことおっしゃらないで! 彼は傷つけたことはないわ。誠実な方よ……」
オカリナは、うつむいた。
エドワーズは、彼女の前で片膝をついて頭を垂れた。
「オカリナ様、私はあなたに全てを捧げます。最高の幸せを、最高の愛を捧げます。私の言葉を信じてください」
エドワーズから、シルクの手袋から熱い接吻を受けてた。両親の圧力もあり、さすがのオカリナも断る言葉が見つからなかった。
***
彼の屋敷は街の中心部にあり、広大な敷地と高い塀に囲まれていた。外観は白い石造りで、ゴシック様式の窓や塔がある。正面には大きな扉があり、その上には公爵家の紋章が掲げられている。周りには美しい庭園や噴水があるが、門からしか見えなった。
内装は豪華で、金色や赤色が多く使われている。屋敷の中には多くの部屋があり、客間や食堂、書斎、寝室などがある。
部屋の壁には絵画や鏡が飾られており、床には絨毯が敷かれていた。
部屋の中央にはシャンデリアが吊るされており、明るさと華やかさを与えている。部屋の家具は高級な木材や革で作られており、快適さと威厳を感じさせた。
エドワーズは、オカリナを自分の寝室に連れて行った。
彼の寝室は屋敷の最上階にあり、窓から街の景色が見えた。
寝室は他の部屋よりもシンプルで、ベッドや机、椅子などがある。
ベッドは大きくてふかふかで、赤いシーツと枕があった。
ドアを閉めるなり、エドワーズはオカリナをベッドに押し倒した。
「これからはあなたは私だけのものです」
と言って、キスを迫ってきたのだ。
「やめてください!」
オカリナは顔を背けて、両手を彼の顎に突き出して、激しく抵抗した。
「……すまない」
エドワーズは我に返ったように彼女から離れると、足早に部屋から出て行った。
***
それからは、オカリナに対して常に優しくて丁寧な態度をとった。花や贈り物を贈り、彼女をレストランや劇場に連れて行った。
彼は何度もオカリナに愛を誓い、彼女を幸せにすると約束した。
しかし、オカリナは彼に愛情を感じることができなかった。
数日後、エドワーズとオカリナは大広間で開かれる夜会に招待された。そこには王国の貴族や騎士、そして隣国の王族や使節が集まっていた。
彼らは華やかな服装をして、美味しい料理や飲み物を楽しんだ。音楽やダンスに興じたり、政治や経済について話したりした。
ふたりは公爵令息と伯爵令嬢として、高貴な身分の人々と交流した。美しいドレスとスーツを着て、華やかな雰囲気に溶け込んでいた。
エドワーズはオカリナを自慢げに抱き寄せて、他の男性から目をそらさせた。
彼女は嫌だったが面前だったため、エドワーズに微笑んで応じたものの、心の中では苛立ちを感じていた。
夜会の途中で、国王が登場した。王様は人々に静かにするように促した。
王様は次のように言った。
「今日は皆さんにお知らせがある。先日、隣国ドンバルの王国にはびこるグールの大群を撃退した英雄がいる。彼は騎士団長のブルーム・アルディス。勇敢に戦って、多くの人々の命を救った。彼は我が王国の誇りだ。彼を夜会に招待した。彼に敬意と感謝を表したい」
王様は言って、手を振った。
すると、会場の入り口から、鎧を着た男性が現れた。彼は剣を腰に差して、堂々と歩いてきた。
彼は王様の前に立って、一礼した。
「王様、ご招待ありがとうございます。私はブルーム・アルディスと申します。私はただ任務を果たしたまでです」
と彼は言った。
「いやいや、そなたは謙虚過ぎる。そちは素晴らしい功績を挙げた。感謝するぞ」
と王様は言いました。
「それでは、この勲章を授与する。これは我が王国で最も高い栄誉だ」
とブルームの胸に金色の星型の勲章をつけた。
人々はブルームに拍手と歓声を送った。
騎士は恥ずかしそうに笑って、頭を下げた。
「ありがとうございます」
と彼は言った。
「それでは、この夜会で楽しんでいただきたい。どうぞ自由にしてくれ」
と王様は言って、ブルームを送り出した。
騎士は会場の中を見回した。
彼は多くの人々から祝福や賞賛を受けた。彼は礼儀正しく応えたが、心の中では疲れていた。
こういう場所が苦手だった。戦場で生きることに慣れていた。
そんなとき、彼は目の前に見覚えのある顔を見つけた。それはオカリナだった。
彼は驚いた。彼女がエドワーズと婚約していることを知っていたが、彼女に会うことはないと思っていたのだ。
オカリナもブルームに気づいて、驚きを隠せなかった。
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