【完結】伯爵令嬢は愛する騎士の仲を引き裂く運命に逆らいます

朝日みらい

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「それなら、わたしが証拠です」

 オカリナは、立ち上がり、ドレスの肩紐を外して左肩を露にした後、右裾をまくし上げた。

 肩には暴行を受けた傷痕や、腕には森で置き去りにされてグールに噛まれて縫合した痕が露になった。

 王様はショックを受けて、大きく首を横に振った。

「まったく、国民の、誰よりも公明正大であるべき宰相が、私や国家の信頼を裏切ったのだ。オカリナ嬢に暴行したことで、法律まで犯したのだぞ。さらに嘘をついたことで、隣国の王の前で私の名誉まで汚した。これらの罪で、重い刑罰を受けなければならない」

 そして王様は兵士たちに、

「エドワーズを捕まえて、ただちに連行しろ」と命じた。

 兵士たちはエドワーズを取り押さえた。

 エドワーズは、兵士たちから逃れようと抵抗した。

「王様殿下、お願いします。私は無実ですよ。あのアバズレが自分でやったのです」と懇願しながら退場した。

 王様はエドワーズの言葉を無視して、

「ブルームとオカリナよ、あなた方は無実だと証明された。もう自由だ」と言った。


***

 
 その後、エドワーズは、兵士に連行されて帰国し、ただちに裁判にかけられた。弁解しようとしたが、証拠や証言は彼に不利だった。

 エドワードは死刑を宣告された。オカリナに暴行したことや、ブルームとオカリナに反逆したことや、王様に嘘をついたことなどの罪が重なり、処刑されることになった。

 彼は裁判長の言葉に抗議して、

「裁判官殿、お願いします。無実です」と言って、懇願したが、言葉は聞き入れなかった。

 裁判長は看守たちに、

「エドワードを牢屋に連れて行け。明日の朝、彼を絞首台に引きずり出せ」

と命じた。

 看守たちはエドワードを捕まえて、牢屋へと連れて行った。

 彼らはエドワードを暗くて汚くて臭い牢屋に入れて、鉄の扉を閉めた。

「お前はもう終わりだ。明日の朝、首を吊られるんだ。地獄へ行くんだ」

と言って、嘲笑した。

「お願いだ。私を助けろ。死にたくないんだ」

と破顔して哀願したが、看守たちは彼の言葉を無視して、去って行った。

 エドワードは牢屋の中で一人ぼっちだった。

 そして自分の過ちや最期について考えながら、静かに涙を流した。
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