坂の上の帰り道

早稲 アカ

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 公園には、たくさんの子どもたちがかけ回って遊んでいた。
 バスケットをする子、キャッチボールをする子、バトミントンをする子、サッカーをする子、フリスビーを投げる子。そこには、同じ三年三組の子たちもまじっていた。

「あっ、松原さんだわ。めずらしい」

 バトミントンをやめて、クラスのマチコがカオルを連れてやってきた。

「どうしたの? 何か用事?」
「うん。あの、丸い石を探してるの」

 ミチルが身振り手振りで、できるだけくわしくツルッパゲの姿を話すと、ふたりもいっしょに探してくれることになった。キャッチボールをしていた三組のカズトとナオヤも、探しているのに気づいて、投げるのを止めて加わった。

 しばらくしてケイスケが、

「これじゃないか?」と、丸い石をかかえて持ってきた。ミチルも持ってみたが、ずっしりと重たい。

「違う、か」

 首をふるミチルに、ケイスケが残念そうに首を曲げると、

「これはどうかな」

と、カオルが胸に抱いて見せた。
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