レンミちゃんのママのお話

朝日みらい

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「病気でママは死んじゃったんだよ。パパは、ママの思い出がつまった、前のおうちから出たかったの。もうママはいないからって。レンミも、みんなに言わなきゃね。消えちゃったって」

 ママは写真の中で、天使のようにほほ笑みかけていました。けれど、なつえさんには、ここに本当のママはいないように思えたのでした。

 翌日、レンミちゃんは学校に来ました。朝礼になって、にしかわ先生が入ってきました。

「栗林さんからみんなに、お母さんのことでお話ししたいことがあるそうです」

 レンミちゃんはみんなの前に立ちました。でもいざ話となると口がつまってうつむいてしまいました。そしてまたロッカーの方を見たのです。なつえさんもそっちを見て、思わず目をみはりました。

 ロッカーの前でレンミちゃんのママが立っていました。「がんばれ」ってメガホンみたいに口もとに両手をかざしながら、ほほ笑んでいたのです。すぐに消えてしまいましたけれど、なつえさんは気づいたのです。

 ママは、ずっとレンミちゃんの心の中にいる。そして、クラスのみんなともいっしょ。ママは消えてないんかいないんだって。

 なつえさんは、こらえきれなくなって立ち上がりました。

「私、レンミちゃんのママを知ってるよ。すてきなママだね。大好きよ」

 にしかわ先生は、レンミちゃんの肩に手をそえました。

「先生も大好きです。すてきなママだもんね」

「大好きよ」とのり子ちゃんとまり子ちゃん。すると口ぐちにみんなが手をあげて、「大好きだよ」といいました。
レンミちゃんは、涙でうるんだ赤い瞳のまま、

「レンミ、ママにね、早く学校に行きなさいって、しかられちゃったんだよ」

と、舌を出しておどけてみせました。
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