ふんどし仮面、只今参上

朝日みらい

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 だって、じつは、ぼく、鉄腕キッドなんだ。だけど、ヒーローたちはみぶんをかくして、くらしている。だから、じまんなんか、ぜったいしない。

「でも、タイツだから、たくさん、汗、かいちゃうわよね」

 ユカリさんは、しんぱいそうにいった。

「だいじょうぶだと思うよ。まいにち、せんたくしてるだろうから」
「でも、すぐ乾くかしら。替えの服はあるのかな」
「特注だからないけど、へいきなんじゃないかな。ランドリーなら、乾燥まで、ぜんぶやってくれるし」
「だけど、ちゃんと、お風呂にはいっているのか、しんぱいなんだよね。そうしないと、あせもだらけになっちゃうかもしれないわ」
「まいにち、ちゃんとおふろに入ってるよ」
「なら、いいけど。でも、たたかいがはげしいから、筋肉痛とかになってないかな」
「ちゃんと疲労回復の、薬草入りのおふろに入ってるよ」
「だったら、いいけどね」

 ぼくは、ロッカーのカギとタオルをうけとった。

「今日はアヒルちゃんの日だから、お湯にいっぱいビニール人形が浮いてるんだよね。すごくたのしみだ」

 ぼくがいうと、ユカリさんの目がくもった。

「そうなんだけど……」
「そうだ。ぼく、サウナにも入りたいな。汗、いっぱいかいちゃったから」

 すると、ユカリさんは大きく首を横にふってから、さびしそうに口を開いた。

「ごめん。今日は、よしておいた方がいいと思う」
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