【完結】義妹に全て奪われた私。だけど公爵様と幸せを掴みます!

朝日みらい

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第2章: 冷たい人形の館

アルノー公爵の館に馬車で到着した瞬間、私の目の前に広がった夕焼けの景色は、言葉では言い表せないくらい圧倒的な光景だった。

大きすぎて、冷たすぎて、夕日に染まって真っ赤に染まり、まるで巨大な氷の血の塊が建物として立っているかのような感じ。

でも、これはただの家じゃない。

「館」とはちがう、堂々とした「不気味な館」だった。

それだけで、私は少しばかり震え上がる。

ああ、私はこれからここで暮らすんだよね…と、心の中で呟きながら、門をくぐった。

庭も広すぎて、どこから手をつけたらいいのかわからない。

でも、なんだか足元が冷たいような気がして、全身が少し縮こまる。

これからの生活に少しだけ不安を感じるけれど、すでに一歩踏み出しているのだから、もう後戻りなんてできない。帰り道なんて無いんだ。

そしてそのとき、視線を感じて振り向くと、そこに立っていたのは――。

「ようこそ。長旅お疲れ様だった。」

アルノー公爵が、まるで私の動きに合わせたかのように淡々と告げた。

彼の表情には一切の波がなく、まるで感情が読み取れない。

何も言わずにただ立っているだけで、周りの空気がぴんと張り詰めるような気がする。

私は思わず少し身構えてしまった。

でも、彼が私に言った言葉は驚くべきことに、あまりにもあっさりとしていた。

「ここが君の新しい家だ。」

その言葉が何だか心にズシリと響く。

え、新しい家…って、あの冷たい館が私の家になるってことなの?

まあ、そうだよね、結婚するんだから。

でも、なんだか腑に落ちない。

心の中でクスっと笑ってしまうけど、顔には出さないようにする。

新しい生活が始まるんだ。

どんな生活になるのか、まだわからないけれど…。


館に入ると、家臣たちが淡々と私を迎えてくれる。

無駄な言葉を一切発さない。

無表情で、まるで自分が人形みたいに感じられる。

彼らも主のアルノー公爵の影響を色濃く受けているのだろう。

私が少しでも何かを言おうとしても、彼らの顔にはまるで動きがない。

私の存在が当然すぎて、特別扱いなんてされることはないんだろう。

なんだか、ちょっと心細くなる。

「これが、公爵様のお家なの…」

私は思わず呟いた。

その瞬間、アルノー公爵がすっと横に現れて、私の顔を見るでもなく言った。

「ここは、余計なものを排除してある。」

ああ、やっぱり…そうだ。

人形なんだから、感情なんかいらないんだ。要らないものは捨てるんだ。実家を追い出された私も同じよね。

彼の冷徹な目線に、私は思わず小さくうなずいた。

「そう…なんですね。」と、ほとんど声も出ないくらいに小さく答えるしかなかった。だって、彼の目、怖すぎるから……。

部屋に案内されて、私は驚いた。

冷たいだけの館だと思っていたけれど、部屋は広くて、シンプルでありながら高級感が漂っている。

無機質な感じの中に、何かしら清潔感がある。嫌な感じはしない。

でもやっぱり温かみが足りない。

「君の部屋だ。」と、公爵が言ったその瞬間、私は思わず顔を上げて「これが私の?」と確認する。

でも、彼は特に反応もなく、無言で私を部屋に促すだけだった。

部屋に入ると、目の前に広がるのはテーブルに椅子、本当に大きなベッド。おそるおそる私は椅子に座ってみる。

高級感溢れる調度品、ふかふかの絨毯が広がる。

思わずほっとして、少しリラックスした気分になる。
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