【完結】義妹に全て奪われた私。だけど公爵様と幸せを掴みます!

朝日みらい

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第16章: 共に過ごす時間

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最近、アルノーが庭園で過ごす時間が増えた。

もちろん、私が庭の手入れを始めてからだけど、それだけじゃない気がする。

彼が忙しい日常の中で、わざわざ私のそばにいる時間を作ってくれている――それがなんだか、嬉しい。

アルノーはいつも何かしらの書類を持ってきては、庭園のベンチに座って私の隣にいる。

相変わらず会話は少ないけれど、彼が仕事をしながらも私のそばにいてくれるその姿が、何だか安心感を与えてくれるから。

「この数字が合わんな…」と、アルノーが書類を見ながら眉をひそめる。

「もう少しゆっくり見たら?」と、私は少しからかうように言ってみた。

だって、アルノーがあまりに真剣に書類と向き合っているのを見ると、ちょっと心配になっちゃうんだもの。

「君がいると、気が散るんだ。」

アルノーは顔を上げて、少しだけ笑ったような顔を見せる。

ああ、この顔、またちょっと可愛いって思っちゃう。

気づかないうちに顔がにやけてしまう自分を、内心で引き締める。

「気が散るなんて、失礼よ。もっと集中なさって」と、私はふふっと笑って言ってみた。

アルノーは軽くため息をつきながら、「分かってる」と言った。

私はあまりにも可愛そうになって思わず、膝を抱えて座ったまま、彼の横にぴったりくっついてみた。

「ちょっと近すぎだろ?」と、アルノーが驚きの声を上げるけど、私は意地悪く「だって、暇なの。あなたが早く終わらせないと、いっしょに過ごせないでしょ」と、少し無理やりでもアルノーに体を寄せてみる。

アルノーは驚いた様子で、私を見下ろす。

けれど、すぐに顔を少し赤くして、

「君、あまりにも大胆すぎる…」と、でもその目にはほんの少しだけ優しさが溢れているのが見えた。

「もう、そんなに恥ずかしがってどうするの?」

私は少しからかうように笑って言ったけれど、心の中ではやっぱり、彼の優しさが嬉しくてたまらない。

そして、しばらく沈黙が続く。

だけどその沈黙が、私には全然苦痛じゃない。

アルノーがわざわざこんなふうに、私のそばにいてくれるなんて。

ああ、なんて幸せなんだろう。

「今日は何して遊びます?」

なんて、ふとした言葉が口から出た。

「遊ぶ?」

アルノーは顔を上げて、ちょっとだけ興味を持ったように私を見つめる。

「はい。せっかく一緒にいるんだし、何か楽しみたいですよ」と、私はふふっと笑いながら言ってみた。

アルノーは少し考え込んでから、突然にやっと口を開いた。

「お前、もしかして…遊んでほしいのか?」

その目はちょっとだけ驚きが混じっているけれど、私はまっすぐに彼の目を見て答える。

「そんなの、ちょっとした遊びでも嬉しいわ。あなたがいるだけで、それが一番楽しみだもの。」

恥ずかしくて、ちょっと顔が赤くなる。

でも、なんだかそんな私を彼が見守ってくれていることが幸せで、安心感を覚える。

「お前、素直だな。」

アルノーは少し笑いながら、書類を放り投げて私に向かって手を差し伸べる。

その笑顔が、また私の心を温かくしてくれる。

「それで?どうするの?」

私はちょっとだけ期待を込めて言うと、アルノーはすぐに「じゃあ、こうしよう。」と言いながら私の手を取って、少し歩きながら庭を散策し始めた。

その間、何も特別なことをするわけじゃない。

ただ、二人で歩きながら、少しだけ他愛のない話をして、ただその瞬間を楽しんでいるだけ。

けれど、それが一番幸せな時間だと思う。

アルノーは時々、私の方をちらりと見て、無言で微笑んだり。

そんな些細な瞬間が私には全て宝物に思えてくる。

「リリアナがそばにいるだけで、こんなに穏やかな気持ちになれるんだな。」と、アルノーがぽつりと呟いた。

その言葉が、私の胸をぎゅっと掴んで、じわっと温かさが広がっていった。

「リリアナって呼んでくれたね。」

「リリアナ。」

「ありがとう、アルノー」と、私は小さな声で答えた。

「久しぶりに都の舞踏会に行くか。可愛い妻をお披露目したくてな。」

「いいわ。あなたがいれば。」

アルノーと一緒に過ごせるんだから、それだけで十分に特別な時間になる。
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