【完結】義妹に全て奪われた私。だけど公爵様と幸せを掴みます!

朝日みらい

文字の大きさ
37 / 39

第37章: 深まる絆

最近、アルノーと過ごす時間が増えてきた。

最初は仕事の話ばかりだったけれど、少しずつ私たちの会話は仕事だけじゃなくて、もっとプライベートなことにも広がっていった。

「今日は、君と一緒に昼食を取ろうか。」

ある日、アルノーがふっと言った。

その顔はいつも通り冷静なんだけど、どこか柔らかさを帯びていて、思わず胸がきゅんとした。

「ほんとに?」

私は目を大きくして、少し驚いてしまった。

だって、普段は仕事に没頭している彼が、こんな風に誘ってくれるなんて、なかなかないことだもの。

「もちろん。こうして君と一緒に過ごす時間を増やしたいんだ。」

アルノーはちょっと照れた顔をしながら、言った。

私はうれしさを隠せずににっこりと笑った。

「じゃあ、どこに行こうか?」

と私は提案するが、アルノーはちょっと考えてから、にやりと笑った。

「君が決めていいよ。」

その目がなんだか挑戦的に見えて、私はついふふっと笑ってしまう。

「うーん、じゃあ…この近くのカフェに行きましょうよ。」

私はちょっと選んでみたけど、その選択肢は彼にとっては少し意外だったみたいで、アルノーは眉を上げて驚いた顔をした。

「カフェ?君がカフェに行きたいのか?」

彼は冗談っぽく聞いてきたけど、私は自信満々に頷いた。

「うん、そうだよ。たまには気軽にカフェでのんびりしたい気分なの。」

そう言って、アルノーと手をつなぎながらカフェに向かう私たち。

街の賑わいも心地よく感じながら、アルノーの手のぬくもりを感じると、なんだか幸せな気分になった。

カフェでは、温かい紅茶を注文し、ゆっくりとおしゃべりを始める。

アルノーは、最初はいつものように冷静で、落ち着いた雰囲気を出していた。

けれど、少しずつリラックスしてきたみたいで、目を細めて私の話を聞いてくれる。

「君がいるから、毎日がほんとに楽しくなったよ。」

アルノーが微笑んで言ったその一言に、私はドキッとした。

何気ない言葉だったけれど、心にぽっと火が灯ったような気がした。

「ありがとう…アルノー。」

私は恥ずかしそうに頭をかきながら、返す。

「君の話はいつも面白くて、俺もつい引き込まれるよ。」

と、アルノーは意外にも、少し照れくさそうに言った。

その顔がまた、普段とは違う優しさを帯びていて、私の心臓がバクバクと鳴り始める。

「アルノー、何照れてるの……」

私はからかうように言うと、アルノーはちょっとだけ困ったような顔をして、

「別に照れてるわけじゃない。」

と言いながら、そっぽを向く。

ああ、かわいいな、と思って、私はついにやけてしまう。

その後、昼食を終えて帰る道すがら、アルノーは少し黙って歩いていた。

少しだけ気まずくなったかな?と思っていると、急に彼が口を開いた。

「君がいると、やっぱり落ち着く。」

その言葉は、あまりにも自然に出てきたようで、私の心をわしづかみにした。

「え?」

私は少し驚きながら、彼を見上げる。

「君がいるから、リラックスできる。」

アルノーは、普段の冷静さとは打って変わって、少し柔らかい笑顔を見せてくれる。

その笑顔に、私は胸がいっぱいになった。

「私も、アルノーと一緒にいるとすごく安心するのよ。」

私はついその気持ちを素直に言葉にしてしまう。

するとアルノーは、またあの普段の冷静さを取り戻し、少しだけからかうように言った。

「君って俺に甘えてるな。」

「え?」

私は慌てて言い返す。

「甘えてなんかないもん!」

でも、その後、アルノーがニヤリと笑って、

「冗談だよ。」

と言いながら、私の手を引いて歩き始めた。

なんだか、少しだけ距離が縮まった気がして、心がほっとする。


帰り道、少し歩きながら、私はアルノーのことを考えていた。

私は彼と一緒にいることがどんどん好きになっていっているのは確かだった。

その時、アルノーが突然、私の手をぎゅっと握った。

「リリアナ、ありがとう。」

その言葉に、私は心の中で思わず微笑んだ。
感想 1

あなたにおすすめの小説

愛人を連れて帰ってきた翌朝、名前すら呼ばれなかった私のもとに王太子殿下が迎えに来ました 〜三年間冷遇された妻、今は毎日名前を呼ばれています〜

まさき
恋愛
侯爵家に嫁いで三年。 夫に名前を呼ばれたことは、一度もなかった。 社交の場ではただ隣に立つだけ。 屋敷では「妻」としてすら扱われない。 それでも、いつかは振り向いてもらえると信じていた。 ――けれど、その期待はあっさりと壊れる。 夫が愛人を伴って帰宅した、その翌朝。 私は離縁状を残し、静かに屋敷を出た。 引き止める者は、誰もいない。 これで、すべて終わったはずだった―― けれどその日、私のもとに現れたのは王太子殿下。 「やっと手放してくれたか。三年も待たされました」 幼い頃から、ただ一人。 私の名前を呼び続けてくれた人。 「――アリシア」 その一言で、凍りついていた心がほどけていく。 一方、私を軽んじ続けた元夫は、 “失ってはいけないもの”を手放したことに、まだ気づいていない。 これは、三年間名前を呼ばれなかった私――アリシアが、 本当の居場所と愛を取り戻す物語。

【完結】白い結婚を終えて自由に生きてまいります

なか
恋愛
––アロルド、私は貴方が結婚初日に告げた言葉を今でも覚えている。  忘れもしない、あの時貴方は確かにこう言った。  「初めに言っておく、俺達の婚姻関係は白い結婚として……この関係は三年間のみとする」 「白い結婚ですか?」 「実は俺には……他に愛する女性がいる」   それは「公爵家の令嬢との問題」を理由に、三年間だけの白い結婚を強いるもの。 私の意思を無視して三家が取り決めたものであったが、私は冷静に合意を決めた ――それは自由を得るため、そして『私自身の秘密を隠すため』の計算でもあった。 ところが、三年の終わりが近づいたとき、アロルドは突然告白する。「この三年間で君しか見えなくなった。白い結婚の約束をなかったことにしてくれ」と。 「セシーリア、頼む……どうか、どうか白い結婚の合意を無かった事にしてくれ」 アロルド、貴方は何を言い出すの? なにを言っているか、分かっているの? 「俺には君しかいないと、この三年間で分かったんだ」 私の答えは決まっていた。 受け入れられるはずがない。  自由のため、私の秘密を守るため、貴方の戯言に付き合う気はなかった。    ◇◇◇ 設定はゆるめです。 とても強い主人公が自由に暮らすお話となります。 もしよろしければ、読んでくださると嬉しいです!

婚約破棄?まあ!御冗談がお上手なんですね!

桜井ことり
恋愛
「何度言ったら分かるのだ!アテルイ・アークライト!貴様との婚約は、正式に、完全に、破棄されたのだ!」 「……今、婚約破棄と、確かにおっしゃいましたな?王太子殿下」 その声には、念を押すような強い響きがあった。 「そうだ!婚約破棄だ!何か文句でもあるのか、バルフォア侯爵!」 アルフォンスは、自分に反抗的な貴族の筆頭からの問いかけに、苛立ちを隠さずに答える。 しかし、侯爵が返した言葉は、アルフォンスの予想を遥かに超えるものだった。 「いいえ、文句などございません。むしろ、感謝したいくらいでございます。――では、アテルイ嬢と、この私が婚約しても良い、とのことですかな?」 「なっ……!?」 アルフォンスが言葉を失う。 それだけではなかった。バルフォア侯爵の言葉を皮切りに、堰を切ったように他の貴族たちが次々と声を上げたのだ。 「お待ちください、侯爵!アテルイ様ほどの淑女を、貴方のような年寄りに任せてはおけませんな!」 「その通り!アテルイ様の隣に立つべきは、我が騎士団の誉れ、このグレイフォード伯爵である!」 「財力で言えば、我がオズワルド子爵家が一番です!アテルイ様、どうか私に清き一票を!」 あっという間に、会場はアテルイへの公開プロポーズの場へと変貌していた。

[完]出来損ない王妃が死体置き場に捨てられるなんて、あまりにも雑で乱暴です

小葉石
恋愛
 国の周囲を他国に囲まれたガーナードには、かつて聖女が降臨したという伝承が残る。それを裏付ける様に聖女の血を引くと言われている貴族には時折不思議な癒しの力を持った子供達が生まれている。  ガーナードは他国へこの子供達を嫁がせることによって聖女の国としての威厳を保ち周辺国からの侵略を許してこなかった。      各国が虎視眈々とガーナードの侵略を図ろうとする中、かつて無いほどの聖女の力を秘めた娘が侯爵家に生まれる。ガーナード王家はこの娘、フィスティアを皇太子ルワンの皇太子妃として城に迎え王妃とする。ガーナード国王家の安泰を恐れる周辺国から執拗に揺さぶりをかけられ戦果が激化。国王となったルワンの側近であり親友であるラートが戦場から重傷を負って王城へ帰還。フィスティアの聖女としての力をルワンは期待するが、フィスティアはラートを癒すことができず、ラートは死亡…親友を亡くした事と聖女の力を謀った事に激怒し、フィスティアを王妃の座から下ろして、多くの戦士たちが運ばれて来る死体置き場へと放り込む。  死体の中で絶望に喘ぐフィスティアだが、そこでこその聖女たる力をフィスティアは発揮し始める。  王の逆鱗に触れない様に、身を隠しつつ死体置き場で働くフィスティアの前に、ある日何とかつての夫であり、ガーナード国国王ルワン・ガーナードの死体が投げ込まれる事になった……………!   *グロテスクな描写はありませんので安心してください。しかし、死体と言う表現が多々あるかと思いますので苦手な方はご遠慮くださいます様によろしくお願いします。

傷物令嬢は騎士に夢をみるのを諦めました

みん
恋愛
伯爵家の長女シルフィーは、5歳の時に魔力暴走を起こし、その時の記憶を失ってしまっていた。そして、そのせいで魔力も殆ど無くなってしまい、その時についてしまった傷痕が体に残ってしまった。その為、領地に済む祖父母と叔母と一緒に療養を兼ねてそのまま領地で過ごす事にしたのだが…。 ゆるっと設定なので、温かい気持ちで読んでもらえると幸いです。

【完結】幽霊令嬢は追放先で聖地を創り、隣国の皇太子に愛される〜私を捨てた祖国はもう手遅れです〜

遠野エン
恋愛
セレスティア伯爵家の長女フィーナは、生まれつき強大すぎる魔力を制御できず、常に体から生命力ごと魔力が漏れ出すという原因不明の症状に苦しんでいた。そのせいで慢性的な体調不良に陥り『幽霊令嬢』『出来損ない』と蔑まれ、父、母、そして聖女と謳われる妹イリス、さらには専属侍女からも虐げられる日々を送っていた。 晩餐会で婚約者であるエリオット王国・王太子アッシュから「欠陥品」と罵られ、公衆の面前で婚約を破棄される。アッシュは新たな婚約者に妹イリスを選び、フィーナを魔力の枯渇した不毛の大地『グランフェルド』へ追放することを宣言する。しかし、死地へ送られるフィーナは絶望しなかった。むしろ長年の苦しみから解放されたように晴れやかな気持ちで追放を受け入れる。 グランフェルドへ向かう道中、あれほど彼女を苦しめていた体調不良が嘘のように快復していくことに気づく。追放先で出会った青年ロイエルと共に土地を蘇らせようと奮闘する一方で、王国では異変が次々と起き始め………。

お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
今宵もあの方は帰ってきてくださらない… フリーアイコン あままつ様のを使用させて頂いています。

捨てられた私は遠くで幸せになります

高坂ナツキ
恋愛
ペルヴィス子爵家の娘であるマリー・ド・ペルヴィスは来る日も来る日もポーションづくりに明け暮れている。 父親であるペルヴィス子爵はマリーの作ったポーションや美容品を王都の貴族に売りつけて大金を稼いでいるからだ。 そんな苦しい生活をしていたマリーは、義家族の企みによって家から追い出されることに。 本当に家から出られるの? だったら、この機会を逃すわけにはいかない! これは強制的にポーションを作らせられていた少女が、家族から逃げて幸せを探す物語。 8/9~11は7:00と17:00の2回投稿。8/12~26は毎日7:00に投稿。全21話予約投稿済みです。