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20:00, Friday アルバートホテル 7階にて
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「…み…耳…」
「…耳、いや…?」
聞いておきながら、執拗に耳を責め立ててくる。
すぐ近くで混ざり合う音と感触に、生々しさを覚え、たじろいでしまう。
弘の手に収められたものは次第に熱を帯び始め、
とくとくと脈を打ち始めた。
それに応えるように、弘の長い親指が下から上へと押し上げられていく。
与えられる刺激に、大きく息を吐いた。
「耳…結構、好きかもしれないね」
弘は少し嬉しそうに、呟いた。
喉の奥から絞り出すような低い声が、耳の奥で響き渡る。
情けなくも、涙が出てきた。
目尻から耳元に流れ落ちる雫を感じ取ったのか、ようやく弘が口を離した。
「ごめん…泣かないで」
「…泣いてないです」
「泣いてる泣いてる」
涙出てるよ、と言いながら、右手の人差し指の背で目尻に溜まる雫をすくい取られた。
それでもまだ、弘は握った俺のものに指を絡め続けている。
力を込められる度に、腰がびくりと浮いてしまう。
無力で無抵抗な自分を晒す恐ろしさと、
快楽に身体を熱くさせている自分を晒す恥ずかしさに、思考が掻き乱されていく。
「…耳、いや…?」
聞いておきながら、執拗に耳を責め立ててくる。
すぐ近くで混ざり合う音と感触に、生々しさを覚え、たじろいでしまう。
弘の手に収められたものは次第に熱を帯び始め、
とくとくと脈を打ち始めた。
それに応えるように、弘の長い親指が下から上へと押し上げられていく。
与えられる刺激に、大きく息を吐いた。
「耳…結構、好きかもしれないね」
弘は少し嬉しそうに、呟いた。
喉の奥から絞り出すような低い声が、耳の奥で響き渡る。
情けなくも、涙が出てきた。
目尻から耳元に流れ落ちる雫を感じ取ったのか、ようやく弘が口を離した。
「ごめん…泣かないで」
「…泣いてないです」
「泣いてる泣いてる」
涙出てるよ、と言いながら、右手の人差し指の背で目尻に溜まる雫をすくい取られた。
それでもまだ、弘は握った俺のものに指を絡め続けている。
力を込められる度に、腰がびくりと浮いてしまう。
無力で無抵抗な自分を晒す恐ろしさと、
快楽に身体を熱くさせている自分を晒す恥ずかしさに、思考が掻き乱されていく。
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