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第22話
「この学校の責任者の方ではないですか?」
しおりを挟む翌朝、
騎士寮にて
カトレア「昨日の任務お疲れ様。今年の新入生はそれなりに上手くやっていけそうかしら??」
ラン「どうでしょう。まぁ初任務にしては良い働きはしてましたけど、実戦はしてはいらっしゃらないですが」
カトレア「実戦らしい依頼ねぇ。」
カトレアが依頼書の中から探し出していると、一枚の依頼書がひらりと床に落ちる。その紙を拾いあげるノウゼンカズラはそれを見て驚く。その紙を隣にいたアザレアも覗き込んだ。
アザレア「これは・・・。」
カトレア「なにか良い依頼あったかしら?」
ノウゼンカズラ「いえ・・・」
カトレア様。
この依頼には俺とアザレアで向かわせてほしいです」
カトレア「・・・ほう?まぁ許可してあげるわ」
ありがとうございます。と言って頭を下げる二人はその部屋を出ていく。それを見送るキキョウとラン。
キキョウ「よろしいのですか?」
カトレア「訳ありのようだったからね。好きにさせるわ」
廊下を早足でズンズンと歩いて行くノウゼンカズラとアザレア。
ノウゼンカズラ「(信じたくねぇが・・・)」
ノウゼンカズラは紙をくしゃっと握りつぶした。
カトレア「それで、実践任務がいいということだけどこの依頼なんてどうかしら?」
カトレアは一枚の依頼者をランに手渡す。
カトレア「悪いけれどその依頼にはランとキキョウが生徒たちの任務に着いてやってくれる?」
依頼者を読んでいたランは顔を上げてキキョウを見る。
ラン「キキョウ様はカトレア様のお側についているべきでは・・・?」
カトレア「今日はちとわらわは用事があってね。出なくちゃならないの。だからキキョウ、ラン。よろしく頼むわね」
キキョウ「・・・承知しました」
ー学校にて、
リチアはケイリィとともにクラスへと向かった。
「リチアちゃんケイリィ君おはよ!昨日の任務お疲れ様!リチアちゃん体はもうなんともない??」
リチア「あ、はい。もう、痛みとかも全然ないです。」
「でも昨日のリチアちゃん凄かったなぁ。勇気があるって言うか」
皆の盾となって代わりに撃たれた時のことを言っているのだろう。リチアは苦笑しながらも、
リチア「あ、あれは体が勝手に動いていたって言いますか・・・」
「いやそれが凄いんだって!怖くてあんなの普通動けないよ」
「ラン先輩の魔法の力があると言ってももっと自分を大切にしなきゃ」
リチア「は、はい」
女子たちから責められてるリチア。
すると窓の外を見ていた男子が
「おいあそこ見てみろよ」
と声がかかったのでリチア達も何事かと窓の方に近づいて行く。
窓の外を見てみれば、学校の横を歩いているカトレアの姿を目撃した。
ケイリィ「あれって・・・」
リチア「この学校の責任者の方ではないですか?確か名前はカトレア様って・・・」
カトレアは学校の門の方へと歩いていたがふと立ち止まると視線を感じ取ったのか、教室から見ていたリチア達に目を向けた。
「わ!こっちに気付いた!」
カトレアはそんな生徒らに手を振る。それに生徒らもつられて振り返しているとそんな教室にランとキキョウがやってきて声をかけた。
ラン「1年生の皆さん。任務に行く時間ですよ。
全員準備をして外に出てきてくださいね」
はーいと返事をする生徒達。
ランとキキョウは先に外へ向かう為階段を降りていこうとする。リチアは皆よりひと足先に教室を飛び出してそんなラン達を階段の手前で呼び止めた。
リチア「先輩!」
2人は足を止めてリチアに向き直った。
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