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古神戦争
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「それに魔王は、私が生きている間は、私たちを倒しにはこれないと思うの。だから、配下を使って攻めてくるはず。」
前を見据えて、母が言った。
「それは何故? 普通魔王が全力で攻めて…欲しくはないけど、攻撃してくれば、不死身なんだし、全力で俺たちを排除しようとするのが自然だと思うけど?」
言葉を詰まらせながら、時折、寒気を感じながら震えた。魔王がすぐにでもここに来たらと思うと恐怖で身がすくむ。
「それは単純に私にまた、封印されるのを恐れてるから。直接来て封印されたら? そう思うと戦略的にわざわざ、魔王が危険な真似をする必要がない。」
母の言葉には、力がありとても、説得力があった。
そうか! 魔王も封印されにくるようなものだしな。不死身なのに、わざわざリスクを負う必要はない。
「…母さんの他には出来ないって、それぐらい母さんがエルフの中でも凄いって事?
でも…父さんでも出来たんだよね? なら他にも封印出来そうだけど?」
俺は、別の疑問を口にした。
「そうね…私はハイエルフだから特別なの。えっへん。」
椅子から立ち上がって母が、両手を腰に当て、自慢する様に言う。
「…ハイエルフって? エルフと何か違うの?」
顎に手をやり考えたが、違いが分からないので、母に聞いた。
「ハイエルフは、エルフの中でも古代種なの。だから…あ~もう1人いたわね、教会の長が。」
母が手を打つ。それは教会の長もハイエルフだ、と言う事に思い当たったからか。
「古代種? ってことは母さん今いくつぐらいなの?」
女性に年齢聞くのは、気が引ける気もした。
しかし、聞かずには、いられない。とんでもない桁が出るはずだ。
「17歳よ。」
…
…
盛ったな…そんな訳ないよね。
「本当は?」
俺は肩をすくめて、再度聞いた。
「本当は、覚えてない! 2000年は生きてると思う。」
母が目線を上にやり、思考しながら言う。
「2000年! そんなに生きてるなら、母さん凄い強いんだね。」
「ううん、そんなに強ない…何故なら!」
期待した俺の言葉とは裏腹に、母はそれを否定した。
「何故なら?」
「あ…遊び呆けてたから。魔法の修行嫌い!」
自分で遊び呆けてたって、良く言えました。感心します。そんなに魔法の修行きついか。嫌いなのに、俺の修行には、付き合ってくれた母に感謝。
「遊び呆けて何やってたの?」
全く思い付かない。そんな暇つぶし出来る遊びがあっただろうかと、疑問に思い母に尋ねた。
「世界各地を旅行してたの。歩きで何度も一周する度に、色々変わってたりで、新しい発見があって、それに夢中だったの。」
くるっと一回転して母がうきうきしながら言う。きっと過去の楽しい旅を思い出したんだろう。
「そうなんだ、それでも勇者とパーティ組めるぐらいには強かったんでしょ?」
実は謙遜してるだけで、ちゃっかり強いってパターンでしょ? 知ってる。前世でそう言う人いた。
「弱くはないかな? わかんない。」
はっきりしない答えが返ってきた。
しかし、新たな疑問に行き当たり、それについて質問した。
「父さんの体に魔王封印したのはなんで? 母さんの体に封印しなくても問題なかった?」
父さんはエルフだ。なら、父さんも封印出来た? だが、よく考えたら、母の力で封印していたのだろう。
「それは、私の体に魔王が入るのパパが嫌がったから。つまり嫉妬ね! それと妊娠したら大変な事になりそうだったし。例えばマギに乗り移られたら怖いじゃない?」
なるほど凄い納得いく理由だ。
「古代種のハイエルフが何故、母さんとその教会の長だけになったの? 他のハイエルフは、どこに消えちゃったの? 魔族にやられた?」
その古代種がまさか、宇宙旅行でもした訳でもあるまい。ごっそり消えるのは、何かあったからに違いない。
「めっちゃ聞いてくるねー。お母さんも張り切って答えるね。それはね、古代種と神が戦争したからなの。悪魔みたいな神と戦って生き残りがそんなにいなかったから。」
そんなことがあったんだね。頷きながら、母に話を促した。
「そうよ、いわゆる古神戦争勃発したの。この世界、プロスペリタスを滅さんとするカオス・デウス対古代種ハイエルフの争いね。」
そんな戦争が…お互いの主導権争いか? けど…神様の狙いは、一体…なんだ?
「カオス・デウス…神のくせにとんでもないことやるね。」
俺は神に怒りをぶつける様に言う。
「この世界を滅ぼして、新しい世界に作り変えようとしたの。カオス・デウスは、エルフの母とも言われてるわ。エルフを、ハイエルフに対抗させる為に作ったの。」
…スケールがデカすぎる。エルフを作り出したのが、神様…ハイエルフを絶滅寸前まで追い込んだ神様…とても複雑で…俺はしばらく放心状態になった。
前を見据えて、母が言った。
「それは何故? 普通魔王が全力で攻めて…欲しくはないけど、攻撃してくれば、不死身なんだし、全力で俺たちを排除しようとするのが自然だと思うけど?」
言葉を詰まらせながら、時折、寒気を感じながら震えた。魔王がすぐにでもここに来たらと思うと恐怖で身がすくむ。
「それは単純に私にまた、封印されるのを恐れてるから。直接来て封印されたら? そう思うと戦略的にわざわざ、魔王が危険な真似をする必要がない。」
母の言葉には、力がありとても、説得力があった。
そうか! 魔王も封印されにくるようなものだしな。不死身なのに、わざわざリスクを負う必要はない。
「…母さんの他には出来ないって、それぐらい母さんがエルフの中でも凄いって事?
でも…父さんでも出来たんだよね? なら他にも封印出来そうだけど?」
俺は、別の疑問を口にした。
「そうね…私はハイエルフだから特別なの。えっへん。」
椅子から立ち上がって母が、両手を腰に当て、自慢する様に言う。
「…ハイエルフって? エルフと何か違うの?」
顎に手をやり考えたが、違いが分からないので、母に聞いた。
「ハイエルフは、エルフの中でも古代種なの。だから…あ~もう1人いたわね、教会の長が。」
母が手を打つ。それは教会の長もハイエルフだ、と言う事に思い当たったからか。
「古代種? ってことは母さん今いくつぐらいなの?」
女性に年齢聞くのは、気が引ける気もした。
しかし、聞かずには、いられない。とんでもない桁が出るはずだ。
「17歳よ。」
…
…
盛ったな…そんな訳ないよね。
「本当は?」
俺は肩をすくめて、再度聞いた。
「本当は、覚えてない! 2000年は生きてると思う。」
母が目線を上にやり、思考しながら言う。
「2000年! そんなに生きてるなら、母さん凄い強いんだね。」
「ううん、そんなに強ない…何故なら!」
期待した俺の言葉とは裏腹に、母はそれを否定した。
「何故なら?」
「あ…遊び呆けてたから。魔法の修行嫌い!」
自分で遊び呆けてたって、良く言えました。感心します。そんなに魔法の修行きついか。嫌いなのに、俺の修行には、付き合ってくれた母に感謝。
「遊び呆けて何やってたの?」
全く思い付かない。そんな暇つぶし出来る遊びがあっただろうかと、疑問に思い母に尋ねた。
「世界各地を旅行してたの。歩きで何度も一周する度に、色々変わってたりで、新しい発見があって、それに夢中だったの。」
くるっと一回転して母がうきうきしながら言う。きっと過去の楽しい旅を思い出したんだろう。
「そうなんだ、それでも勇者とパーティ組めるぐらいには強かったんでしょ?」
実は謙遜してるだけで、ちゃっかり強いってパターンでしょ? 知ってる。前世でそう言う人いた。
「弱くはないかな? わかんない。」
はっきりしない答えが返ってきた。
しかし、新たな疑問に行き当たり、それについて質問した。
「父さんの体に魔王封印したのはなんで? 母さんの体に封印しなくても問題なかった?」
父さんはエルフだ。なら、父さんも封印出来た? だが、よく考えたら、母の力で封印していたのだろう。
「それは、私の体に魔王が入るのパパが嫌がったから。つまり嫉妬ね! それと妊娠したら大変な事になりそうだったし。例えばマギに乗り移られたら怖いじゃない?」
なるほど凄い納得いく理由だ。
「古代種のハイエルフが何故、母さんとその教会の長だけになったの? 他のハイエルフは、どこに消えちゃったの? 魔族にやられた?」
その古代種がまさか、宇宙旅行でもした訳でもあるまい。ごっそり消えるのは、何かあったからに違いない。
「めっちゃ聞いてくるねー。お母さんも張り切って答えるね。それはね、古代種と神が戦争したからなの。悪魔みたいな神と戦って生き残りがそんなにいなかったから。」
そんなことがあったんだね。頷きながら、母に話を促した。
「そうよ、いわゆる古神戦争勃発したの。この世界、プロスペリタスを滅さんとするカオス・デウス対古代種ハイエルフの争いね。」
そんな戦争が…お互いの主導権争いか? けど…神様の狙いは、一体…なんだ?
「カオス・デウス…神のくせにとんでもないことやるね。」
俺は神に怒りをぶつける様に言う。
「この世界を滅ぼして、新しい世界に作り変えようとしたの。カオス・デウスは、エルフの母とも言われてるわ。エルフを、ハイエルフに対抗させる為に作ったの。」
…スケールがデカすぎる。エルフを作り出したのが、神様…ハイエルフを絶滅寸前まで追い込んだ神様…とても複雑で…俺はしばらく放心状態になった。
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