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ティミドゥス•フォルティスの過去
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ティミの視点
「兄ちゃん…また出掛けるの?」
僕の家のお兄ちゃんの部屋で僕は、見上げながら言った。
僕は寂しがりながら、お兄ちゃんを引き止められないか考えた。
「ああ、冒険の旅さ。俺は親と仲悪いからな。ティミ俺にとってお前は宝だ。」
お兄ちゃんは冒険家だ。たまに帰って来るぐらいだから、友達も兄ちゃんのことは知らない。
お兄ちゃんは、僕に色々なことを教えてくれた。魔法の事、冒険であった体験…巨大なモンスターを見つけた事。
お兄ちゃんは、なんでも知ってる。僕にとってまさに英雄だった。
お兄ちゃんに憧れて、僕も冒険家になりたいと思った。不思議な木の実を発見したり、綺麗な自然の風景を見て、満喫したりしたい。
僕の自慢のお兄ちゃん。いつか紹介したいなぁ。そうしたら、こんなカッコいいお兄ちゃんがいるって、みんな驚くだろうな。
「僕も兄ちゃんが宝!」
お兄ちゃんの足に抱きついて、大きな声で言う。
「ふふこいつー! なぁティミ、俺は友達が俺のこと置いて逃げずに、代わりに死んだことがあってな。」
お兄ちゃんが僕を抱き抱えた。楽しそうな表情から、悲しみを感じさせる表情に変化した。
その友達は、僕の知っている人だろうか?
お兄ちゃんにとって、その人も宝だったのだろう。お兄ちゃんの瞳が、その人を懐かしんでいる様に訴えている。
深くは、僕は聞けなかった。お兄ちゃんのその辛そうな表情を見ると、思い出したくなさそうだからだ。
「どうしたのお兄ちゃん、いきなり?」
僕は心配になり聞いた。
「いや…お前にはそうなって欲しくないんだ。だから危ない目に遭ったら逃げろ。助けようなんて思うな…批判されてもな。2人だけの秘密の約束。」
僕の頭を撫で、お兄ちゃんが言って、僕は頷いた。
「うん、危なくなったら逃げれば良いんだね。でも逃げなかったらお兄ちゃんは、死んでたの?」
それは嫌だ。けど…お兄ちゃんとの約束は…絶対に守る。複雑な…とても心が痛む。僕は、どうしたらいいんだろう。
「もう…死んでる様なもんだ。だから危険な旅とかしてる。命だけは、助かった様なものだ。
お前が逃げても、俺は褒めてやるからな。」
お兄ちゃんに褒められるなら、していい事なんだね。
それから…お兄ちゃんが亡くなったと知らせが届いた。
その時の状況が事細かに記してあった。目撃者が多数いたんだ。
人間を助ける為に…どうして…お兄ちゃんが死ななきゃ…なんないんだ!
僕は記してあった紙を握りしめた。けど、続きが見たいから、また紙を伸ばして読んだ。
…魔族の1人に殺された。そう記されていた。
虚栄ヴァニタ・ティオ…左眼に怪我を負わせたが、生きてると書いてあった。
…こいつは、まだ生きてるんだ。こいつをやるまでは絶対に死ねない。
僕は強くなると心に決めた。
そして同い年では、誰よりも強くなった。
でも…お兄ちゃんの笑顔はもう見れない。いつも抱きしめて髪を撫でて褒めてもくれない。
僕は強くなって、人を見下す様にさえなった。
お兄ちゃんが側にいれば、それだけで良かった。
お兄ちゃんは何故僕を置いていったの。お兄ちゃんこそ逃げれば良かったんだ!
…今ならお兄ちゃんの気持ちが分かるよ。人を助けたいって気持ちが。
でも、婚約者を置いて逃げたのは、お兄ちゃんのせいじゃない…僕の心が弱かったんだ。
僕とは、それほど親しくもないマギが、僕が頼ったら、助けてくれたんだ。
マギのお母さんも、突然の訪問に快く迎え入れてくれた。そのお母さんが苦しんでる。
僕はこのお兄ちゃんの様に優しい2人を、見捨てて逃げるのは、無理だ。
だから…ごめんお兄ちゃん…僕2人を助ける…約束破ってごめんなさい。
もしここで死んだら、天国で僕を叱ってくれ。
「兄ちゃん…また出掛けるの?」
僕の家のお兄ちゃんの部屋で僕は、見上げながら言った。
僕は寂しがりながら、お兄ちゃんを引き止められないか考えた。
「ああ、冒険の旅さ。俺は親と仲悪いからな。ティミ俺にとってお前は宝だ。」
お兄ちゃんは冒険家だ。たまに帰って来るぐらいだから、友達も兄ちゃんのことは知らない。
お兄ちゃんは、僕に色々なことを教えてくれた。魔法の事、冒険であった体験…巨大なモンスターを見つけた事。
お兄ちゃんは、なんでも知ってる。僕にとってまさに英雄だった。
お兄ちゃんに憧れて、僕も冒険家になりたいと思った。不思議な木の実を発見したり、綺麗な自然の風景を見て、満喫したりしたい。
僕の自慢のお兄ちゃん。いつか紹介したいなぁ。そうしたら、こんなカッコいいお兄ちゃんがいるって、みんな驚くだろうな。
「僕も兄ちゃんが宝!」
お兄ちゃんの足に抱きついて、大きな声で言う。
「ふふこいつー! なぁティミ、俺は友達が俺のこと置いて逃げずに、代わりに死んだことがあってな。」
お兄ちゃんが僕を抱き抱えた。楽しそうな表情から、悲しみを感じさせる表情に変化した。
その友達は、僕の知っている人だろうか?
お兄ちゃんにとって、その人も宝だったのだろう。お兄ちゃんの瞳が、その人を懐かしんでいる様に訴えている。
深くは、僕は聞けなかった。お兄ちゃんのその辛そうな表情を見ると、思い出したくなさそうだからだ。
「どうしたのお兄ちゃん、いきなり?」
僕は心配になり聞いた。
「いや…お前にはそうなって欲しくないんだ。だから危ない目に遭ったら逃げろ。助けようなんて思うな…批判されてもな。2人だけの秘密の約束。」
僕の頭を撫で、お兄ちゃんが言って、僕は頷いた。
「うん、危なくなったら逃げれば良いんだね。でも逃げなかったらお兄ちゃんは、死んでたの?」
それは嫌だ。けど…お兄ちゃんとの約束は…絶対に守る。複雑な…とても心が痛む。僕は、どうしたらいいんだろう。
「もう…死んでる様なもんだ。だから危険な旅とかしてる。命だけは、助かった様なものだ。
お前が逃げても、俺は褒めてやるからな。」
お兄ちゃんに褒められるなら、していい事なんだね。
それから…お兄ちゃんが亡くなったと知らせが届いた。
その時の状況が事細かに記してあった。目撃者が多数いたんだ。
人間を助ける為に…どうして…お兄ちゃんが死ななきゃ…なんないんだ!
僕は記してあった紙を握りしめた。けど、続きが見たいから、また紙を伸ばして読んだ。
…魔族の1人に殺された。そう記されていた。
虚栄ヴァニタ・ティオ…左眼に怪我を負わせたが、生きてると書いてあった。
…こいつは、まだ生きてるんだ。こいつをやるまでは絶対に死ねない。
僕は強くなると心に決めた。
そして同い年では、誰よりも強くなった。
でも…お兄ちゃんの笑顔はもう見れない。いつも抱きしめて髪を撫でて褒めてもくれない。
僕は強くなって、人を見下す様にさえなった。
お兄ちゃんが側にいれば、それだけで良かった。
お兄ちゃんは何故僕を置いていったの。お兄ちゃんこそ逃げれば良かったんだ!
…今ならお兄ちゃんの気持ちが分かるよ。人を助けたいって気持ちが。
でも、婚約者を置いて逃げたのは、お兄ちゃんのせいじゃない…僕の心が弱かったんだ。
僕とは、それほど親しくもないマギが、僕が頼ったら、助けてくれたんだ。
マギのお母さんも、突然の訪問に快く迎え入れてくれた。そのお母さんが苦しんでる。
僕はこのお兄ちゃんの様に優しい2人を、見捨てて逃げるのは、無理だ。
だから…ごめんお兄ちゃん…僕2人を助ける…約束破ってごめんなさい。
もしここで死んだら、天国で僕を叱ってくれ。
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