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2章
マギの策略
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諦めたら駄目だ。ここは打開策を考えなきゃ、みんな死んでしまう。
「そうだ…君は、魔族だ。ならワープの魔法使えるんじゃないか? 魔法力が足らないなら、君の双子の兄が使って、母さんを連れてきて貰えれば。」
俺はルナに助かる方法がまだあると、励ましのつもりで言った。その方法が使えても、この苦しい状況に気がついていないといけないからだ。
「ううん、私もお兄ちゃんも、ワープの魔法は使えないの…そんな簡単に使える魔法じゃないし、それが使えたら、捕まってないもん。」
彼女が首を振る。一縷の望みが絶たれた。
そしてコンクルカの仲間が現れた。
「お待たせしました、コンクルカ様。ちょうど3人いますね。我らにもお裾分けしてくださいますか?」
勝手なこと言いやがって…しかし…あいつらは部下か。だがこの状況なら、幹部であろうと部下であろうと違いはない。
もう身体中が痛い。くっそ…せめて指があれば、あんな奴ら簡単に倒せるのに。
修行した意味もなかったか。はは、ごめん…もう…打つ手がない。
「うぅ、私達死ぬんですね。ああ~せめて男の人とキスしてから死にたかった。そんな体験すらしないで死ぬなんて。」
ルナが、この場で冗談とも本気とも取れることを言う。きっとこの絶望的状況を和ませようとしてくて言ったのかな?
まるで宿題を忘れた生徒が、現実逃避をするような…そんな感じだ。俺も一緒に目の前の現実から背けるか。
「唇を重ねて…それで好きってお互いに…はは…怖くて…私おかしくなったかも?」
彼女が震えて泣いた。
俺を置いて逃げれば…ん? 重ねて…そうか! この手があった。
危険な賭けだけど、やるしかない!
「なぁ、俺を立たせてくれないか? 1人じゃ立ち上がれない。」
手を伸ばして言った。
「うん、あっ…もしかして、最後にキスしてくれるんですか?」
クスッと俺は笑って首を振る。ルナが立ち上がらせてくれた。
良しやるか。
「コンクルカ! 俺と魔法で勝負しろ! 俺は炎の魔法、お前は、氷魔法でどちらの魔力が高いか決めよう。」
「はぁ? 何言ってやがる…面白くもねぇ冗談だ。」
「どうした? 俺に魔力で勝負に負けるのが怖いのか?」
「ほざけ! 良いぜ、お前のくだらねえ、勝負受けてやろうじゃねえか。」
乗ってきた! ボスだから、部下にカッコつけているのかもしれない。
「そうでなくちゃな。お前の目の前にいるティミを俺の後ろの方に、投げてもらおう。そこにいると、俺は全力出せない。」
「コンクルカ様、やつは何か企んでおります。ここは、断るのが宜しいかと。」
ヒソヒソとやつの部下が喋っている。
「あぁ? そんなこと俺が分からねぇとでも? 子供の罠なんて、たかがしてれてる。そんなもんに怯えてどうする? 大方このガキに目を覚まさせて戦わせようってんだろ。」
聞こえてるよ。コンクルカ…もしかして…頭部がない状態だから、頭が悪いのかも。
これは、チャンスだ。それにしても傷が痛む。
集中…できるだろうか?
「ほらよ!」と叫び、野球のボールの様に、ティミを雑に投げた。その衝撃で目を覚ましてくれないかな? と心で念じた。
うぅと、少し彼の痛みを伴う呻き声が聞こえた。よぉし、もうすぐ目が覚めそうだ。
「させるかよ。お望みの氷結魔法だぜ! 全員死ね!」
きた! 本来なら、氷魔法や雷魔法を使えればこんな、挑発もする必要なかったが…精神を集中しろ。絶対出来る。
俺は左手で炎魔法を唱えた。
俺は右手で氷魔法を左手の炎魔法と合わせる。
コントロールだ。
くっ…凄いパワーだ…出来た!
「なに! 俺の魔法を吸収した?」
イグニス・グラキエム・フルメン!
炎と氷の融合したエネルギーの塊を、コンクルカに放った。
雷魔法がない未完成がやつに効くかは、分からない。
頼む…効いてくれ!
「ぐわぁあー!」
コンクルカの悲鳴と、衝撃波が俺の耳を襲う。
それでも別格だ…複合魔法の威力…やったか?
「うわーマギ凄い! そんな力あるなら最初から使って下さいよー。」
俺も魔力を使い果たした。もうなんの力も残ってない。
ルナが体を支えてくれながら言う。
「いや無理…たまたま出来た…成功するか分からなかったし。やつの姿を見るまで安心出来ないよ。」
「いやいや、あの威力なら死んでますよ。完全に! 亡くなってます。それで生きてたら化け物ですよ?」
確かにルナの言うとおり森が削れているほどだ…爆風で、やつのいた場所はまだ見えない…恐らくコンクルカの部下は、死んでいるだろう。だかあいつなら、バリアを張れるだろう。
ヒューと風が吹いてやつの影が見えた。
「そうだ…君は、魔族だ。ならワープの魔法使えるんじゃないか? 魔法力が足らないなら、君の双子の兄が使って、母さんを連れてきて貰えれば。」
俺はルナに助かる方法がまだあると、励ましのつもりで言った。その方法が使えても、この苦しい状況に気がついていないといけないからだ。
「ううん、私もお兄ちゃんも、ワープの魔法は使えないの…そんな簡単に使える魔法じゃないし、それが使えたら、捕まってないもん。」
彼女が首を振る。一縷の望みが絶たれた。
そしてコンクルカの仲間が現れた。
「お待たせしました、コンクルカ様。ちょうど3人いますね。我らにもお裾分けしてくださいますか?」
勝手なこと言いやがって…しかし…あいつらは部下か。だがこの状況なら、幹部であろうと部下であろうと違いはない。
もう身体中が痛い。くっそ…せめて指があれば、あんな奴ら簡単に倒せるのに。
修行した意味もなかったか。はは、ごめん…もう…打つ手がない。
「うぅ、私達死ぬんですね。ああ~せめて男の人とキスしてから死にたかった。そんな体験すらしないで死ぬなんて。」
ルナが、この場で冗談とも本気とも取れることを言う。きっとこの絶望的状況を和ませようとしてくて言ったのかな?
まるで宿題を忘れた生徒が、現実逃避をするような…そんな感じだ。俺も一緒に目の前の現実から背けるか。
「唇を重ねて…それで好きってお互いに…はは…怖くて…私おかしくなったかも?」
彼女が震えて泣いた。
俺を置いて逃げれば…ん? 重ねて…そうか! この手があった。
危険な賭けだけど、やるしかない!
「なぁ、俺を立たせてくれないか? 1人じゃ立ち上がれない。」
手を伸ばして言った。
「うん、あっ…もしかして、最後にキスしてくれるんですか?」
クスッと俺は笑って首を振る。ルナが立ち上がらせてくれた。
良しやるか。
「コンクルカ! 俺と魔法で勝負しろ! 俺は炎の魔法、お前は、氷魔法でどちらの魔力が高いか決めよう。」
「はぁ? 何言ってやがる…面白くもねぇ冗談だ。」
「どうした? 俺に魔力で勝負に負けるのが怖いのか?」
「ほざけ! 良いぜ、お前のくだらねえ、勝負受けてやろうじゃねえか。」
乗ってきた! ボスだから、部下にカッコつけているのかもしれない。
「そうでなくちゃな。お前の目の前にいるティミを俺の後ろの方に、投げてもらおう。そこにいると、俺は全力出せない。」
「コンクルカ様、やつは何か企んでおります。ここは、断るのが宜しいかと。」
ヒソヒソとやつの部下が喋っている。
「あぁ? そんなこと俺が分からねぇとでも? 子供の罠なんて、たかがしてれてる。そんなもんに怯えてどうする? 大方このガキに目を覚まさせて戦わせようってんだろ。」
聞こえてるよ。コンクルカ…もしかして…頭部がない状態だから、頭が悪いのかも。
これは、チャンスだ。それにしても傷が痛む。
集中…できるだろうか?
「ほらよ!」と叫び、野球のボールの様に、ティミを雑に投げた。その衝撃で目を覚ましてくれないかな? と心で念じた。
うぅと、少し彼の痛みを伴う呻き声が聞こえた。よぉし、もうすぐ目が覚めそうだ。
「させるかよ。お望みの氷結魔法だぜ! 全員死ね!」
きた! 本来なら、氷魔法や雷魔法を使えればこんな、挑発もする必要なかったが…精神を集中しろ。絶対出来る。
俺は左手で炎魔法を唱えた。
俺は右手で氷魔法を左手の炎魔法と合わせる。
コントロールだ。
くっ…凄いパワーだ…出来た!
「なに! 俺の魔法を吸収した?」
イグニス・グラキエム・フルメン!
炎と氷の融合したエネルギーの塊を、コンクルカに放った。
雷魔法がない未完成がやつに効くかは、分からない。
頼む…効いてくれ!
「ぐわぁあー!」
コンクルカの悲鳴と、衝撃波が俺の耳を襲う。
それでも別格だ…複合魔法の威力…やったか?
「うわーマギ凄い! そんな力あるなら最初から使って下さいよー。」
俺も魔力を使い果たした。もうなんの力も残ってない。
ルナが体を支えてくれながら言う。
「いや無理…たまたま出来た…成功するか分からなかったし。やつの姿を見るまで安心出来ないよ。」
「いやいや、あの威力なら死んでますよ。完全に! 亡くなってます。それで生きてたら化け物ですよ?」
確かにルナの言うとおり森が削れているほどだ…爆風で、やつのいた場所はまだ見えない…恐らくコンクルカの部下は、死んでいるだろう。だかあいつなら、バリアを張れるだろう。
ヒューと風が吹いてやつの影が見えた。
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