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いつかはキミと再会出来るよ 僕編1

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僕はいったい、何のために生まれてきたんだろう。

ぼろぼろになった身体を、痛めつけられた身体を、横たえて動けなくなった僕の身体を、何故か悲しい気持ちではなく、覚めた気持ちで見つめている。

随分前だろうか‥もう凄く前の様な気はするけど、そうでも無い気もする。

僕が産まれた時、まだ目を開けられない時に優しくお母さんにペロペロと舐められる時、お兄ちゃんやお姉ちゃんと抱っこしあってた時が、朧げながら『あったかい』気持ちになった、幸せな気持ちになったことを今はうっすらなんとなく思いだす。

僕は『ナニモノか』ということなんて、よくわからない。

ただ、生きていた頃のお母さんは『ゴハン』が無くて、僕達と一緒に『ハシ』の下でうずくまって、お腹を減らしてずっと鳴いていた。

ただ一緒にいたお母さんやお兄ちゃんやお姉ちゃんと、蹲るとあったかい気持ちになった‥

でも暫くすると、お兄ちゃん、お姉ちゃんは一匹、また一匹と、お腹が空いて動かなくなって、気がついたら冷たくなって、『サムク』なったんだ。

僕たちが産まれて、暫くすると、お母さんは何時も『ゴハン』を探して、色んなとこを彷徨ったみたいだけど、いつもボロボロになって帰ってきて、いつも悲しい顔で僕達を見ていた。

何時の頃か、ヨタヨタと僕はお母さんを追いかけたけど、その時お母さんは『ニンゲン』という奴らに石を投げられ、蹴られたりしてた。

それを見ても僕は何も出来なくて、ただただ悲しく鳴くしか出来なかった‥

その内お母さんがくれるゴハンはなくなり、その内みんなは動かなくなり、

僕は動かなくなった兄弟をひたすら舐めるしか出来なくて、その内お母さんも虚ろな目で僕を見ながら動かなくなった。

それを見て悲しい気持ちになったけどお腹が減って、ともかくお腹が減って、『ゴハン』を探す、ともかく此処に居たくない気持ちで『ハシ』からついこの前僕は出たんだ。

転げ出るように‥

ヨタヨタヨタヨタヨタヨタヨタヨタヨタヨタヨタヨタ‥

お腹が減って、ただ頭がボーっとしながら、眼も霞みながらひたすら前を見て、『ハシ』から僕は出たんだ。

出てみてわかったこと、とても『ソト』は広いんだけど、ひたすら寒くて、それに痛い。

僕を見つめる大きな『ニンゲン』は、よくわからないことを吠えて石を投げてくるか、追いかけてきて僕を引きずり廻すんだ。それに小さい『ニンゲン』は取り囲んで僕を蹴ったり叩いたり、僕が泣き叫んでも笑って誰も聞いてくれなくて、ただただ悲しい気持ちになる‥

鳴いても『ニンゲン』は笑ってる‥

それがとても悲しいんだけど、ふとある時、『ゴハン』をくれる『ニンゲン』にも出会った。

ただ『ゴハン』をくれる『ニンゲン』は、何時も眼はとても冷たいくて、僕が『ありがとう』って言うと、皆んないつも逃げていくんだ‥

何か僕は悪いことをしたんだろうか、何か僕は駄目なの?

ずっと悲しいまま彷徨ってたら、大っきい鉄の塊の乗り物に乗った『ニンゲン』が僕を追いかけてきたんだ。

何か怖いことがあるって自分の中の何かが警告して、ひたすら僕は逃げた。

でも、最後は結局『ニンゲン』が出してきたゴハンを目の前に出されて、お腹が減ってる僕は、それに釣られて捕まってしまったんだ。

その後は、冷たい床に座らされて、鉄の棒が嵌め込まれてる鉄の塊に乗せられて、その後大っきい建物に連れられて、牢屋の中に僕は放り込まれた。

最初は訳も分からず、怖くて怖くて怖くて‥

ただただひたすら泣き続けたんだ‥

程なくして、僕に声を掛けてくれる声が聞こえたんだ。

そこで、その場所で、お母さんやお兄ちゃん、お姉ちゃんと同じ姿の声の主を見つけたんだ。

その時、声の主は僕たちが、暫くするとここで『コロサレル』という悲しいことを、声の主から教えられ、これから酷いことをされることが分かったんだ。

でも僕は何も出来なくて、ただただ悲しい気持ちでずっと朝晩鳴いてたんだ。

僕に声を掛けてくれた声の主は、暫くすると、酷い鳴き声と一緒に何処かに連れてかれて、何かキツイ匂いと一緒に、凄く悲しい叫びと一緒に、何かが消える、不思議な叫び声が聞こえたんだ‥

ただただ怖くて、震えて、鳴くことしか出来なくて、蹲るしか出来なくて、僕はうっすら見えるお外をなんとなく、見詰めていたんだ。

僕も消えることを確信しながら‥

暫くすると、声の主と同じ様に僕を連れ出そうと『ニンゲン』は檻の中に入り、僕を追いかけてきた。

僕はひたすら逃げまわり、無我夢中で逃げ廻ったんだ‥

その内、僕は疲れ果てたんだけど、『ニンゲン』が僕に手をつけようとした時、頭が真っ白になって、僕は本気で『ニンゲン』に噛み付いたんだ‥

『ニンゲン』は血だらけになりながら悲鳴をあげ、僕はトビラが開いていることをなんと無く見つけ、ともかく目の前のトビラに向けて僕は突進した。

トビラを抜け、広い『ロウカ』に沿って、

ひたすらひたすらひたすらひたすらひたすら‥

僕は外を目指して逃げたんだ。

その内、周りの色が変わり、『ニンゲン』達は見えなくなった。

気がつくと、周りにはいっぱい木があって、いっぱい草や泥が溢れてる場所に僕は居た。

少し僕は冷静になると、

ともかく『ニンゲン』が怖い‥

とにもかくにも『ニンゲン』が嫌だった‥

ひたすら『ニンゲン』が怖かった‥

周りは静か‥でもその気持ちがひたすら僕を追いかけてきて、僕はずっと走って走って走って走って走って走って走って走って‥

脚が動かなくなるまで走ったんだ‥

気がつくと、真っ暗の中‥『ミチ』の上で倒れてしまった‥

倒れて僕のボロボロの身体を、僕は見詰め、何かもう全て終わる気持ちが、僕をザワザワと襲い、共に満たし、何か覚めた気持ちを僕に導き、これから消える感覚、満足感が僕を満たした。

そんな時、〘キミ〙は僕を見つけてくれたんだ‥
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