伯爵の料理人

不当な扱い

アンドレイはキッチンに行った。
「ダレン、もう明日から来なくていいから。お前、クビ」冷たくアンドレイは言った。
ダレンは、「え？」って顔をしている。

アンジェラが両手をグーに握りしめてさけんだ。
「アンディの意地悪。そんなこと言っちゃだめ！！ダレンはとってもいい人ですっごくおいしいお料理つくってくれるんだから」

ダレンはアンドレイにたずねた。
「なに、そんなに怒ってるのかな？」
「アンディが前は紅茶をマスターにいれていたの。仕事とられたからやきもちやいてさ」
アンジェラはおしゃまに言った。


「それなら、君が紅茶を持っていくといいよ。僕が用意するから」
ダレンが微笑む。
「おいしい紅茶のいれかたも教えてあげるよ」

（こいつ、いいやつ。なんか僕、いじわるして、はずかしい）
顔に血がのぼる。
アンドレイは手をダレンに差し出した。
「ごめん。仲直りの握手。これからよろしくな」
ダレンは大きな手で握手した。

「うーん、アンディ。手が冷たいよ。冷え性なのかな？そうだ冷え性にはジンジャーティーがいいよ。あとでいれてあげるよ」

（まじでいいやつ。それにセンスもいいし）