叔父様と私

東城

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可愛い人形たち

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作品を売りたい理由は自分の作った人形を本当に愛してくれる人の元に届けてあげたいとのことだった。
たぶんそれだけではなくてお金もいるからだろう。
子供の作れない叔父さまにとって、人形は自分の子供みたいなものなのに売ってしまって大丈夫なのだろうか。
「無理して売らなくてもいいと思うけど」
「私の元にいても、山奥のあの家で部屋に閉じ込められて可哀そうでしょ?」
「まあ、それはそうだけど」
臨時教員の仕事も不定期で、長くても1年。毎年更新があるらしい。
それに叔父さまは教師という仕事があまり好きではないと言っていた。
勤務先は偏差値があまり高くない公立の高校で、真面目に課題に取り組む生徒はオタク男子だけ。絵を描いている間、ずーっとおしゃべりしたり、キャッキャ騒いでいる女子高生たちがうるさくてストレスだと愚痴をこぼした。
「嫌なこと聞いてもいい?」私がそう尋ねると、叔父さまは、きょとんとした不思議そうな顔をして。
「何?」
「やっぱり子供欲しいと思う?」
叔父さまは遠い目をした後に頷いた。
「子孫を残したいと思うのは人の本能だから仕方ないですよ。私とさやかには同じ血が流れているから、さやかが子供を産んでDNAを残してくれればいいですよ」
「そうだね。でもどうして、親族同士結婚できないんだろうね」
「どうしてでしょうね。でも、叔父と姪が結婚したり、子供作るなんて気持ち悪いじゃないですか?」
「それも、そうだね」
二人顔合わせて、あはって笑った。

連休中、叔父さまは東京を離れ自宅に戻り、段ボールに入ったドールたちを連れて帰ってきた。全部で20体ぐらいあった。
背丈は1メートルぐらいで年齢的には10歳前後の少年少女の球体関節人形だった。

かなり精巧に作られていて、1体あたり8から20万円ほどの値がつくと叔父さまは説明してくれた。
「人形には名前をつけてるの?」私は聞いた。
「つけますよ。この男の子は葉介。この子は虹」
「ネットオークションで売るの?」
「展示会で売ります」
「でも展示会の宣伝とかしてないのにどうやって集客するの?」
「友人にセッティングしてもらいます。ネットとかSNSとかさっぱりなので、広告代理店勤めの友人に頼みます」
展示会か……いいな。私も画廊で自分の作品を売れるような、アーティストになりたい。でも私の得意な絵は風景画、人物画は苦手で描いてもすぐにこれじゃダメだと筆が止まってしまう。

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