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「お前たちはさっさと結婚しろ」
婚約発表の翌日。世間は連休最終日の祝日に、仏頂面で言ったのは創一だ。
もちろん俺たちのことをヤキモキしながら見ていただろう創一がそう言うのも理解はできる。できるが、ここまできたら俺も信念を曲げたくなかった。
「いや。川村の長男差し置いて、俺が先に結婚するわけにいかないだろ。お前が先にしろ。…………不本意だが」
なにしろ相手は妹だ。まだ大学を卒業して数ヶ月の箱入り娘をこんなに早く嫁にやるなんて、と思うといまいち納得はできない。未だに、偽装じゃなかったのかよ、と溜め息が出そうだった。
その始まりは春。親父からの一本の電話だった。
『色々あってだな。創一君と与織子をお見合いさせようと思って』
俺はそれに精一杯の力で『はぁ⁈』と返した。もちろん俺が手放しで喜んでいるとは思っていない親父は、その色々の説明を始めた。
『とりあえず、お見合いしたって事実が広がるだけでも牽制になるだろう。与織子のバックには旭河がついてるんだぞって』
親父は得意げにそんなことを言うが、元を正せば親父が朝木の持っていた旭河の株を全て与織子に渡してしまったのが悪いのだ。おかげで、妹を通じて旭河の株を狙うものが出てきてしまった。
俺は渋々お見合いは許したが、2人は勝手に婚約した上に、本当に結婚することになった。
「お前たちのほうが婚約して長いんだから、澪を待たせるな」
不本意、にムッとしたような顔で返す創一は、大事な従姉妹を引き合いに出して言う。
「仕方ないだろ。お前に相手が見つからなかったんだから」
「そう言われても、俺ははなから与織子と結婚するつもりだったが?」
俺たちの言い争いを、呆れたように眺めているのは隣にいる澪で、ハラハラしているのは創一の隣にいる与織子だ。
俺は仕方なく一つ案を出した。
「わかった。同じ日にしよう」
婚約発表の翌日。世間は連休最終日の祝日に、仏頂面で言ったのは創一だ。
もちろん俺たちのことをヤキモキしながら見ていただろう創一がそう言うのも理解はできる。できるが、ここまできたら俺も信念を曲げたくなかった。
「いや。川村の長男差し置いて、俺が先に結婚するわけにいかないだろ。お前が先にしろ。…………不本意だが」
なにしろ相手は妹だ。まだ大学を卒業して数ヶ月の箱入り娘をこんなに早く嫁にやるなんて、と思うといまいち納得はできない。未だに、偽装じゃなかったのかよ、と溜め息が出そうだった。
その始まりは春。親父からの一本の電話だった。
『色々あってだな。創一君と与織子をお見合いさせようと思って』
俺はそれに精一杯の力で『はぁ⁈』と返した。もちろん俺が手放しで喜んでいるとは思っていない親父は、その色々の説明を始めた。
『とりあえず、お見合いしたって事実が広がるだけでも牽制になるだろう。与織子のバックには旭河がついてるんだぞって』
親父は得意げにそんなことを言うが、元を正せば親父が朝木の持っていた旭河の株を全て与織子に渡してしまったのが悪いのだ。おかげで、妹を通じて旭河の株を狙うものが出てきてしまった。
俺は渋々お見合いは許したが、2人は勝手に婚約した上に、本当に結婚することになった。
「お前たちのほうが婚約して長いんだから、澪を待たせるな」
不本意、にムッとしたような顔で返す創一は、大事な従姉妹を引き合いに出して言う。
「仕方ないだろ。お前に相手が見つからなかったんだから」
「そう言われても、俺ははなから与織子と結婚するつもりだったが?」
俺たちの言い争いを、呆れたように眺めているのは隣にいる澪で、ハラハラしているのは創一の隣にいる与織子だ。
俺は仕方なく一つ案を出した。
「わかった。同じ日にしよう」
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