花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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旅立ち

花と十字架の想い 19話

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エルフの村、奥から歩いてきた緑色の長髪の男性。少々上から目線…というか。

だが、一応話は聞いてくれそうなので、助かった。

シオン「えっと…まず俺たちは絶対にエルフに危害を加えるつもりはない。

それだけはわかってくれ」

???「…危害を加えるつもりはないというのは、お前たちの目を見ればわかる。

見張り2人、それ位は気付け」

門番2人、そう言われて頭を下げる。

???「それで、ここへは何の目的で来た?」

アイリス「その…ここ、ヘリオスの森にある石を探しに…」

???「石……? ああ、確かに魔力を秘めた石がある祭壇はこの森にある。

少しここから歩くことになるが…」

フクシア「もしかしたら、その石があれば堕天使化が止められるかもしれないの…!」

ふとフクシアの方を見た。

???「…天使…なるほど。そういう事か。わかった。その祭壇まで案内しよう」

かなり天使のことについては知っているらしい。

翼の折れたフクシアを見て偽りは無いと確信してくれた。

???「村に入れ。準備もあるだろうしな」

「ま、待ってください! 人間を…この村に入れると…!?」

どうやら緑色の長髪の男性以外のエルフは相当らしい。露骨に嫌がる。

???「…仕方ないな。そこの天使。

お前なら人間じゃないから入ってもいい。他は少し待っていろ」

フクシアがついて行こうとした時、ブローディアが声をかけた。

ブローディア「私も、入ってもいいと思う。だって…私は…」

そう言って、ずっと耳を隠していた髪を耳にかけた。その耳は…

ブローディア「私は…ハーフエルフだから…」

シュロ「なっ!?」

エルフほどは長くないが、尖った耳。間違いなくハーフエルフ。

ハーフエルフは、人間の中で忌み嫌われた。だから、ずっと隠していたのだ。

???「………」


???『僕…ハーフエルフでも幸せだったよ。』

『いつかこうなるのはわかってたから…

ハーフエルフである限り、いつか人間に殺されるって…』

『他のエルフは人間を嫌うかもしれない…でも、レオ…君だけは…人間を嫌わないで…』

『僕は…人間が好きだから…人間にも、良い人はたくさんいるから……』




???「……分かった。お前も入れ」

ブローディア「ありがとう。あの、カルビもいい…?」

???「カルビ?」

ちょこちょことブローディアの足元から出てきた。

???「精霊…ああ、カルビ…こいつがか。ちょうどいい。カルビにも会わせたい奴がいる」

疑問が浮かぶが、フクシアとブローディアとカルビは彼に着いて行った。

シオンたちはその間、村の外で留守番。


彼について行った先。かなり立派な家だった。

フクシア「あの…貴方って、エルフを束ねてる人…?」

???「俺は違う。が、この村を束ねているのは父だ。

病に倒れていて、ほぼ俺がやっているが」

ブローディア「だからこんなに立派な家に…」

あたりをきょろきょろしているうちに目的の部屋に着いた。

???「テイル。戻ったぞ」

別に何もいない…と思っていると…部屋の隅から白いカピバラが出てきた。

テイル「おかえりなさいルイ~…って……」

カルビ「…テイル…?」

知り合い…なのだろうか?

テイル「カルビ! かなり久しぶりルイ!!」

ブローディア「か、カルビ…この子は?」

カルビ「昔に旅に出てしまっていた、僕のお兄さんルビ」

まさかの再会だった。

旅に出て、船に乗った先…このエルフの村にたどり着き彼に拾われたらしい。

???「カルビに会わせたい奴というのは、テイルのことだ」

テイル「初めまして。テイルルイ。よろしくルイ♪」

白い体に赤い眼。一見カピバラに見えないが、まあ精霊だ。何でも有りか。

???「それで…本当は彼らにも来てもらいたかったのだが、この鍵が…」

 引き出しから取り出したもの。それはなにかの鍵だった。

精霊の紋様付きの綺麗な小さい鍵。

ブローディア「それは…?」

???「これがないと祭壇に入れない」

そう言うと壁にかけてあった双銃を手に取った。

???「この先…魔物も多いからな。無理はするな」

フクシア「う、うん…分かった」

必要最低限のことしか喋らないのか何なのか、口数が少ない。心を開ききってはいない…というより、何かを思い出して辛そう…といった方が正しいかもしれない。

彼に続いてテイルも部屋を出る。それを折ってフクシアたちも部屋を出た。


その頃、村の外では…

シュロ「なんなんだ、彼奴は…! どことなく上から目線というか…!」

シオン「お、落ち着けシュロ。

妹さんのこともあるだろうけど、あまり事を荒立てるわけには…」

態度…というよりも、周りの人の反応からして、かなり位的には上の方だろう。

変に盾つくわけにもいかなそうだし、話は聞いてくれたし、

村にも入れようとはしてくれた。

シュロの妹を殺したエルフとは明らかに違うタイプの人…

だが、エルフへの偏見はシュロに根強くついてしまっている。

シュロ「…ブローディアは……あの子は辛い思いをしてきてるのは確かだ。

ハーフエルフは苦しんだ種族…だからそれはいいんだけどな…

ブローディアは良い子だし、な」

ブローディアのことでは落ち着いているようだったので、安心した。

でも…彼のことについては…

アイリス「大丈夫かな…?」

シオン「…不安だけど、何かあったらすぐに止めよう」

小声でそんな会話をしていると、フクシアたちが戻ってきた。

???「待たせたな。さっきも言った通り、祭壇まで案内する。

ただ、そこには最近魔獣が住みついてな…危険だから、気を付けろ」

シオン「ああ…分かった。っと、自己紹介がまだだったな。

俺はシオン。こっちがアイリスとシュロ。そっちに居るのがフクシアとブローディアだ」

レオノティス「俺はレオノティス。こっちの白いカピバラはテイルだ。カルビの兄だ」

テイル「みなしゃん、よろしくルイ♪」

シュロの機嫌を気にしつつ、歩きながら自己紹介を済ませると、ブローディアが…

ブローディア「名前長いから、「レオ」って呼んでいい?」

アイリス「ち、ちょっと…会っていきなりそれは…」

レオノティスが少し迷っていたが…

レオノティス「いや、構わない。俺のことはレオでいい。

……彼奴からもそう呼ばれていたしな」

彼奴…というのが気になったが、少し暗いトーンだったので追及はしなかった。

シオン「じゃあ…よろしくな、レオ」

レオノティス「ああ」

何の問題も無い気がしつつ、どんどん歩を進めていると、

ずっと無口だったシュロが口を開いた。

シュロ「…レオノティス…」

愛称で呼ぶ気は無しのご様子。

レオノティス「なんだ…シュロ…」

シュロ「…立場上なのか何なのか知らないが、上から目線じみた態度…

僕はどうも気に入らない。そして、エルフはみんな人間を嫌う。協力…? 信じられるか。

少しでもおかしな行動を起こしたら、承知しないぞ」

アイリス「し、シュロ……」

しばらくレオノティスが黙り込んだ…そして

レオノティス「…ふん。酷い偏見を持っているな。異常なまでのエルフ嫌いだ。

いいんだぞ。シオンたちが戻るのをただ待っていても」

シュロ「……っ」

慌ててシオンが2人の間に入り宥め、その場は治まった。

だが、これでは本当に先が思いやられる…
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