花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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旅立ち

花と十字架の想い 20話

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シュロとレオノティスがギスギスしている中、祭壇まで向かっていく。

レオノティス「…そういえば、この中に状態異常を回復できる者はいるか?」

アイリス「あ、私出来ます…」

レオノティス「そうか…ならもしもの時は頼む。

この先の祭壇に住み着いた魔獣は石化させてくるからな……

村の奴も何人か被害にあっている」

人を石に変えてしまう魔獣……確かに存在していることは知っていたが、

その魔獣はどの魔獣よりも温厚なため、何をされても決して人を襲わないはず。

だとしたらどうして……

シュロ「…………」

レオノティス「……約1名、未だに腹を立てているやつがいるようだが、

ここが祭壇の入り口だ」

挑発するなとシオンが宥める。目の前には石の扉があった。

ブローディア「その鍵使うの…?」

レオノティス「ああ。少し待っていろ……っ!?」

レオノティスが何かを感じ取ったようだった。

レオノティス「……この扉の真後ろに…魔獣がいる…!」

全員がハッとする。居るとしたら、ここを開けた途端に飛びかかってくる可能性もある。

レオノティス「…何故この中に……この祭壇の周りに居たはず…

そしてこの扉は魔獣が出てから開けてはいなかった…」

鍵はレオの家で管理している。しかも長がいる所だ。

そう簡単にだれかれ構わず入れるわけではない。

寝たきりの長は動けない。ここを開けに来ることは不可能…。

フクシア「思い当たることないの?」

レオノティス「……前に……」

レオノティスが言いかけた時、扉の内側から魔獣が体当たりしたであろう音が響いた。

シオン「へ、下手したらこの祭壇自体壊される!」

レオノティス「くっ…いいか、俺がここを開けたら左右にかわせ!

かわさずにいたら…死ぬぞ」

全員が頷く。そしてレオが鍵を開けた。

全員左右に回避する。案の定、魔獣…確かにそれは石化能力のある魔獣だった。

シュロ「本当に…人を襲う…!?」

シオン「ああっ…何かおかしいな…操られているのか…?」

考えられることとしたら…


カイヤ『おかしいですね…まだ洗脳しきれてないのでしょうか…』

『黒曜石を使っても洗脳が解けそうになるとは…』


ハデスの塔で言っていたことを考えると……魔族による、黒曜石での洗脳…。

アイリス「操られてるなんて……もしそうだったら…この魔獣は本当は…!」

シュロ「けど、このまま放っておいたら石は取りに行けないし、被害も大きくなる!」

シオン「ああ…これ以上村の人に犠牲者を出さないために、倒しておこう!」

全員が武器を構えた。

レオノティス「こいつの動きは鈍い…攻撃を当てることは容易だ。

ただしあいつが睨んできたら目をつぶれ!でないと石にされるぞ」

そのことを聞いて、出来るだけ背後に周って攻撃を繰り返す。

 順調にダメージを与えていっていた…約2名以外は。

シュロの投げたブーメランとレオの銃弾が衝突したり、

互いの方へ攻撃が飛んでしまったりと、ギスギスが残りうまく連携が取れていない。

シオン「昇雷斬!!」

シオンが魔獣を斬りつけた。

シオン「レオ! トドメを!!」

レオノティス「…魔光弾!!」

レオノティスの放った銃弾が魔獣を貫いた。その場に崩れ落ちる。

アイリス「お、終わった…?」

フクシア「ふぅ…もう疲れた~…」

ブローディア「…あの2人は……?」

ブローディアが気にかけるようにシュロとレオノティスの方へ目を向ける。

シュロ「……なんで…こうもうまくいかない!?

どうしても人間を信頼できないから、こうなるのか!?」

レオノティス「……それはこちらのセリフだ。

そっちこそ、エルフ嫌いが原因じゃないのか!?」

今にも喧嘩が勃発しそう…というか、もう勃発している…。

シオン「お、おい…良いだろ、もう…とりあえず落ち着け……

…!!? 危ない!」

シオンが喧嘩している2人の前に飛び出した。

その理由は魔獣…まだ息があった。魔獣の爪が庇いに入ったシオンの背を斬った。

アイリス「シオン!!」

フクシア「…! トドメ! クライベル!」

フクシアの魔法剣から放たれた闇の魔法が魔獣にトドメを刺した。


シュロ「…シオン……」

レオノティス「…傷がひどいな…」

アイリス「あの…私が回復しておきますので、レオさんたちは祭壇の中へ…」

アイリスがそう言った。

レオノティス「シオンは…いつもこうなのか…? 人を庇う…自分のことは後回し…」

ブローディア「そう、だね…よく庇ってくれちゃって…」

 考えてみれば、いつもそうだった。

初めてアイリスと会ったときも、見ず知らずというのにクロムから護った。

ディアナ渓谷でも、カイヤの魔法を食らいそうになったシュロを庇って、

剣で魔法を受け止めた。

ハデスの塔でも、ブローディアとアイリスを庇って、ガーゴイルの攻撃を受け止めていた。

いつも、シオンは人のことを先に考える…その結果自分が傷つこうが構わない。

そんな人だ。

レオノティス「……アイリス、ここは任せる。すぐに戻る」

アイリス「はい…行ってきてください」

言葉に甘えて、アイリスとシオンを残して祭壇の中へ向かっていった。


アイリス「シオン…しっかりして…シオン!」

喋る力も無く…ほぼ意識が無いように見えるシオンに回復魔法をかけ続ける。

アイリス「いつもありがとう…お願い…シオン…シオン!」

シオン(アイリス……? ………)


クロッカス『シオン!!』


シオン(……そういえばクロッカスにも…こんなパターンで呼ばれたことあったっけ……

魔獣から、クロッカスを庇ったときに…)

「……アイリス……」

アイリス「シオン…!!」

回復の甲斐あって、シオンが喋れるまでに回復した。

シオン「…ゴメンな…はは…魔力、尽きてないか…?」

アイリス「大丈夫だよ…よかった…シオン…」

うっすら、涙が溜まっているように見える。

シオン「もう、大丈夫だから…っと…」

シオンが上体を起こす。

アイリス「シオン…無理しないで」

シオン「平気だって…アイリスのおかげで」

アイリス「シオン……」


その頃レオノティスたちの方は…

フクシア「うーん…これ…天使の輝石では…無いかな…」

シュロ「ち、違うのか…」

シュロが苦笑いする。

レオノティス「だが…これは…黒曜石か…」

ブローディア「ね、ねえ。魔族もそんなこと言ってたんだけど、黒曜石って何?」

レオノティス「黒曜石は研究者にとっては良い研究材料だが、

本来は遥か昔の英雄たちが使っていた武器、「聖剣」「聖弓」「聖杖」「聖棍」「聖魔剣」

「聖銃」「聖刃」「聖短刃」「聖刀」に埋め込むことで力を発揮する。

その「聖武器」の数と同じだけあると言われている石だ。

黒曜石には洗脳能力もあるというが…」

もしそうなら…カイヤが言っていたことから考えると

もしかしたらアスターは黒曜石の洗脳下…。

シュロ「……とりあえず、シオンたちのところに戻らないか?

あまり待たせておくのもあれだろう」

という事で、シオンとアイリスの待つ祭壇の外に戻りに行った。

黒曜石は持っていく。いつ魔族に狙われるかわからない…という事から。
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