花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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聖武器

花と十字架の想い 38話

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アイリスとブローディアに魔獣を任せている間、

山頂に向かっていたシオンたちはそこでジェイドと再会することになった。

リナリア「あの人が持ってるのが…聖武器…」

シオン「ジェイド! それは、お前たちに渡すわけにはいかない!」

シオンがジェイドに剣を向ける。

ジェイド「それは俺たちも同じだ。これを持って来いと、フロックス様の命令だ」

ジェイドも剣をシオンとリナリアに向けた。

片手に聖武器である刀を持っているため1本だけ構えている。

シオン「リナリア、君は下がってて。こいつは危険だ」

リナリア「ダメ…危険なら尚更…1人で挑まないで」

真っ直ぐなリナリアの目に、シオンは頷くしかなかった。
 

シオン(落ち着け…目的は聖武器…あれを渡さないのが優先だ。

ジェイドとの決着は二の次…。ジェイドの手から聖武器を落とせれば…!)

「いくぞ!」

リナリア「うん…!」

こっちは2人。ジェイドは刀は扱えない。

どう見てもこっちの方が有利…のはずだったのに。

片手だけで、2人を軽くあしらう。何度斬りかかっても、その度に剣で弾かれた。

シオン「くっ…なんで…!?」

ジェイド「聖武器の力はすごいな…持っているだけで威力も上がるのか…!」

すると、リナリアが近くに寄ってきた。

リナリア「私、巫女だから…昔の魔王や英雄のことも多少は知ってるんだけど…

聖武器は、持っている人の今一番強い感情を強めてしまうらしいの…

多分、今のジェイドの感情は、怒り…」

シオン「怒り? 何に怒ってるんだ…。……っ!?」

シオンがジェイドに再び視線を向けた時、確かにジェイドの目は怒りに満ちていた。

心を読もうとしなくても、それは明らかだった。

ジェイド「よくも魔獣を倒したな。この魂反応じゃ、かなりの重傷だ。

一命は取り留めるだろうが……」

そう言って、シオンに剣をぶつけてきた。

シオン「くっ…!!」

ジェイド「それでもお前らを同じ目に合わせないと気が済まない!」

シオンの剣が押される。あまりにも剣に込められた力が強い。

リナリア「シオン!!」

リナリアがそう声をあげたときだった。

ジェイド「……!?」

 何かが飛んできてジェイドの手から刀を弾き飛ばした。

その隙のおかげでシオンも身動きがとれるようになった。


飛んできた方に目をやると…

アイリス「シオン! リナリア! 大丈夫!?」

シオン「アイリス…!」

ジェイド「チッ………ルシファーか」

ジェイドがアイリスに気を取られた隙に、シオンは弾かれた聖武器の刀に手を伸ばした。が…触れられない。

シオン「なんで…!? 俺じゃ、選ばれない…!」

(このままじゃ…またジェイドに…)

その時、リナリアの胸が光り出した。

リナリア「これは…? ………っ。シオン、どいて!」

慌ててシオンが刀から手を退く。代わりにリナリアが刀に手を伸ばし掴んだ。すると…

聖武器から光が発せられた。聖武器の色と同じ淡い紫の光…。


『この刀の名を……この刀の名は----』


リナリア「……!! ノーティス!!」

リナリアの頭の中にのみ聞こえた言葉に従い、その刀の名を口にした。

その瞬間、聖武器は1つの宝玉に変わった。

ジェイド「……くっ…所有者が現れたか…。まあいい…せめてルシファーだけでも!」

シオン「させるか!」

もう片方の剣を抜いたジェイドにシオンが斬りかかる。

もちろん、剣で防がれたが、諦めない。

ジェイド「デッドウェイブ…!!」

シオン「ルナスペイサー…!!」

ジェイドの技の赤い光とシオンの技の青い光がぶつかる。

あまりの勢いに、アイリスとリナリアは目を伏せた。

そして、大きな爆発のような音がしたと思ったら、両者とも倒れ込んでいた。

シオン「くっ…や、やっと…互角程度か…」

ジェイド「ちっ…いつから、そこまで強くなった……」

やはり魔族はすごい。

シオンはまだ座り込んでいるのにもかかわらずもう立ち上がっている。

また攻撃してくるかと、アイリスとリナリアが構えた時…

転移でもう1人魔族…カイヤが現れた。

カイヤ「ジェイド。そろそろ戻ってください。聖武器も奪われたようですし、

もういいでしょう。ルシファーさんの件は、また機会を待つということで」

ジェイド「カイヤ………。……そろそろ攻められるのか?」

カイヤ「ええ。そろそろ出向くようにと、逆刃十架全員に命が出ました」

シオン「…攻めるって…何の話だ?」

何の話か分からなくて、シオンが問う。

カイヤ「ああ、まあ、何も知らないのではつまりませんね。良いですよ、教えます。

私たちは明日…セイクレイ城を攻めます」

アイリス「え…!?」

カイヤ「目的は城が保管している黒曜石の確保と、

邪魔な将軍とガイラルディア王の始末です」

ローレルたちが…危ない…ということか。

カイヤ「止められるものなら、止めて見て下さい」

シオン「……行くぞ、2人とも!!」

シオンたちは慌てて山を下りていった。もはや、時間との勝負だ。


カイヤ「ふふ、慌ただしいですね…に、しても…シオンさん、だいぶ強くなりましたね」

ジェイド「いつから見てたんだ」

カイヤ「さあ? …でも、よかったじゃないですか。互角に戦える相手が出来て」

ジェイド「良いわけあるか。魔族にとっては邪魔でしかない」

カイヤが表情変えずに聞き返す。

カイヤ「珍しいですね。貴方がそんなことを言うなんて。

まあいいです、戻りましょう、ジェイド」

そう言って、先に転移で城に戻った。

続いてジェイドも転移しようとしたとき、何かの気配を感じて、

聖武器の入っていた箱のほうへ目を向ける。すると…

ジェイド「……宝玉…? なんで急にここに…どこから…」

分からないながらもそれを拾い上げると…


『…………………めて…』


ジェイド「…!! ………今の声、なんだ? これから聞こえてきたのか…?」

疑問に思いながらも、持っていくことにした。

何か魔族側に害があるなら即破壊する…その覚悟の下で。
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