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聖武器
花と十字架の想い 39話
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ジェイドはセイクレイ城を攻める、という事で
カイヤに呼ばれ一度ヘルクロス城に戻った。
聖武器のことでの報告も含めて。
魔王フロックス「そうか、聖刀ノーティスの所有者が決まったか…」
ジェイド「はい…ですが、あの聖武器の窪みにはまる黒曜石は
あいつらは持っていません…」
窪み…そこにはまる黒曜石をはめ込めば、聖武器本来の力が発揮されるという。
カイヤ「なぜわかるのですか?」
ジェイド「武器を手に取ったとき、窪みの型を見た。
あの形は、俺たち魔族が所有している黒曜石の内の1つと同じだ」
魔王フロックス「それなら、隙さえあれば魔武器に変えることも可能かもしれんな…。
…とにかく、まずはセイクレイ城にある黒曜石の奪取。そして将軍と王の始末だ」
魔王が逆刃十架に改めて命令する。
カイヤ「シオンさんたちも来るかもしれません。もし来た場合、
上手くいけばペンダント、呪剣、聖武器、彼らの持つ黒曜石、ルシファーさん…
それらも奪えるかと」
魔王フロックス「ふ、そうか、わかった。
ただあくまで目的はセイクレイ城の奴らだ。シオンたちの件は、深追いはするな」
すると、クロムが前に出た。
クロム「今回の件…本来の姿にならなくってもいいわよね?」
魔王フロックス「ああ…どちらでも構わない」
ジェイド「お前なりたくないのかよ、クロム」
溜め息をつきながらクロムが答えた。
クロム「あんな醜い姿…本来の姿といえど嫌だもの。化物の姿なんて」
アメシス「私も…あまり…」
カイヤ「あの程度の戦力…本来の姿に戻らなくても平気です」
みんな口々になりたくないオーラを出す。
ジェイド「俺は気にしないけどな。思いっきり蹴散らせる。
この姿のほうが動きやすいから化けてやってるだけだ」
カイヤ「はぁ……」
魔王フロックス「では、逆刃十架、魔族の下級兵、上級兵、明日セイクレイ城を攻める。十分に力を蓄えておけ」
逆刃十架が頭を下げた。その時…
『……めて! ……いて……!』
ジェイド「……!?」
その声は明らかに、ジェイドが持って帰って来た宝玉の声だった。
アメシス「ジェイド…それは?」
アメシスが小声で聞いた。
ジェイド「知らねえ。ここに転移する直前に手に入れた」
アメシス「そう…ですか」
ジェイドも解らないのでは、これ以上聞いても仕方ない。
その頃、急いで山を駆け下り宿まで戻っていたシオンたちは…。
シュロ「魔族がセイクレイ城を攻める…!? 本気なのか!?」
シオン「ああ、明日攻めると言っていた。早く行ったほうがいい」
すると、2階の部屋で休んでいたアスターとシスルも降りてきた。
アイリス「アスター、シスル、もう大丈夫なの…?」
アスター「もう平気だ」
シスルは黙ったまま近づいてきたが、急に口を開いた。
シスル「俺も連れて行け」
シオン「え……?」
あんなに拒んでいたシスルがどういう心境の変化…。
シスル「お前ら、何度も逆刃十架と会ってるらしいな。
俺は…魔王を討つ。魔族も全部まとめてだ。
お前らについて行けば、あいつらと戦う機会も増える…そう思っただけだ」
リナリア「シスル……!」
シスル「ただし…」
リナリアが笑顔になった途端に…
シスル「巫女様にも言ったが、足手まといにだけはなるなよ」
リナリアが苦笑いしながらあたふたする。口が悪いから心配らしい。でも…
シオン「分かった。気を付ける。よろしくな、シスル」
反発することも無く、シオンに笑顔で言い切られてしまった。反発することも無く。
シスル「…ちっ…」
レオノティス「ブローディアとカルビは平気なのか?」
ブローディア「うん…私もカルビも大丈夫。
カルビの消耗も、シュロとレオの回復が効いたみたい。ありがとう♪」
カルビも元気に駆け回っているので、大丈夫だろう。
テイルもそれを嬉しそうに眺めている。
シオン「…よしっ、今からもう出発しよう。明日には着かないとな!」
だが、割とここからセイクレイ城のある王都カイルスまでは遠い。
朝から出発しても夜になってしまうほどだ。
それなのに、今は夕方。ギリギリどころか、
攻められて何時間か経過した後に着くことになってしまう。
フクシアやアスターの転移に頼ることは無理。人数が多いから、魔力の消費が激しい。
でも、行くしかない。
村を出てアイスクレピウス雪原を経て、王都へ向かおうとしたとき…
「あの……」
さっきの宿の人だった。
シオン「はい…?」
「私の父が船を動かせるんです。ここから王都のある辺りまで船を向かわせて、
そこで降りれば歩いて行くよりはすぐに着くかと…」
フクシア「良いんですか!?」
「父も了解してくれています。
そんなに大きくはないですが、貴方たちを乗せることは可能です」
迷っている時間はなかった。頼れるものは頼るしかない。
シオン「ありがとうございます。おねがいします!」
そうして、船に乗って行くことになった。
…無論、船に弱いシュロはダウン。
シュロ「うぅ…き、気持ち悪い…」
ブローディア「大丈夫? すぐ着くだろうから頑張って!」
フクシアとアスターも心配で傍に着いている。カルビも一緒。
その間、レオノティスとリナリアは宝玉になったきり
武器の姿に戻らない聖武器のことで話し合っていた。
テイルも傍にいた。シスルは壁に寄りかかっている。
レオノティス「この状態について、なにかわかるか?」
リナリア「えっと…聖武器は所有者を決めた後、
全ての聖武器が目覚めるまで宝玉の姿になると聞いたことがあるわ」
リナリアの巫女の知識はあなどれない。いろいろ知っていて助かる。
レオノティス「となると…これを手に入れた時はドタバタしていたのだから、
窪みの型は覚えていないだろう…全ての聖武器が揃うまで、分からないな」
レオノティスが持っていた黒曜石を眺めながら呟いた。
リナリア「それ…魔族に奪われないようにしないと」
甲板にはシオンとアイリスがいた。
アイリス「…助けないとね。セイクレイ城の人たち…」
シオン「ああ。あんな良い人たちがいる場所を…滅ぼさせたりなんかしない!」
今、時刻は夜の11時…。日付が変わるまであと1時間…。
シオン(間に合え………間に合ってくれ…!)
そう、心の中で思いながら、シオンは目先の海を見ていた。
カイヤに呼ばれ一度ヘルクロス城に戻った。
聖武器のことでの報告も含めて。
魔王フロックス「そうか、聖刀ノーティスの所有者が決まったか…」
ジェイド「はい…ですが、あの聖武器の窪みにはまる黒曜石は
あいつらは持っていません…」
窪み…そこにはまる黒曜石をはめ込めば、聖武器本来の力が発揮されるという。
カイヤ「なぜわかるのですか?」
ジェイド「武器を手に取ったとき、窪みの型を見た。
あの形は、俺たち魔族が所有している黒曜石の内の1つと同じだ」
魔王フロックス「それなら、隙さえあれば魔武器に変えることも可能かもしれんな…。
…とにかく、まずはセイクレイ城にある黒曜石の奪取。そして将軍と王の始末だ」
魔王が逆刃十架に改めて命令する。
カイヤ「シオンさんたちも来るかもしれません。もし来た場合、
上手くいけばペンダント、呪剣、聖武器、彼らの持つ黒曜石、ルシファーさん…
それらも奪えるかと」
魔王フロックス「ふ、そうか、わかった。
ただあくまで目的はセイクレイ城の奴らだ。シオンたちの件は、深追いはするな」
すると、クロムが前に出た。
クロム「今回の件…本来の姿にならなくってもいいわよね?」
魔王フロックス「ああ…どちらでも構わない」
ジェイド「お前なりたくないのかよ、クロム」
溜め息をつきながらクロムが答えた。
クロム「あんな醜い姿…本来の姿といえど嫌だもの。化物の姿なんて」
アメシス「私も…あまり…」
カイヤ「あの程度の戦力…本来の姿に戻らなくても平気です」
みんな口々になりたくないオーラを出す。
ジェイド「俺は気にしないけどな。思いっきり蹴散らせる。
この姿のほうが動きやすいから化けてやってるだけだ」
カイヤ「はぁ……」
魔王フロックス「では、逆刃十架、魔族の下級兵、上級兵、明日セイクレイ城を攻める。十分に力を蓄えておけ」
逆刃十架が頭を下げた。その時…
『……めて! ……いて……!』
ジェイド「……!?」
その声は明らかに、ジェイドが持って帰って来た宝玉の声だった。
アメシス「ジェイド…それは?」
アメシスが小声で聞いた。
ジェイド「知らねえ。ここに転移する直前に手に入れた」
アメシス「そう…ですか」
ジェイドも解らないのでは、これ以上聞いても仕方ない。
その頃、急いで山を駆け下り宿まで戻っていたシオンたちは…。
シュロ「魔族がセイクレイ城を攻める…!? 本気なのか!?」
シオン「ああ、明日攻めると言っていた。早く行ったほうがいい」
すると、2階の部屋で休んでいたアスターとシスルも降りてきた。
アイリス「アスター、シスル、もう大丈夫なの…?」
アスター「もう平気だ」
シスルは黙ったまま近づいてきたが、急に口を開いた。
シスル「俺も連れて行け」
シオン「え……?」
あんなに拒んでいたシスルがどういう心境の変化…。
シスル「お前ら、何度も逆刃十架と会ってるらしいな。
俺は…魔王を討つ。魔族も全部まとめてだ。
お前らについて行けば、あいつらと戦う機会も増える…そう思っただけだ」
リナリア「シスル……!」
シスル「ただし…」
リナリアが笑顔になった途端に…
シスル「巫女様にも言ったが、足手まといにだけはなるなよ」
リナリアが苦笑いしながらあたふたする。口が悪いから心配らしい。でも…
シオン「分かった。気を付ける。よろしくな、シスル」
反発することも無く、シオンに笑顔で言い切られてしまった。反発することも無く。
シスル「…ちっ…」
レオノティス「ブローディアとカルビは平気なのか?」
ブローディア「うん…私もカルビも大丈夫。
カルビの消耗も、シュロとレオの回復が効いたみたい。ありがとう♪」
カルビも元気に駆け回っているので、大丈夫だろう。
テイルもそれを嬉しそうに眺めている。
シオン「…よしっ、今からもう出発しよう。明日には着かないとな!」
だが、割とここからセイクレイ城のある王都カイルスまでは遠い。
朝から出発しても夜になってしまうほどだ。
それなのに、今は夕方。ギリギリどころか、
攻められて何時間か経過した後に着くことになってしまう。
フクシアやアスターの転移に頼ることは無理。人数が多いから、魔力の消費が激しい。
でも、行くしかない。
村を出てアイスクレピウス雪原を経て、王都へ向かおうとしたとき…
「あの……」
さっきの宿の人だった。
シオン「はい…?」
「私の父が船を動かせるんです。ここから王都のある辺りまで船を向かわせて、
そこで降りれば歩いて行くよりはすぐに着くかと…」
フクシア「良いんですか!?」
「父も了解してくれています。
そんなに大きくはないですが、貴方たちを乗せることは可能です」
迷っている時間はなかった。頼れるものは頼るしかない。
シオン「ありがとうございます。おねがいします!」
そうして、船に乗って行くことになった。
…無論、船に弱いシュロはダウン。
シュロ「うぅ…き、気持ち悪い…」
ブローディア「大丈夫? すぐ着くだろうから頑張って!」
フクシアとアスターも心配で傍に着いている。カルビも一緒。
その間、レオノティスとリナリアは宝玉になったきり
武器の姿に戻らない聖武器のことで話し合っていた。
テイルも傍にいた。シスルは壁に寄りかかっている。
レオノティス「この状態について、なにかわかるか?」
リナリア「えっと…聖武器は所有者を決めた後、
全ての聖武器が目覚めるまで宝玉の姿になると聞いたことがあるわ」
リナリアの巫女の知識はあなどれない。いろいろ知っていて助かる。
レオノティス「となると…これを手に入れた時はドタバタしていたのだから、
窪みの型は覚えていないだろう…全ての聖武器が揃うまで、分からないな」
レオノティスが持っていた黒曜石を眺めながら呟いた。
リナリア「それ…魔族に奪われないようにしないと」
甲板にはシオンとアイリスがいた。
アイリス「…助けないとね。セイクレイ城の人たち…」
シオン「ああ。あんな良い人たちがいる場所を…滅ぼさせたりなんかしない!」
今、時刻は夜の11時…。日付が変わるまであと1時間…。
シオン(間に合え………間に合ってくれ…!)
そう、心の中で思いながら、シオンは目先の海を見ていた。
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