花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

文字の大きさ
54 / 80
聖武器

花と十字架の想い 54話

しおりを挟む
掟を変えたければ自分に勝ってみせろと

大剣を構えた大天使フリージアの前に立ち尽くすフクシア。

自分では到底勝てないという不安からだった。

そこへ…

アスター「フクシア!」

フクシア「アスター!?」

アスターが悪魔界から戻り、聖堂に入ってきた。

フリージア「お前、アスターか。…ディアスキアには会って来たのか?」

アスター「ああ。それで、この戦い、俺も参加させてもらう。俺もその掟、変えたいしな」

それを見て、シオンとアイリスも

シオン「…そう言うことなら」

アイリス「私達も協力するよ」

 天使でも悪魔でもない。この件とは関係ない二人が、助力を申し出た。

フクシア「い、いいの?」

その問いに頷く。フクシアがようやく覚悟を決めて顔を上げる。そこへ

ディアスキア「あーあー、こいつらやる気満々だな。

良いのかフリージア、団体戦は有りですかってなあ?」

ディアスキアが聖堂の窓を転移で越えて入ってきた。

フリージア「…良いだろう。強い絆も大天使には必要。お前達4人でかかってこい」

ディアスキア「あっ、その他大勢! ここにいると巻きこむから聖堂の外に出てろ」

ディアスキアがシュロ達とその場にいた兵士に言う。

シュロ「…皆、頑張ってくれ」

レオノティス「平気だとは思うがな」

ブローディア「みんななら大丈夫!」

リナリア「信じてるわねっ」

シスル「…くたばるなよ」

そう、口々に言って聖堂を後にする。

ディアスキア「…アスター、俺も参加する。

俺とフリージア相手に、お前等でかかってこい」

フリージア「ディアスキア…」

フクシアもアスターも、迷いはしなかった。

アスター「…行くよ、大悪魔、ディアスキア!」

フクシア「行きます、大天使、フリージア様!」

シオン「よしっ!」

アイリス「うん!」

全員が武器を構える。

フリージア(……いい仲間を持ったな、フクシア…)
 

フリージア「ジャッジメント!」

戦闘開始すぐに、フリージアの魔法が飛んでくる。

フクシア「嘘!? 高等魔法を詠唱無しで!?」

アスター「相手は大天使と大悪魔。これぐらい普通だ。

それと、攻撃はフクシアはディアスキアの魔法に気を付けろ。

闇の技は天使にはダメージが大きい!」

それはつまり、フリージアの撃つ光の技は

アスターには大ダメージをあたえるということだ。

今のジャッジメントをアスターが喰らっていたら致命的だった。

ディアスキア「デッドダークネス!」

アイリス「フクシア!」

フクシア「…!」

何とか間一髪でかわす。

シオン「俺とアイリスは適当にダメージをあたえていく。トドメは二人に任せるからな!」

アスター「わかってる!」

そうやり取りをした後、シオンがディアスキアの注意をひいた。

 連続で斬撃をくり出して行く。

ディアスキア「へえ、人間にしちゃ剣の腕いいじゃん、こいつ!」

そう言いつつも余裕な表情でかわしている。

その隙に…

アイリス「……クレセントアロー!!」

フリージア「ディアスキア! 後ろだ!」

ディアスキア「こっちは囮か!」

アイリスの光の矢がディアスキアの腕を掠めた。

掠めただけだが光の技は悪魔にかなりのダメージを与える。

フリージア「やれやれ、気を付けろ。仮にもこいつらは光に住まうものだ」

フクシア「やあっ!!」

フリージアが呆れた隙にフクシアが斬りかかる。

フリージア「…お前がここまで本気で来れるとは思ってなかった。成長したな」

そう言いながら剣を剣で受け止める。

シオン「影牙刃!!」

アスター「はっ!!」

シオンの遠距離から使える影牙刃が

ディアスキアの方からフリージアの方へ地を走って向かうのと同時に、

アスターがディアスキアに斬りかかる。

ディアスキア「フリージア、かわせ! ぐっ!」

ディアスキアの方はアスターの剣を受け止めた。

一方、シオンの攻撃はフリージアを掠めた。

ディアスキア「連携も大したもんだな、お前がここまで強くなるとはなあ、弱ったねぇ」

アスター「無駄口を叩くな」

一度距離を取る。
 

すると、フリージアとディアスキアが似たような武器の構え方をした。

フクシア「天使奥義と悪魔奥義…!」

アスター「シオンとアイリスは伏せろ! 一つだけ、指示を出すから」

アイリス「で、でも二人は!?」

いいから、と、アスターが目で合図する。

フリージアが浮かぶ。この奥義は天使は上に浮かんでからの発動となる。

フクシア「行くよ、アスター!」

アスター「ああ! アイリス頼む、霧を!」

アイリス「っ! ミストアロー!」

アイリスの放った矢から霧が放たれて真っ白になる。

フクシア「二人とも伏せて!」

フクシアの言葉でシオンとアイリスは伏せる。

アスター「こっちだ、ディアスキア!」

アスターがフリージアの剣から放たれる光を頼りにフリージアの方へ飛びあがり、

己の魔法の光で位置を知らせる。

フクシア「フリージア様、こっちです!」

フクシアも同じく、ディアスキアのダブルセイバーから放たれる光を頼りに

ディアスキアの方へ走り、自分の魔法で位置を知らせる。

ディアスキア(目くらまししておいて、何故位置を知らせる? 馬鹿な事を!)

フリージア(位置さえ解かれば確実に当てられる)

この時、誤算がフリージアとディアスキアにはあった。

フリージア「天使奥義・ルーメンゲート!」

ディアスキア「悪魔奥義・テネブラエゲート!」

技が放たれると同時にフクシアとアスターは真横に大きくかわした。

フリージア「はっ!」

ディアスキア「しまっ…」

今気づいても遅い。この技は範囲が広い。

二人の奥義は二人にお互いにぶつかってしまった。

悪魔奥義はフリージアに、天使奥義はディアスキアにかかる。

大ダメージは必至だった。

それぞれディアスキアとフリージアの側に位置を示したから、

技を放った時にフクシアとアスターの近くにいた自分達にも当たってしまったのだ。

しかもかわされたのでアスターとフクシアは無傷。
 

でも、さすがは大天使と大悪魔。致命傷といえど、まだ戦闘態勢はぎりぎり保てていた。

ディアスキア「…あいつら、どこいった?」

しんと静まる。次の瞬間、後ろにフクシアとアスターが飛ぶ。

フクシア「ルクス・リング!!」

アスター「オスクリダー・サーバント!!」

光の技がフリージアに、闇の技がディアスキアに。

普通なら効果は低いが、致命傷を負った二人には十分だった。
 

霧が完全に晴れる。激闘の末、フリージアとディアスキアは膝をついた。

シオン「……やった!?」

シオンとアイリスがゆっくりと立ち上がる。

フリージア「……ふふ、やれやれ、負けたか…お前達の作戦勝ちだな」

ディアスキア「いててて…力、侮っちまったぜ。やっぱ効くな、お前の奥義」

ディアスキアがフリージアの方を見て苦笑いする。

フクシア「フリージア様…」

フリージア「ふっ、認めるしかないな…フクシア、私の後、天使界を頼んだぞ」

フクシアを見て微笑む。

フクシア「…はい!」

アスター「やったな、フクシア!」

フリージアとディアスキアも立ち上がる。

フリージア「ディアスキア、掟の変更に伴って色々仕事がある。お前も手伝え」

ディアスキア「はーい、はい、わーったよ。っと、その前に…」

フリージアとディアスキアが自分の目の前で魔法陣を展開すると、

そこに剣がそれぞれ現れた。

アイリス「…これは…」

フリージア「聖武器だ。聖魔剣と」

ディアスキア「聖刃だ」

それを受け取る。

『この魔剣の名を……この魔剣の名は----』

『この刃の名を……この刃の名は----』

それぞれの頭の中に声が響く。

フクシア「ビリーヴ!」

アスター「メモリー!」

そう言うと、武器は宝玉に姿を変えた。

これで、4つまで聖武器が揃ったのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

公爵令嬢は結婚式当日に死んだ

白雲八鈴
恋愛
 今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。 「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」  突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。 婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。  そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。  その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……  生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。  婚約者とその番という女性に 『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』 そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。 *タグ注意 *不快であれば閉じてください。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない

くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、 軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。 言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。 ――そして初めて、夫は気づく。 自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。 一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、 「必要とされる存在」として歩き始めていた。 去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。 これは、失ってから愛に気づいた男と、 二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。 ――今さら、遅いのです。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

処理中です...