花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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聖武器

花と十字架の想い 53話

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アスターとフクシアの元に、天使と悪魔の兵士が来ていたころ、魔王城では…

カイヤ「そうですか、解かりました」

ローズ「でも、どうやって行くんですかっ? 天使界と悪魔界なんて…」

どうやら、フクシアとフクシアと兵士の会話を偵察していたローズが聞いていたらしい。

カイヤ「……所有者は恐らく、アスターさんとフクシアさんになるでしょう。

…良いでしょう。どのみち聖武器は全部揃わないと意味がありません。

この2つの聖武器はシオンさん達にこのまま譲り、全部揃った後、奪いましょう」

ジェイド「なる程。解かった。奪った後で、あいつ等を殺せば良いんだな」

普通は殺してから奪うんじゃないだろうか。奪われて絶望する顔を見たいというやつか。

カイヤ「それはそうと、ローズ…パスワード、シオンさん達に教えましたね?」

ローズ「ぎくっ! あ、あはは…済みませ―――ん!!!」

慌ててローズが逃走。

???「あっ、待ってよ、ローズ! …すみません、カイヤ様」

カイヤ「…いえ、良いんです。マリンは悪くないですから」

ローズの代わりに頭を下げたのはマリン。ジェイドの部下だがカイヤともよく関わる。

魔族なのだが戦闘は苦手で兵士や将軍に守られてばかり。

ジェイドの魔獣の世話係をしている。

ジェイド「マリン、お前は魔獣の面倒見てこい。次の戦いに備える必要がある」

マリン「は、はい!」

マリンもその場を立ち去る。

魔王フロックス「よし、アメシスとレサイト以外は、地上にある残りの聖武器の捜索。

アメシスはここで待機、レサイトは、裏切り者の始末に向かえ」

みんなが一礼する中、やっぱりレサイトだけ面倒そう。

レサイト「裏切り者って、セイクレイ城にいるんだっけ??

面倒だなぁ…強いって言うじゃんか~…」

セレスタ「お前、前行かなかったんだから今度はちゃんと行け」

レサイト「はいは~い」

やる気ないだろと言いたくなる。

魔王フロックス「今日は城で休み、明日から行動を開始しろ」

レサイトの無礼な態度にもお咎めしないあたり、凄い。
 

自室に戻り、ジェイドは宝玉を眺めていた。

あの時、刀の聖武器が見つかった場所で拾った宝玉だ。

ジェイド「これはいったいなんなんだ…

たまに声が聞こえるし…だが、どこかで聞いた声な気が…」

そうつぶやいた途端、宝玉が強く光った。

ジェイド「なっ…なんだ!?」

宝玉から浮かび上がった半透明の姿。長い黒髪の女性。

???「…やっと、私の姿捉えてくれたんだね」

ジェイド「…お前…! あの時の…!!」
 

その頃、シオン達はアスターとフクシアに言われた通り、南の方にある小島へ渡っていた。

シオン「この辺りに魔法陣があるのか?」

フクシア「うん、そう言ってたよ」

辺りを見渡すと、一か所、白く光る地面が。

アイリス「あ、あれじゃない…?」

傍に寄ってみると、白い魔法陣が展開されていた。

アスター「この魔法陣に乗ったら、天使界の方に向かうだろう。

俺は、そこから悪魔界に一回戻る」

フクシア「ディアスキア様と話に行くの?」

アスター「悪魔の輝石を渡しに行くだけだ。

聖武器は、フクシアの方が手に入れてから譲って貰う」

心なしか、アスターの表情が険しい。ピリピリしている。

アイリス「ねえ…天使界って天界とは違うの?」

アスター「ああ。天使界は天使族が済むところ。悪魔界は悪魔族が済むところ。

天界は天使族、悪魔族、人間問わず、死者が向かうところだ」

ざっと説明すると、みんなで魔法陣に乗る。
 

一瞬光に包まれ、次に目を開けると、周りはもう天使界・クロスブライトだった。

 地面は白い雲のよう。歩いている人はみんな天使だ。

シュロ「凄いな…こんなところに自分がくる事になるなんて…」

レオノティス「一生に一度経験する事すら出来ない事だろう」

ブローディア「うわあ!! 凄い凄い凄い!!」

カルビ「ルビ―――!!」

ブローディアとカルビが駆け出して行ってしまった。

それを見て、一瞬、ふっと笑った後、アスターが

アスター「じゃあ、俺はこの魔法陣からヘルグランに戻る。

悪魔の輝石を渡したらすぐにこっちに来る」

そう言って魔法陣に乗り、悪魔界へ行った。

フクシア「じゃあ、みんなはこっちへ。聖堂に案内するよ」

シオン「ああ、頼む」

アイリス「よろしくね…フクシア」
 

フクシアを追って、聖堂に向かう。

聖堂の中には左右に天使兵、奥の大きな席に、大天使と思われる女性。

フクシア「フリージア様!!」

フリージア「フクシア…! 良く帰ってきたな。

無事だったか……翼も元に…という事は、天使の輝石は…」

フクシアが天使の輝石をフリージアに渡す。

フリージア「これで、混血種が生まれた時にもなんとかなるな…

天使同士の子でも混血種はありえてしまうからな…。助かったぞ。

それで、聖武器の事だが…」

そう言うと、フクシアが口を開いた。

フクシア「フリージア様、私から、聖武器のこと以外でお話があります」

フリージア「なんだ?」

シオン達も心配してフクシアの方を見る。

フクシア「悪魔と天使の恋愛を、許しては貰えませんか?」

フリージア「…お前も解かっているだろう。混血種は疎まれる。行き場がないのだ」

フクシア「そんな規律、変える事も出来ないんですか!?

混血種が慈しまれる、そんな規律に変えることは出来ないんですか!?」

フクシアが珍しく声を荒げた。

うつむいたフリージアが、少し顔を上げた。

フリージア「…いつかそう言われるとは思っていた。

規律を変えたいなら、お前が大天使になるしかない」

フクシア「私が、大天使に!?」

フリージア「そのためには私を超えろ。私に勝て、フクシア。

そうすれば、規律は徐々にでも変えよう。聖武器も譲ろう」

そう言うと、フリージアは大剣を構えた。

フクシア「……フリージア様に勝つなんて…私は…」

覚悟はしていたが、フリージアに勝てないかもしれないという不安に、俯く。
 

その頃、アスターは。

ディアスキア「…お前が帰って来るとはな。やっぱり聖武器のことでしかたなくか」

アスター「ああ。それと、これを渡しに来た」

アスターが悪魔の輝石をディアスキアに投げる。

ディアスキア「…悪魔の輝石…もうお前も生粋だったな…

これは、ここに置いておけってか?」

アスター「今後、俺のような混血種が生まれた時にでも使え」

そう言うと、ディアスキアに背を向けて歩き出してしまった。

ディアスキア「おい、聖武器はいいのか?」

アスター「後で奪いに来る。今は、フクシアの方が先だ」

アスターがその場から去ったのを見届けると…

ディアスキア「……やれやれ。俺も様子見…というか、かかってやるか。

あいつ等も二度手間じゃなくって良いだろ」

そうつぶやいて、聖堂から天使界へ飛び立っていった。
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