花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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聖武器

花と十字架の想い 52話

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アイリスと仲間達に励まされて、仲間に戻ってきたシオンは、

皆と共にクロッカスとバジルの母親の所に戻った。

ブローディア「このクッキー美味しいです!!」

レオノティス「紅茶も香りが良いしな」

帰ってくるなり、クロッカスたちの母親が焼いてくれたクッキーをみんなで食べていた。

「ありがとう。これぐらいしか出せないけど…」

フクシア「いえいえ、充分です!!」

アスター「フクシアもこれぐらい料理が上手ければ……」

ボソッとアスターが呟く。

フクシア「なにか言った??」

笑顔で話しかけてくる辺り、絶対に聞こえてただろう。

アスター「い、いや何も;;;;;」

フクシア「なら良かった。もう少しで技撃とうかと…」

物騒な事を…女性を怒らせたらいけない…。

シオン「…あの、バジルさんの事なんですけど…行く場所に心当たりはないですよね?」

「ええ。城の兵士になってからは家にも戻らないし…」

アイリス「じゃあ、しばらくしたらまたここに戻ってみる? もしかしたら会えるかも…」

シオン「そうだな」

予定を決めていた時にシュロが…

シュロ「はは…それまでに将軍に捕まらなければいいけどな…」

口を滑らせた。

「捕まるって…あの子、何かしたの!?」

シュロ「あ…」

シスル「大した事ない。大事になる前にあいつは…こいつが止めるだろうしな」

そう、シオンの方を見て言う。

「…シオン君。もしもバジルが貴方の事を殺そうとしてきたらごめんなさい。でも…」

シオン「大丈夫です。バジルさんは、俺が必ず止めます」

クロッカスとバジルの母親は、静かにうなずいた。


クッキーも食べ終わって、その日はその村に泊まらせてもらった。

翌日、一同は一回ここから近場の街に行く事にした。

その場所は依頼の街ウェスタと呼ばれるほど、各地から依頼が集められる街だった。

なぜそこに行くのかというと理由は簡単。金稼ぎ。

そんなに減っているわけではないが、

これから先依頼をやれる時間が取れるかも分からないし、

次の聖武器の在処も不明だからだ。

アイリス「ここが…依頼の街 ウェスタ…」

シオン「さすが…王都まではいかないけど、かなりの人だな」

依頼を請ける人でにぎわっているのだろう。

リナリア「んーと、どこで依頼請けるの?」

シュロ「酒場だな。そこのカウンターで請ける感じだ」
 

酒場に行って依頼リストを見せてもらう。

シオン「えーと……簡単なので良いよな。時間つぶしがてらだし」

フクシア「あっ、これは?」

フクシアが指差したのは仮面の男を捕まえてほしいという依頼。

シオン「あ…じゃあこれで」

マスターに受け付けてもらい、引き受けた。

依頼主の元に行って話を聞く。

「真夜中に仮面を付けた男が女性を仮面舞踏会に無理やり連れていくんです。

しかも、その女性はいつまでも戻ってきません。

大体、それが本当に仮面舞踏会なのかも微妙です…。

捕まえようにも、相手は素早く、私たち街の者ではどうにもできなくて。

ただ仮面を付けてくるなんて、変態というか変質者というか…」

アスター「狙いは女性だけか…なら女性陣で誰かがおびき寄せ…」

女性陣「却下!!」

即答。

シュロ「変態な所が却下要因か;;;」

少しの沈黙。その後、女性陣が一斉に男性陣を見た。

何を思っているのか察したシオン以外の男性陣は…

男性陣(シオン以外)「女装はしないからな」

じゃあ…と、シオンを見る。

ブローディア「シオンで良いね!」

シオン「は!?」

アイリス「あ、そうだね。シオンなら女装しても違和感ないかも」

女性陣は押し付けられるならとにかく、今は誰でも良いようで。

シオン「冗談は嫌いだ…;;;」

アスター「本気だから安心しろ。相手が現れたらすぐに助けに入るから心配するな」

酷すぎる。

致し方なく、シオンが女装するハメになった。


真夜中、本当に人気がない。

こんなところ女性1人で歩いていたら、確かに誰かに捕まりそうだ。

そう思いながら歩いていると、向こうから人が。

「おや、今宵も美しい女性に会えましたね。

私、仮面舞踏会を開催しているものでして、どうぞご一緒に参りましょう」

参りませんか? と聞く訳でもなく行く事前提。

しかも近づいてくるので、怯えたら何もできないだろうし、

抵抗したところで女性の力では無理だろう。

逃げ出しても相手は素早い。一般人ならどうしようもない。

シオン「…よく見ろ。俺は男だ」

「自分の事を俺という女性ですか…これまた珍しい…」

シオン「…………はあ…頭も悪いのか」

そう言うと、女装していた服を外す。すると案の定、相手は驚いている。

「あ、あなた、男性じゃないですか!!」

シオン「だからそう言っただろ!」

半ばキレ気味で剣を抜く。

シオン「どうする? 大人しく捕まるか?」

返ってきたのは、予想外の返事だった。

「…ふふ、男性でも顔が可愛ければ問題ないです」

シオン「は!? ち、ちょっと待て!!」

シオンが一歩後ずさったところで…

アスター「そこまでだ!」

ブローディア「いい加減にしなさい! カルビ、行って!」

レオノティス「テイルもだ!」

カルビとテイルが体当たりする。勿論、加減はしている。

でないと相手の骨が砕け散ってしまう。

シオン「…来るのが遅い…」

アスター「面白い展開になったからな。

もう少し見ていようかとも思ったがアイリスが心配したからやめた」

アイリス、ありがとうと心の中で思う一方、後で絶対アスターをぶんなぐると思った。

シスルが倒れ込んだ仮面の男に近づく。

シスル「さらった奴等はどこへ連れて行った?」

短剣を突き付けてきていたので、仮面の男は言わざるを得なかった。

「西の洞窟の…奥の屋敷です…」

シスル「…行くぞ。場所を自警団に伝えて、こいつを引き渡して終わりだ」

全くせっかちだ。
 

次の日、依頼主に捕えた事を報告しに行った。

「ありがとうございます! あの…その男、仮面は…」

レオノティス「あいつ、自警団に引き渡されても仮面を外そうとしなかったぞ」

結局素顔は分からずじまい。

アイリス「でも、女性に何かするわけでもなく、

ただ囲まれていたかったってだけなんてね…」

シオン「それはそれで変態だな…。

しかもその洞窟の奥の屋敷、廃屋敷だろ? 趣味悪すぎる…」

自警団によって、女性たちは全員解放された。

食事も睡眠も与えられていたらしく、身体に悪影響はなかったので良かった。

報酬を受け取り、宿に戻る。


その晩…フクシアとアスターの元に、天使と悪魔の兵士が来た。

「フクシアさん、アスター様。フリージア様とディアスキア様から連絡です」

フクシア「連絡??」

「お二人は、クロスブライトとヘルグランからずっと見ていました。

だから、聖武器を探している事もご存知です。そこで、聖武器に関する連絡です」

「…聖武器は、フリージア様とディアスキア様がひとつずつ、預かっている…と」

アスター「なっ!?」

思わぬところで情報が入った。

「クロスブライトへ戻る魔法陣を、ここから少し南に行った小島に展開しておきます。

準備ができたら仲間の方も一緒で構いませんので来てください」

それだけ告げると、二人の兵士は帰っていった。

フクシア「アスター…」

アスター「素直に渡すとは思えない…おそらく、戦うだろうな」

フクシア「うん……」

何はともあれ、在り処は分かった。明日シオン達に告げて向かう事に。

次の目的地は天使界・クロスブライトと悪魔界・ヘルグランだ。
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