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聖武器
花と十字架の想い 63話
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リナリア「………」
従者の忍者に連れられて神社に顔を出す事になってしまったリナリアは、
一日神社の自室で過ごした翌日、
父親と面と向かって会話をしていた。
「……リナリア…私はお前が無事で本当に安心している。
だから…頼むからもうどこへも行かないでくれ……」
リナリア「……それは、できないわ」
「……リナリア……」
そこへ……
「失礼いたします! リナリア様と旅をしていたという者達がいらっしゃいまして、
多いので、シオン様と、アイリス様と、シュロ様と、レオノティス様をお通ししたいのですが」
「……分かった。入れてくれ」
戸が開く。
シオン「リナリア!」
リナリア「みんな!?」
「……皆さん、リナリアを守ってくれて助かった」
物腰軟らかいリナリアの父親。本気で娘の事が心配なだけなのだろう。
シオン「……あの……リナリアが旅に出た理由はご存じですか?」
「……友を救うためだと…だが、別にリナリアでなくとも……」
アイリス「それは、赤の他人にできる事…赤の他人がしていい事なのでしょうか」
アイリスの言葉に黙り込むあたり、思うところはあるらしい。
シュロ「父親なら、どうか、娘さんの気持ちをくんであげてください」
レオノティス「お一人で戦っているわけではありません。彼女を死なせるような真似は致しません」
「勝手な事を! 貴方方のような人がいるから、
リナリア様は婚約者決めも破棄して旅など続けようとしてしまうのではないんですか!?」
リナリア「やめて!?」
今口をはさんだのはリナリアの世話係。
母親のいないリナリアに、母親代わりにつけられた人らしい。
「……リナリア……私はお前なしでは厳しい…どうか頼む…離れないでくれ……」
リナリア「……パパ……」
その後、神社の裏に通じる道のある廊下にて。
シュロ「……いいのか? また家出みたいに飛び出す事に……」
リナリア「いいの。私はやるべき事がある。前抜け出した時もここを通ったの」
レオノティス「ここを使った事はもうバレているだろう。
早めに抜け出した方が良い」
リナリアが隠し通路を起動させようとした時……
「リナリア様! 行かせませんよ!?」
忍者の従者二人。もう嗅ぎつけたか。
そのうちの一人が素早くリナリアの腕をつかんだ。
リナリア「やっ、離して!?」
シオン「……力づくは感心できないな」
アイリス「リナリアの気持ちも考えて!!」
その言葉には無反応。
「おい、巫女は俺が捕まえておく。早く応援を寄越してくれ」
「はっ!」
そういってもう一人はその場を立ち去った。
リナリア「お願い、これは私がやらないといけないの!
全部終わったら必ず帰るわ……だから!」
少しの沈黙の後、その「忍者」は口を開いた。
「そんな力で、魔王なんて倒せるのか? ……巫女様」
聞き覚えのある声に話し方。この人は自分達の仲間だ。
リナリア「!? ……あなた、シスル……シスルなの!?」
そういわれると忍び装束を脱ぎ捨てる。どうやら普段の服の上からかぶっていたらしい。
シスル「魔王退治なんて血みどろな世界だ。アンタみたいな人間がしていい事じゃない。」
リナリア「……それでも、私は行くわ。絶対に…誰に何と言われても!
友達を救うために……魔族に滅ぼされて亡くなってしまった王子様と女王様のためにも!」
シスル「……だったら、死ぬなよ。魔王を倒して、「そいつら」の分まで生き延びろ……!」
「足手纏いになるな」ではなく、「死ぬな」に変わっている事が、
憑き物が落ちたように見えた。魔王の肉体による寿命の減りの速さがなくなったからだろうか。
シオン「……いい所で全部持って行ったな」
シュロ「どこに隠れていたんだ!?」
シスル「そんな事より、早く行くぞ。追手が来る前にな」
今度こそ、隠し通路を開いて外に出て、
みんなが待っている神社から離れた位置まで走り抜けた。
ブローディア「あ、みんなー!!」
アイリス「おまたせ!! ……あ、そういえば、シスルの聖武器は……?」
魔王の肉体を持っている時に無理矢理手に入れただけでまだ認めてもらっていなかった。
シスルが帯刀していた聖武器を取り出すと、聖武器が光りだした。
フクシア「これって……!」
アスター「リナリアを助けに向かった心が一番の引き金になって認められたのか…!」
その時のシスルの顔が少し笑っていたように見えた。
『この短刃の名を……この短刃の名はーー』
シスル「ヴェンジェンス!!」
シスルの聖武器は宝玉の姿になる。
ゼロ「……主よ。良かったですね」
シスル「……ゼロ」
アスター「さて、これからどうする? 残りはシオンとアイリスの聖武器だけだ」
シュロ「……セイクレイ城に連絡とるか???」
確かにスフィアもあるので帰らなくても連絡は取れるのだが、
バジルさん探しで忙しいかもしれないので却下になった。
ブローディア「じゃあ! 私の占いで探させて!」
…そういえばしばらくやっていなかったような…
長い事お偉いさんに頼りきりだった気がする。
シオン「そうだな……頼む」
ブローディア「彼の者の名はシオン、アイリス……彼らの行くべき先を示せ……」
この雰囲気、懐かしい。最初の頃、雰囲気の違いに驚いたのを思い出す。
ブローディア「これは……何かな……建物……廃墟になった……
……でも、中も見た目もとても綺麗…真っ白……あ、奥の方に弓らしいものが見える……」
弓……それがアイリスの聖武器だろう。
アスター「それはどこなんだ?」
ブローディア「これ……ディレオン大陸……魔王のいる大陸に近い大陸……」
本拠地に近い、か……
アイリス「行こう。どのみち手に入れないと、先に進めない」
シオン「アイリス……ああ」
一行は一度アストレア村に戻り、
そこからちょっとした船を手配してもらった。
その日のうちに船に乗り、クレイドル大陸を後にする。
シオン「シスル。船を出してもらう前、リンドウさんの所に入っていっただろ。
何してたんだ?」
シスル「……別に」
そのころ、アサシンのアジトでは……
リンドウ「あいつなら大丈夫さ、必ず戻って……」
サルビア「あれ……なにか落ちてる……」
サルビアがベッドから拾い上げたのは一枚の紙。
『世話になった』
サルビア「あの子……嬉しい……」
リンドウ「その一言ぐらい口で言えってんだ。ったく、シスは……」
従者の忍者に連れられて神社に顔を出す事になってしまったリナリアは、
一日神社の自室で過ごした翌日、
父親と面と向かって会話をしていた。
「……リナリア…私はお前が無事で本当に安心している。
だから…頼むからもうどこへも行かないでくれ……」
リナリア「……それは、できないわ」
「……リナリア……」
そこへ……
「失礼いたします! リナリア様と旅をしていたという者達がいらっしゃいまして、
多いので、シオン様と、アイリス様と、シュロ様と、レオノティス様をお通ししたいのですが」
「……分かった。入れてくれ」
戸が開く。
シオン「リナリア!」
リナリア「みんな!?」
「……皆さん、リナリアを守ってくれて助かった」
物腰軟らかいリナリアの父親。本気で娘の事が心配なだけなのだろう。
シオン「……あの……リナリアが旅に出た理由はご存じですか?」
「……友を救うためだと…だが、別にリナリアでなくとも……」
アイリス「それは、赤の他人にできる事…赤の他人がしていい事なのでしょうか」
アイリスの言葉に黙り込むあたり、思うところはあるらしい。
シュロ「父親なら、どうか、娘さんの気持ちをくんであげてください」
レオノティス「お一人で戦っているわけではありません。彼女を死なせるような真似は致しません」
「勝手な事を! 貴方方のような人がいるから、
リナリア様は婚約者決めも破棄して旅など続けようとしてしまうのではないんですか!?」
リナリア「やめて!?」
今口をはさんだのはリナリアの世話係。
母親のいないリナリアに、母親代わりにつけられた人らしい。
「……リナリア……私はお前なしでは厳しい…どうか頼む…離れないでくれ……」
リナリア「……パパ……」
その後、神社の裏に通じる道のある廊下にて。
シュロ「……いいのか? また家出みたいに飛び出す事に……」
リナリア「いいの。私はやるべき事がある。前抜け出した時もここを通ったの」
レオノティス「ここを使った事はもうバレているだろう。
早めに抜け出した方が良い」
リナリアが隠し通路を起動させようとした時……
「リナリア様! 行かせませんよ!?」
忍者の従者二人。もう嗅ぎつけたか。
そのうちの一人が素早くリナリアの腕をつかんだ。
リナリア「やっ、離して!?」
シオン「……力づくは感心できないな」
アイリス「リナリアの気持ちも考えて!!」
その言葉には無反応。
「おい、巫女は俺が捕まえておく。早く応援を寄越してくれ」
「はっ!」
そういってもう一人はその場を立ち去った。
リナリア「お願い、これは私がやらないといけないの!
全部終わったら必ず帰るわ……だから!」
少しの沈黙の後、その「忍者」は口を開いた。
「そんな力で、魔王なんて倒せるのか? ……巫女様」
聞き覚えのある声に話し方。この人は自分達の仲間だ。
リナリア「!? ……あなた、シスル……シスルなの!?」
そういわれると忍び装束を脱ぎ捨てる。どうやら普段の服の上からかぶっていたらしい。
シスル「魔王退治なんて血みどろな世界だ。アンタみたいな人間がしていい事じゃない。」
リナリア「……それでも、私は行くわ。絶対に…誰に何と言われても!
友達を救うために……魔族に滅ぼされて亡くなってしまった王子様と女王様のためにも!」
シスル「……だったら、死ぬなよ。魔王を倒して、「そいつら」の分まで生き延びろ……!」
「足手纏いになるな」ではなく、「死ぬな」に変わっている事が、
憑き物が落ちたように見えた。魔王の肉体による寿命の減りの速さがなくなったからだろうか。
シオン「……いい所で全部持って行ったな」
シュロ「どこに隠れていたんだ!?」
シスル「そんな事より、早く行くぞ。追手が来る前にな」
今度こそ、隠し通路を開いて外に出て、
みんなが待っている神社から離れた位置まで走り抜けた。
ブローディア「あ、みんなー!!」
アイリス「おまたせ!! ……あ、そういえば、シスルの聖武器は……?」
魔王の肉体を持っている時に無理矢理手に入れただけでまだ認めてもらっていなかった。
シスルが帯刀していた聖武器を取り出すと、聖武器が光りだした。
フクシア「これって……!」
アスター「リナリアを助けに向かった心が一番の引き金になって認められたのか…!」
その時のシスルの顔が少し笑っていたように見えた。
『この短刃の名を……この短刃の名はーー』
シスル「ヴェンジェンス!!」
シスルの聖武器は宝玉の姿になる。
ゼロ「……主よ。良かったですね」
シスル「……ゼロ」
アスター「さて、これからどうする? 残りはシオンとアイリスの聖武器だけだ」
シュロ「……セイクレイ城に連絡とるか???」
確かにスフィアもあるので帰らなくても連絡は取れるのだが、
バジルさん探しで忙しいかもしれないので却下になった。
ブローディア「じゃあ! 私の占いで探させて!」
…そういえばしばらくやっていなかったような…
長い事お偉いさんに頼りきりだった気がする。
シオン「そうだな……頼む」
ブローディア「彼の者の名はシオン、アイリス……彼らの行くべき先を示せ……」
この雰囲気、懐かしい。最初の頃、雰囲気の違いに驚いたのを思い出す。
ブローディア「これは……何かな……建物……廃墟になった……
……でも、中も見た目もとても綺麗…真っ白……あ、奥の方に弓らしいものが見える……」
弓……それがアイリスの聖武器だろう。
アスター「それはどこなんだ?」
ブローディア「これ……ディレオン大陸……魔王のいる大陸に近い大陸……」
本拠地に近い、か……
アイリス「行こう。どのみち手に入れないと、先に進めない」
シオン「アイリス……ああ」
一行は一度アストレア村に戻り、
そこからちょっとした船を手配してもらった。
その日のうちに船に乗り、クレイドル大陸を後にする。
シオン「シスル。船を出してもらう前、リンドウさんの所に入っていっただろ。
何してたんだ?」
シスル「……別に」
そのころ、アサシンのアジトでは……
リンドウ「あいつなら大丈夫さ、必ず戻って……」
サルビア「あれ……なにか落ちてる……」
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