月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 外伝 ~未来(イマ)に至るためのプレリュード~

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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~未来(イマ)に至るためのプレリュード~ 10話

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城について、王都謁見後、

エルブとエピナールは取りあえず城の中に部屋を設けてもらった。

ゼファの父である現国王はエルブとエピナールの事を快く迎えてくれた。

今日はセピアに会わせるつもりだったのだが…

セピア「……新しく増えているのですけど…」

エピナール「エピナールです。セピア嬢。こちらはエルブ。私の弟です」

エルブ「あ、よ、よろしくおねがいします…!」

………堅苦し!?

ゼファ「もう少し崩してもいいのに」

セピア「あら、紳士の鑑みたいで素敵ですけれど。

でも…「嬢」ではなくていいですわよ」

エピナール「そうですか? では…セピアさんで」

さてと、紹介が一通り終わったところで…あとは…

サラテリ「ねえねえ、二人は何か戦えるの?」

エピナール「私は刀が使えます。普段は仕込み杖ですが」

エルブ「えっと…僕は…経験ない、ですけど…

兄さんみたいな戦い方が…したいなあ…とはいつも思って…」

なるほど……

セピア「……ちなみに、礼儀作法などは?」

フロスティ「ちょっと訳ありでな…二人とも貴族の出なのじゃが、

エルブは貴族としての扱いを受けて来なかったのじゃ」

プリムローズ「だから、分からないと思うな」

ゼファ「この二人には、どこかの貴族の養子に入ってもらおうと思ってるんだ。

貴族の姓がつけば、親も強行で連れて行くことはできなくなるからね」

連れ戻されないように対策と言うのはそれなのだ。

セピア「……ワタクシが指導しましょうか?

……ゼッ君。貴方のやろうとしている貴族の養子。

礼儀作法は大事でしょうから」

エピナール「エルブ、どうする?」

エルブ「お、教えてくれるのなら、お願いします!」

グラファイト「勉強は僕が教える。

戦術指南はサラテリとプリムローズに頼めるかな?」

それぞれ役割ができたな。

ゼファ「じゃあ、僕とフロスティは疲れたエルブを癒し隊だね!」

フロスティ「そうじゃな」

………まあいいか。癒し担当も必要だよな、うん。


それから色々エルブ改造計画???が始まったわけだが…

ざっくり言うと、戦術指南は正直言って…

拷問。この言葉がぴったりくるだろうか。

死ぬ直前まで攻撃されて、死ぬ前に回復させて、また死ぬ直前まで…の繰り返し。

痛みに慣れろ、動揺するな。との事だ。

セピアのやっている礼儀作法については…こちらはこちらでスパルタで。

早めに覚えないといけないから、急ピッチだ。

ちょっと間違えるとセピアの圧が来る。

セピアだって、ゼファに会うまでは淑女っぽくなかったのによく言う。

勉強だけはグラファイトがやってくれているので、

時々相談にも乗ってくれているようだが……。

まあ、そんなこんなで一週間ほど経ったのだが…


エルブ「……う……」

フロスティ「大丈夫か、エルブ」

ゼファ「この一週間、ずっと大変そうだったからね」

疲れ切っている。

エピナール「セピアさんの指導に疲れ切っているようでして…」

グラファイト「勉強の覚えはいいよ。すぐに覚える。座学得意なのかな」
サラテリ「戦術も中々!」

プリムローズ「上達スピードは結構速いね。」

拷問もどきで何とか形に放っているようだ。

エルブ「兄さんと、サラテリさんとプリムローズさんの拷問…じゃなくて、

しごきでなんとかなってきました!」

言い直さなくていい。あれは拷問だ。

セピア「礼儀作法も何とかなりましたわね。

一応貴族の家に行っても問題ないぐらいにはなりましたわよ。」

エルブ「………セピアさんの指導怖かった…」

セピア「エルブ? 何か言いまして?」

エルブ「いいえ! なにも!!!」

相当怯えているぞ。

エピナール「ゼファ様達のおかげです。ありがとうございます」

フロスティ「…んん、なら…兄。貴族の家は当てがあるのじゃろ?」

ゼファ「うん。来週にでもそっちの家に行けるように手配をするよ」

サラテリ「なんてとこの貴族?」

ゼファ「クラディオ家」

それはこの城の城下にある名門貴族の一つだ。

心優しいと評判である。

セピア「その家の事ならワタクシも知っていますわ。

確か子供を授かれない身体とかで…」

プリムローズ「じゃあ、ちょうどいいんだね」

グラファイト「この二人の事を伝えたら、快く引き受けると言ってくれてさ」

じゃあ、後は来週までに服装も何とかしないと…。

セピア「ワタクシが手配しますわ」

セピアが率先して言い出すのも珍しい。ここは任せてみることに。


…で、数時間後…。

エピナール「これは……」

エルブ「……似、似合ってるのかな…兄さんは似合ってる、けど…」

二人が来ているのは、燕尾服…だな。

ご丁寧にシルクハットもある。

サラテリ「セピアの趣味???」

セピア「それもありますが…このお二人、仕込み杖。

一見、杖ですわ。燕尾服にシルクハットが一番似合いますわ」

確かに、見た感じ違和感は皆無だ。

エピナールは馴染んでいるようだが、エルブは落ち着かない様子。

エルブ「へ、変じゃないですか???」

プリムローズ「全然♪」

サラテリ「似合ってるよー!」

女性陣の感想は上々だ。

グラファイト「リボンもいいね。エルブは太めのリボン。

エピナールは細めのリボン。雰囲気にもあってる。」

セピアのセンスは中々なのかもしれない。

エピナール「…ありがとうございます。セピアさん」

エルブ「…セピアさん、ありがとうございます」

フロスティ「決まりじゃな」

後は来週まではこの城の部屋にいて…

ゼファ「よし、君達もセピア諸共、これからも僕の冒険に付き合ってもらおうかな!」

エルブ「え?」

ゼファ「せっかく戦いもできるようになって来たんだ。

エピナールは元から戦えるみたいだったし」


何でそんな話になっているのか、冒険が何の話か、取りあえず一通り話した。

エピナール「なるほど…ゼファ様自ら、問題を…」

エルブ「そう言う事でしたら、手伝います! 助けられた恩返しです」

二人がクラディオ家になれば、外をうろうろしていても

勝手に連れ出すなんて事は不可能になる。

貴族のご子息を誘拐したという話になるのだから。

そのタイミングを見て、来週から付き合ってもらおうという話だ。

サラテリ「色々大変だから頑張ってね」

プリムローズ「お転婆王子って呼ばれてるからね」

グラファイト「…………疲れたら、言って。

また、相談のってあげるから」

エルブ「はいっ!」

こうして一週間後、二人は正式にクラディオ家に入り、

エルブ・クラディオ、エピナール・クラディオとなった。

その翌日、ゼファのもとに国王から次の任務が言い渡された。
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