月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 外伝 ~未来(イマ)に至るためのプレリュード~

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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~未来(イマ)に至るためのプレリュード~ 12話

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銀髪をした男の。オッドアイの瞳。

見た目は人間なのに、なぜか、このは人間ではないと思った。

ゼファ「………君が、助けてくれた…?」

???「ああ。お前、クレセディアの王子だろう?

こんな危険な事を、なぜしている?」

自分が王子であることに気付いている?

城下の人以外は、王族の見た目なんてよく分からないはずなのに。

ゼファ「……自分の国の問題だ。放っておけないからだよ」

???「……わざわざ、王族自らか? ……ゼファ・セイル・クレセディア」

自分の名前まではっきりと……。

ゼファ「君こそ…誰なんだい?」

???「俺は……お前の仲間が揃って戻って来たようだぞ」

彼に言われて、振り返る。

全員揃ってこちらに向かって来る。

グラファイト「ゼファ! 大丈…夫…」

プリムローズ「えっと…どちら様???」

セピア「……」

サラテリ「あーーっと、左右の悪神獣は倒してきたよ!

それで……」

フロスティ「その者は誰じゃ?」

エルブ「こんな森の奥に…?」

エピナール「…人、ではないです…ね?」

言おうと思ってなかなか言えなかった事をエピナールが言ってくれた。

ゼファ「……答えてくれるかい?」

???「………」

少し沈黙した後、静かに口を開いた。

ゼルシェード「俺はゼルシェード。この世界の管理神だ。

ゼファ・セイル・クレセディア。お前に聞きたい事と、その返答次第で頼みたい事がある」


そう言われて、結局フィレイド城までゼルシェードを連れて行くことに。

管理神、なんて言われてびっくりしたけど、人ではない雰囲気だったのもあり、

まず、そんな嘘をつく理由もない。

そのため、信じた。

「世界は、神の誰かが管理をするという伝承があったが…

まさか、あなたが…。お会いできるとは思っていませんでした…」

ゼルシェード「気にするな。用があるのは、ゼファにだ。

…どこかで話がしたい。…お前の仲間も頼む」

ゼファ「あ、ああ…分かったよ」


で、呼んだのはゼファとフロスティの秘密の場所。

バラ庭園から行ける秘密階段を上った先の上空ホール。

そこまで広くはないんだけど、一組がダンスできるだけのスペースはある。

ゼファ「…それで、ゼルシェード…様? …聞きたい事って?」

ゼルシェード「ゼルシェードでいい。様は付けるな。

…聞きたい事っていうのは、お前の目的だ」

ゼファの、目的…?

ゼルシェード「さっきも言ったが、王族であるお前が本来自分から動く必要はない。

…なぜそこまでする? 危険を冒してまで、この世界をどう思っている?」

ゼファ「…放っておけないから。それが一つの理由。

そして、僕はこの世界を、救うとは言わない、守るともいわない。

支えながら助けていきたい」

それが素直な気持ちだった。

人の身には、救うとか、守るとかは大きすぎるんだろう。

誰かが困っていたら、手を差し伸べる。それだけはしたかった。

ゼルシェード「……お前達も同意見か? 同意見だから、付いて来ているのか」

グラファイト達はそれに頷いた。

ゼルシェード「…この世界は、今衰退している。

その片鱗を、お前達は見たはずだ。お前達が、悪神獣と呼ぶ魔物の出現。

同じ人間を追い詰め殺して監禁して奴隷にして…という世界。」

フロスティ「エルブとエピナールの件がそうじゃな」

プリムローズ「奴隷市場の件も」

これが世界の衰退の影響だというのか。

セピア「つまり、強大な負の感情が世界で暴れた結果と言うんですのね」

ゼルシェードが頷いた。

ゼルシェード「そこで、提案がある。

ゼファ。この世界を、衰退から救いたいか?」

ただ一言、そう問われた。

ゼファ「……僕にできるというのなら、もちろん、答えは「はい」だ」

即答。迷う理由などなかった。

ゼルシェード「もちろん、か…やはりお前を訪ねて正解だったな」

サラテリ「でも、ゼファだってただの人間だよ? そこらの人よりは強いだけで…」

ゼルシェード「気にするな。俺の力を託す。

この世の理に、絶望に、理不尽に、対抗できるだけの力だ」



そして、ゼルシェードから託されたのは、一本の剣。

エピナール「…不思議です。この剣からは神の力が感じられる。」

エルブ「…神の力の具現化…」

ゼファ「…いいのかい?」

ゼルシェード「それが鍵になる。その剣の名は「流変剣」。

理不尽な流れを変える剣だ。能力については、これから教える。」


その後、ゼファ達は能力についていろいろ説明を受けた。

内容はゼニスが教わった物と同じ。

歪みの阻止アレスト・スキル

流れを向けるスキル・リムーバル

属性変換エレメント・クロス

属性変換・共鳴エレメント・クロス・リンク

断ち切る絶望アブシディレ・ディスペル


ゼルシェード「よし、これでいいな。

…俺はお前達に付いて行こう。ただし、神の力は当てにするな。

人と隔たりを俺は作る気は無い。あくまで人として、お前達に付いて行くだけだ。」

なるほど…神の地位をかさに壁を作る気は無いんだな。

ゼルシェード「…それから、一つだけ教えておこう。

力を得られるのはゼファだけではない。お前達も、その意志が強くなる時、

何かしらの能力を得ることがあるだろう」

グラファイト「そうなの!?」

ゼルシェード「能力スキル。それは意志に応えてくれる力だ。

他者に与えられるものではない。あくまで自分の中の決意が強くなった時、自然と与えられ、

同時にその名も使い方も効果も分かるだろう」

それさえ覚醒すれば、大幅に戦力アップが見込めるのでは?

フロスティ「我らは、今まで通りしていればいいのか?」

ゼルシェード「ああ。悪神獣の件が出たら討伐してくれればいい。

あと、困ってる奴がいるというなら助けてやる、とかな。

今まで通りで構わん」

それなら、そこまで気負わずとも何とかなるだろう。

それに、ゼファの与えられた流変剣のおかげで、

世界の救済に関与も可能かもしれない。

ゼルシェード「この世界を、頼む。このままでは、この世界は壊れてしまう。

死なせないでくれ、この世界を。お前のような心の奴だから、頼めるんだ」

ゼファ「…分かったよ。僕にできることなら、やる。

ありがとう、ゼルシェード。……これから、よろしく」

ゼルシェード「ああ」

これがゼルシェードとの出会いだった。

ゼニスと違って、実体を持っていた、神として万全だった頃のゼルシェード。

性格はゼニスの頃と大差はないのだが、

初対面は、冗談なんていう奴だとはまだ思っていなかった。
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