月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 外伝 ~未来(イマ)に至るためのプレリュード~

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

文字の大きさ
26 / 30
奪われた時・救われた今

~未来(イマ)に至るためのプレリュード~ 26話

しおりを挟む
ベレイザがいるであろう扉を開けると、

さっきまでの壊れかけた神殿とは変わって

景色はどこかの…丘??

とにかく、外だ。

ゼファ「ここは…クレセディアの端…?」

ゼルシェード「………神殿の中をこういう光景に変えたのか?

それとも…本当に外に繋がらせたのか…どっちだ。

………ベレイザ」

ゼルシェードがそう言うと、姿を現した。

ベレイザ「セーフ。間に合ったわね。

ここは外よ。ああ、でもあの竜の援護は期待しないでね。

配下の相手で手一杯だろうから」

元より頼るつもりはない。

ゼファ「ベレイザ……」

ベレイザ「…そう言えば、一人足りないわね? 安全な所にでも帰したの?」

今、この状態で安全な所などあるものか。

サラテリ「あんったね! 分かってて言ってんの!?」

グラファイト「ゼファを追い詰めるのも大概にしなよ!?」

ベレイザ「怖い怖い…」

ここで謝られても意味はないし、死を改めて突き付けられるのも嫌だ。

フェズ「とりあえずお前を倒せばいいんだろ?」

プリムローズ「そうだよ! さっさと戦闘終わらせてあげないと!」

それを勘付いたのか、フェズとプリムローズがそう言ってくれた。

それに、地上では民が今も戦っている。

エルブ「言っておきますけど」

エピナール「陛下は殺させませんよ」

セピア「ワタクシ達がいる限り」

一斉に周りが武器を構える。

ゼルシェード「一応聞くが、神界に移動する気は無いな?」

ベレイザ「ないわ」

…うん、わかってた。

フロスティ「ベレイザ! お前に…」

ゼファ「絶対勝つ!!」

倒す、殺す…という言葉を使わなかったのは…ゼファに殺す意思が無かった事と、

…ただ、人の死を見た後に、倒すなんてことも言いたくなかったからだ。

ベレイザ(……甘い人間)


セピア「血の刃…ブラッドナイフ!!」

エピナール「氷閣忌・絶!!」

エルブ「凍り闇へ…ブラックアイス!」

先手はこの三人が撃ってくれた。

それに続くように、四零士も動いた。

フェズ「死月滅旋!!」

サラテリ「光よ降り注げ…シャイニングスコール!」

プリムローズ「魔雷裂傷!」

グラファイト「溺れ苦しめ…アクエトーメント!!」

いっせいに叩き込むが、ベレイザはほぼ避けた。

ベレイザ「デスウィンド!!」

その直後に放った魔法が全員後方に吹き飛ばす。

ゼルシェード「はあっ!! こっちだ、ベレイザ!!」

ベレイザ「っ!」

ベレイザが気を取られた。

フロスティ「っ! 宙の力で捕えよ…ギャラクティバインド!」

その隙にフロスティがベレイザの身体を捕えた。

ゼファ「閃実義!!!」

今のうちに斬り込んだのだが、当たる寸前で拘束が解かれ、空振り。

ゼファ「っさすが、神様か…っ」

ゼルシェード「元とはいえ、な…!」

フロスティ「それでも、ゼルシェード様には及ばぬ!!」

今でこそ、人間としての力しか出せないが、

神としての力なら、ゼルシェードの方が上なのだ。

恐れている場合じゃない。


ベレイザ「デストロイリッパー!!」

フェズ「ゼファ! 悪命絶!!」

ベレイザの攻撃をフェズが弾く。

ゼファ「あ、ありがとう、フェズ!」

ベレイザ「先に部下が殺される事になるかもよ…?」

ゼファ「っ!?」

そう言われると、考えてしまう。

自分が守られる限り、彼らが犠牲になるのでは…?

現に彼女は…オペラは……。

サラテリ「陛下の前で!」

プリムローズ「死んでなんかやらない!」

グラファイト「僕達を甘く見すぎだよ!」

さっき吹き飛ばされた三人が立ち上がって叫ぶ。

エルブ「僕達は…陛下のための盾!!」

エピナール「陛下が天命全うする時まで…!」

セピア「決して、死んではやりませんわ…!」

………みんな。

ゼルシェード「その通りだ、ベレイザ。

こいつらの事を舐めすぎだ。」

ベレイザ「何を…」

ゼファ「ゼルシェード?」

ゼルシェード「お前と違って、こいつらには結束力がある…

たとえ一人一人は弱いとしてもな。

それを馬鹿にしている限り、いつかお前は負ける」

フロスティ「ゼルシェード様……」

そんな風に、思ってくれていたのか。

ベレイザ「……ゼルシェードこそ、何で使わないの、神の力」

ゼルシェード「ふざけてるのか? ここで使えば世界が滅ぶ!!」

ベレイザ「人と触れ合いたいからって、使わないでいたら大変な事になっても知らないわよ」

ゼファ「そんなことにはさせない! 

ゼルシェードの神の力に頼らなくても何とかしてみせる!」

ベレイザ「ああ……そう…」


そう…、何とかしないと……

ゼファ「フロスティ! 頼む! 連絶剣!!」

フロスティ「星の明かりを…スターライト!」

エルブ「閃・氷結廻華!!」

ゼファとフロスティとエルブが道を開く。

ゼルシェード「はっ!! お前達、行け!!」

ゼルシェードの呼びかけで一斉に動き出す。

フェズ「黒竜貪裂牙!!」

サラテリ「ディアブリリアントスピアー!」

プリムローズ「悪鬼戦雷凶!!」

グラファイト「水刃鎌没抄!!」

四零士が奥義を叩きこんだ直後、

セピア「ブラッドロストエデン!」

エピナール「消忌絶氷閣!!」

セピアとエピナールが奥義を放つ。

さすがにほぼ全員奥義を打ち込んだ挙句、

ベレイザが避けた様子もない。

手ごたえはあった…はず。

ゼファ「さ、さすがに、やった…?」

…………


ベレイザ「本当に…甘く見ない方が良さそうね」

………!? 倒せて、いない…!?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

処理中です...