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第24夜
しおりを挟む──白羽
誰かが呼んでいる。
まるで誘うように、優しく甘い声で……
──白羽、ねぇ君は何処にいるの?
けれど何故だろう……。
穏やかな声の相手なのに、ゾワリと身の毛がよだつのは。
この声に応えてはいけないと本能が告げる
──俺を無視するつもりなの?………許さないよ
すると不意に相手の声の温度が下がった。
先程までの甘い声とは一変、殺意が籠められたモノへと変わる
「っ!」
強烈な殺意を向けられ、思わず息を呑む白羽。
そんな漏らした微かな吐息さえも、相手は聞き逃さなかった
───嗚呼、君は其処にいるんだね
「っ……」
姿は見えないのに、まるで場所を特定したような相手の口ぶりに背筋がゾッとする
ただ一瞬の吐息を漏らした事を、後悔せずにはいられなかった……
───待っていて。会いに行くから……俺の愛する白羽。
相手の言葉と同時に、禍々しい黒い影が白羽へと近付いて行く
逃げなくては。逃げなくては。逃げなくては。逃げなくては。逃げなくては。
なのに体が動かない
容赦なく迫る影……
堪らなく恐ろしかった
「く、くるな…っ!やめろっ!来るなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「白羽!おい、白羽!起きろっ!」
「うぅ……っ……ぅぁ…ぁ」
「白羽!!!」
「っ!?」
尋常ではない魘され方で、起きようとしない白羽の頬へと陽斗は平手打ちした
それだけ焦っていたのである。
「っっ…痛ってぇ……もう少し優しく起こせないのか……」
「魘されてたから、早く起こしてやったんだろ?」
「………」
乱暴な起こし方と言えど、正直助かった
あのような悪夢に長時間魘されたら、精神的苦痛が図り知れない
あまりにもリアルで、恐ろしかったのである
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