下心狂想曲

杉本けんいちろう

文字の大きさ
2 / 13
ー第二章ー

≪葛藤≫

しおりを挟む
理想っていうのは、ずっとイコール妄想でしかないものだと思っていた。現実には、絶対にあり得ない虚しき偶像。言ってしまえば、マスターベーションと同じだ。快楽の空論…。

ただ、今は、そんな全ての過去の"思い過ごし"が可笑しくて笑けてくる。だってほら、目の前にこうしてその"証拠品"がいるじゃないか!何の疑う余地もない。

『キーちゃん!あのさ、お願いがあるんだけど…。』

付き合って一週間が過ぎた。俺の事をいつの間にかに"キーちゃん"って呼ぶようになっていた。別に何て呼んだらいいとも聞かれた訳でもない。勝手にそう呼びだしたのだ。その何の悪気もない馴れ馴れしい感じがまた愛しくてたまらない。

『お!優里からの初めてのお願いだな!何?何でも言ってごらんよ。』

俺は俺で、9歳も離れてる"差"を偉そうに呼び捨てにする事で、"大人な彼氏像"を作り出そうとしていた。単純すぎるが明確に、かつ簡単に"良い彼氏"の礎とするには、頼れる"大人感"を出すしかないと思っていた。

『あのね、三千円貸して欲しいの。ダメ?』

『え?…いやダメじゃないけど、優里、金持ってんじゃん。』

『違うの!今日たまたま下ろし忘れちゃってね、しかも、これから飲み会だし。ほら、もうこんな時間でしょ?手数料もったいないじゃない!ね?お願い!今回だけ!』

『ま、三千円くらい別に良いけど…。』

『良いけど…?』

『いや、意外に手数料とか気にするんだなって思って。そんな小さい事なんか気にしないで、もっと大胆にお金使う子だと思ってたから。』

『キーちゃん!私を何だと思ってるの!言ったでしょ!私は、お嬢様のつもりなんて、これっぽっちもないの!そりゃ確かに口座には、それなりにまとまった金額はあるけど私は、無駄遣いはしたくないの!いつどこでどうにかなっちゃうか分からないでしょ!』

『優里…。』

『もしかして、ただのケチくさ女だって思ってんの?だとしたらキーちゃんなんて、もういらない!』

『いやいや!ちょっと待てし!まだ何にも言ってないじゃんか!そんな事思ってないから!むしろ逆だよ!』

『逆?』

『そう!ホントにしっかりした子なんだなって。だって俺だったら、もっと見境無しにお金使っちゃうのに。優里は、見た目とは裏腹で、ちゃんと周りが見えてて、ホントお利口さんだよ。』

『またそれを言う!いいですよ!どうせバカっぽいもん!』

『ははは!ごめんごめん!怒った顔もかわいいよ、優里ちゃん!』

『バカにすんな、コラァ!』

『あははは!ごめんごめんて!ほら!はいよ、これ!』

『え?…何で一万円?』

『ああ、財布見たら萬券しか無かったから、それでいいよ。』

『あ、ありがとう…。ちゃんと返すから!』

『おう!いつでもいいよん!』

『キーちゃんって、やっぱり大人だね。』

『そ、そんな事ないですよ!何を言っちゃっちゃっちゃっちゃっ!』

『あははは!兄さん!噛んでる!噛んでる!』

見た目は、ぽわーんとしてて、一見やっぱりバカっぽい。そんな子が見せる、まるで屈託を感じさせない笑顔は、否応なしに俺の心をキュンキュン鳴らす。でも実は、しっかりした考えの下に、ちゃんとプランを持って生きている。そのギャップがまた、俺の心をズキューンと撃ち抜く。

俺は、もう優里の虜…。

『キーちゃん!明日、どれ着てって欲しい?』

優里の夏休みの目前、お互いの休みが合い、急遽、遊園地に行こうって事になった。それは、まだ付き合い始めて3週間も経っていない時の事。初めて優里の部屋に招かれ、初めての優里の手料理をご馳走になり、当たり前の様に何かを期待した浮かれた心を静め、二人まったりと過ごしていた。それにしても、やっぱり女の子の部屋だ…。まず匂いが違いますわ!なんてフローラル!

『ちょっと!キーちゃん聞いてる?』

『え!?あ、おー!さすがは、お嬢さ…。いやいや!いっぱい服持ってんなぁ。』

『んー、まぁ一応、女の子ですから。ってか、キーちゃんてどんな感じが好きなの?』

『そりゃあ、やっぱセーラー…。』

『セーラー服なんて言わないでね!』

『うっ!』

『ロリコンは、十分、分かったから。制服以外で!』

『そうだなぁ…。ってなると、ニーハイにヒラヒラのミニスカにキャミソールだな!しかも、原色系の!』

『うーん…。キーちゃんてホンモノね。っていうか発想が中2だよね。』

『いやいや!そんな事な…。』

『あるでしょ!…スゴーイ!清彦さんてやっぱりオトナ!って思う事の方が多いから、まだ救いなんだけど、性的発想に関しては極めてクソガキだよね。』

『ゆ、言うねぇ…。でも男なんて大半がロリコンなんだから、これが"フツー"なんだよ。』

『出た出た!よくいるよね。そうやって自分を標準化する奴。でも、そう考えると男っていう生き物自体が相当、下等に思えてくるわ。ピチピチした若い張りと艶にしか頭が無いんだから。』

『あのなぁ!えらい酷く言っちゃってくれてるけど、男はさぁ、子孫を残す為にそもそもの発情目線がメスとは違うの!子孫繁栄の可能性が高い方を選んでしまうっていうのが、遺伝的にも本能的にも無意識に決まっちゃってんの!だから…。』

『何を偉そうに!』

『何だよ!』

『だったら何でコンドーム付けんの?子孫繁栄したいんなら中出しするのが当然でしょ!』

『な…。』

『孕んで困るのは、女よりも男なんだから!そうでしょ!?貧乏人なら特にね!それこそ無駄にお金が飛んでいくだけなんだから!』

『それを女が言うかね!…ってか、あ、あのさぁ。俺達、なんつう話しをしてんだ?俺達が揉める話題じゃないだろ。優里、前に何かあったのか?トラウマでもあんのか?って言いたくなるんだけど…。』

『ホントだね。何でこんな話してんだろ。ってか何で、こんな話になったんだっけ?』

『俺がロリコンだ、ロリコンだってとこからだろ?俺は、フツーだって言ってるのに。ってか、優里こそ何かそういうのないの?』

『そういうのって?』

『んーだから、好きな男の格好だとか、求めるものだとかさ。』

『そりゃあ、あるわよ。私にだって列記とした"理想像"ってものが。』

『何だよ。言ってごらんよ。俺が、その理想を越えてやるから!』

この何気なく放ったつもりの言葉が、ある意味、全ての始まりだった。俺は、優里の為なら…。虜…。いや奴隷…。もう優里以外に何も見えなくなっていた。

『言ったねー!私って実は、めっちゃ理想高くて面倒臭い女なんだよ。』

『え?』

『まだ言ってなかったけど私、今まで付き合った人って大学入って初めて付き合った、例の3年前に別れた人、一人だけなんだよ。それも3ヶ月も、もたなかったし。原因は、分かってるの。』

『な、なに…?』

『私の理想が高過ぎるって事。』

『そんな事で、何で?』

『あら?だって、毎回毎回、私の理想に添うように色んな要求されたら溜まんないでしょ?そりゃあ、フラれて当然だよね。あーあ、悟くん、ルックスは完璧だったのにな…。』

『ちょっと待てよ。じゃあ何で俺なんかと付き合ったの?』

『だって、今まで私の公言してる理想項目にここまで当て嵌まった人、キーちゃんが初めてだもん!』

『公言してる?』

『そりゃあ、いきなり全部は、言わないよ。それこそみんな逃げちゃうもの。私だって、か弱い一人の女の子だもん。寂しい夜なんて嫌いだもん。大好きな彼氏に甘えたいもん。その為に多少の駆け引きだってするわよ。』

『そりゃあ、誰だってそうだと思うけど、ねぇ…。ってか、その公言してない理想って何だよ。』

『キーちゃん!』

『なに!?』

『キーちゃんは、私の理想を叶えてくれる運命の人だと思ってる!…そうだよね?』

『だ、だから言ってみって!』

『分かった。じゃあ、これから少しずつ気付いたら、その都度、言ってくよ。』

『気付いたら?…なんか怖ぇ!』

『大丈夫だよ!だってキーちゃんは、私の理想の彼氏なんでしょ?』

『も、もちろんだともさ!』

『あははは!んじゃ、今日は、とりあえず一つだけ言っとくね!』

『な、何さ…?』

『私ね、エッチは結婚相手としかしないって決めてるから!』

『え!?』

『今日、このまま泊まるつもりだろうけど、チュウまでだからね!』

これは、やられた!色んな覚悟は決めていたけど、まさかエッチをしないとは、考えもしなかった。このご時世、今までとは正反対の意味でこんな子がいたのかと叫びたかった。

『マ、マジで…?』

『マジ!』

『うわー!マジかぁ!』

『そんな堂々と本人を目の前にして、葛藤しますかね。…って事は何?キーちゃんて、もしかしてただ、ヤりたいだけだった?』

『ち、違うわ!』

『ホントにぃ?怪しい…。』

『ホントだよ!俺は、純粋に優里が好きだから、付き合ったんだよ!キーちゃん嘘つかない。』

『んじゃあ、別にエッチしなくても大丈夫でしょ?』

『お、おうよ!当たり前だよ!』

『んー!さすがは、私の理想の彼氏様!』

『…ってかさ、一つ聞いても良い?』

『何?』

『優里って、…って事は、処女なの?』

『そうだよ。何か問題でも?』

『いやいやいや!ノープロブレムです!はい!』

『私は、キレイな体のまま全てを愛する旦那様に捧げたいの!ある意味、貴重でしょ?こんな子。』

『あらー、自分で言っちゃったね。まぁ、確かにその通りだと思うけど。』

『…ところでさぁ、キーちゃん!明日の服、どれが良いの?』

『あ、ああ!えーと、じゃあねぇ…。』

もはや何でも良かった。俺は、まさに心ここに在らずのまま服を撰んだ。そして、待っていたかのように…。

『んじゃ明日、行き掛けにキーちゃん家行って、今度は私がキーちゃんの服決めてあげるね!』

俺は、これから本当の意味で優里色に染められていくんだろうなと怖じ気づき始めていた。
その夜、お風呂は当然、別々に。でも、なんだかんだ言って、いざ布団の中に二人で入ったら…!何て、淡い期待は、あの心をキュンキュン言わす笑顔を右腕の上で見せられたら、何も仕掛ける事さえも出来ず…。優里からのおやすみを込めた軽ーい『チュッ!』だけで、深い葛藤の眠りへと誘われたのだった。

俺は、確かにそこまで性欲は強くないと自分でも思う節はある。でも、5年ぶりに出来た彼女とエッチ出来ないだ!?それは、どうなんだろう…。せっかく、おさらば出来ると思ってたセンズリ生活から結局、抜け出せないのか!?かと言って、浮気をする訳にもいかないし。優里が好きっていう気持ち、逃がしたくないっていう気持ちは、ホンモノなのに!ちょっと神様さぁ!なんでこんな事してくれんのさ!これは酷過ぎるでしょうよ!さっきホントは、おっぱいくらい触ろうって思ったのに…。
いや!裏切れない優里への想いとの度重なる葛藤に次ぐ葛藤。あぁ、俺はホントにこのまま上手くやっていけるのだろうか。いや!でも優里を逃がしたくないなぁ…。あー、でもなぁ…。あー…。

『おっはよ!キーちゃん!』

『…んん?』

『もう朝だよ!起きて!』

『え!?』

俺は、一睡も出来なかった。一晩中、葛藤から逃れられなかったみたいだ。それを知ってか知らずか優里は、出来すぎの満点の笑顔で返してくる。

『おはよう…。』

『もう朝ご飯出来るから、顔洗って来なよ!』

『あ、ああ。』

朝ご飯まで作ってくれる。ホントに理想的なのになぁ…。

『…美味し?』

『うん!すげぇ美味しい!味噌汁の塩加減も最高だよ!』

『それは、インスタントだけどね!…はい!ぱっぱと食べてキーちゃん家行くよ!』

『お、おう。』

まずいなぁ。完全に優里のペースだ!これは、どうやったってこのまま尻に敷かれて行くのが目に見えている。心境的には、まるで弱みでも握られているみたいだ。

あー、強さを下さい!神様の悪戯に耐えられる強さを下さい!笑い者にしたいんでしょ?立派に演じてやりますとも!だから、少しで良い!みんな!オラに元気を…!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

婚約破棄したら食べられました(物理)

かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。 婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。 そんな日々が日常と化していたある日 リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる グロは無し

愛する人は、貴方だけ

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
下町で暮らすケイトは母と二人暮らし。ところが母は病に倒れ、ついに亡くなってしまう。亡くなる直前に母はケイトの父親がアークライト公爵だと告白した。 天涯孤独になったケイトの元にアークライト公爵家から使者がやって来て、ケイトは公爵家に引き取られた。 公爵家には三歳年上のブライアンがいた。跡継ぎがいないため遠縁から引き取られたというブライアン。彼はケイトに冷たい態度を取る。 平民上がりゆえに令嬢たちからは無視されているがケイトは気にしない。最初は冷たかったブライアン、第二王子アーサー、公爵令嬢ミレーヌ、幼馴染カイルとの交友を深めていく。 やがて戦争の足音が聞こえ、若者の青春を奪っていく。ケイトも無関係ではいられなかった……。

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

悪役令嬢まさかの『家出』

にとこん。
恋愛
王国の侯爵令嬢ルゥナ=フェリシェは、些細なすれ違いから突発的に家出をする。本人にとっては軽いお散歩のつもりだったが、方向音痴の彼女はそのまま隣国の帝国に迷い込み、なぜか牢獄に収監される羽目に。しかし無自覚な怪力と天然ぶりで脱獄してしまい、道に迷うたびに騒動を巻き起こす。 一方、婚約破棄を告げようとした王子レオニスは、当日にルゥナが失踪したことで騒然。王宮も侯爵家も大混乱となり、レオニス自身が捜索に出るが、恐らく最後まで彼女とは一度も出会えない。 ルゥナは道に迷っただけなのに、なぜか人助けを繰り返し、帝国の各地で英雄視されていく。そして気づけば彼女を慕う男たちが集まり始め、逆ハーレムの中心に。だが本人は一切自覚がなく、むしろ全員の好意に対して煙たがっている。 帰るつもりもなく、目的もなく、ただ好奇心のままに彷徨う“無害で最強な天然令嬢”による、帝国大騒動ギャグ恋愛コメディ、ここに開幕!

処理中です...