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ー第五章ー
≪未練≫
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『あー、寒ぃ!寒ぃ!寒ぃ!』
『うるせーなぁ!2月なんだから寒いに決まってんだろ!改めて叫ぶな!』
『ちょっと、恭平ちゃーん。そこまで言わなくっても良いじゃないねぇ!だって寒いもんは寒いんだから。なぁ清彦?』
『あ?ああ…。』
『なんだよ、清彦。まだ落ち込んでんのかよ。いい加減、元気だせよ!フられた女の事なんか、さっさと忘れちまよ!』
『ああ、そうだな…。』
『ダメだ、こりゃ。重症だよ。おい、拓ぅ!また合コンでも開いて、別の女、紹介してやれよ。でなきゃ、こら治んねぇわ!』
『うーん…。そうだなぁ、それで元気になるんだったら良いけど、まだ無理な気がするな。』
『まだ無理って、もう1ヶ月以上経ったろ?どんだけ引きずんだよ!』
『そんだけ本気だったって事だよ。…そりゃまぁ、そうだろ。ただ単にフられた訳じゃないからな。満を時してのプロポーズを断わられたんだから…。』
ーーー。
『キーちゃん、私ね、正直言って今は、結婚考えられないんだ。』
『え?』
『だってまだ学生だし、社会人として、ちゃんと働きたいもん。』
『それは別に、俺は子供を作ろうって、何も専業主婦をやってくれって言ってる訳じゃないんだから!結婚してからだって優里のやりたい事やればいいさ。何も問題無いと思うけど?』
『違うの!そういうんじゃないの!ごめんね!私にとって結婚って、終わりなの!』
『終わりって…。』
『うーん、上手く言えないけど、私は、一応ちゃんと仕事を成功させたいの。一社会人でいる内は、独身で勝負したいの!だから今は、キーちゃんとは、結婚出来ません。』
『いやでも…!』
『キーちゃん。…たぶん、私達これで終わりだよね?キーちゃんが、このタイミングでプロポーズしてきたって事は、イコール限界って事だよね?』
『優里…。』
『んーん、良いんだ。覚悟してた事だから。キーちゃんは、結婚する事で私を色んな意味を込めて自由にしたかったんでしょ?我慢する事が減らせると思ったんでしょ?でも私は、今、結婚する事を徳とは考えられない。社会的には、不利になるとしか考えられないの。』
『優里、でも…。』
『んーん、分かった!もっとはっきり言ってあげる。私は、まだキーちゃんの性欲処理にはなれないの!』
『せ、性欲処理!?』
『キーちゃんの事は、もちろん好きだよ。もっと一緒に居たいよ。でも、私は、まだそれで良いの。その先は、まだ求めてないの。キーちゃんが今、私にそれを求めて来るんだったら私は、嫌だけど、さよならを告げるしかないよ。』
ーーー。
情けない事に反論は出来なかった。余りにも確信を突かれた返事にもはや動揺を飛び越え、開き直りの理解の頷きしか優里に向かって示す事が出来なかった。
あれから1ヶ月が経つ。優里とは一切の連絡が途絶えた。クリスマスも正月もケータイの中の優里をぼーっと見つめながら、股間を弄った。収まる事を知らない確信犯・下心は、もはや虚しさの何物でもない。
指輪は、まだ自分の部屋の良く目に入る棚の上に置いてある。明らかに、まだ好きとしか思えない優里に、明らさまな未練をスコールの様に自分に浴びせていた。
ーーーーー。
『ちょっと優里!嘘でしょ!?もう一回、言ってごらん!』
『だからぁ、キーちゃんにプロポーズされたけど断わったって。』
『もう何でよ!?何で断わる必要があるの!?結婚なんて本望じゃない!』
『だ、だってぇ…。』
『だってじゃない!もう信じらんない!今からでも遅くないから、直ちに清彦くんのとこ言って、やっぱり嘘ですって言って来なよ!』
『ごめんね、千夏。ありがと…。』
『優里…。』
『千夏、私ね、キーちゃんには凄い感謝してるよ。私に色んな事、教えてくれたもん。先ず人を好きになる事、好きな人と一緒に夜を過ごす事。そこにセックスが無くっても十分に私は、幸せを感じる事が出来た。それだけでも、キーちゃんと過ごした時間に後悔はしてない。でもね、私は、思うの。もし今、キーちゃんとセックスしちゃったらキーちゃんは、確実に私をダッチワイフとしか思わなくなる。』
『はー!?ちょっと、あんた何言って…。』
『んーん、絶対そう!別にキーちゃんをヤリチンだとは言わないけど、その壁を一回越えてしまったらもう、私に対する恋心なんて、一瞬にして消し飛んじゃうんだから。』
『優里ねぇ、あんた何にも分かってない!』
『えっ?』
『何が恋心よ!そんなもん消し飛んだって良いじゃない!その代わりに愛情で包まれるんだよ?恋が愛に変わるんだよ!ワンランク上に上がるんだよ!』
『違う!私は、性欲処理機にされるの!』
『もう!あんたバカじゃないの!?何が性欲処理機よ!だったら優里も清彦くんを逆に性欲処理機にしちゃえば良いじゃない!』
『わ、私にそんな事出来るわけないしょ!?だ、大体、性欲を処理したいなんて思った事がないんだから!千夏とは違うの!』
『何が違うのよ!何も違わないわよ!優里はまだ何も知らないからでしょ!優里だって一回セックスを覚えたら、どうせ止まらなくなるんだから!さっさとその下らない処女浪漫を捨てて来なさいよ!』
『何よ!何でそんな事言うのよ!千夏は、私の一番の理解者じゃなかったの!?千夏なら私の事もっと分かってくれ…。』
『もう、わかんない!』
『え!?』
『私は、もう優里がわかんないよ!ってか、面倒臭い!何?処女が何なの?ダッチワイフが何なの?所詮、人間だってアニマルなんだから、ヤってナンボなのよ!そんなもん生理現象よ!』
『千夏…。』
私って、もはや人間失格なんだね。千夏の言葉が胸に刺さり過ぎて出血が止まりません。こんな状態で卒業を、春を迎えて私、大丈夫?やっぱり、キーちゃんと終わりにしたのは間違ってたのかな…。これが後悔なのかな…。
季節は、まだ春が近そうで遠い2月の終わり。突き刺さる冷たい風。それを超える千夏の言葉。私は、お気に入りのファーの付いた白いコートで必要以上に身を守る。
でも、不思議なのは、身体中を駆け巡る千夏からの言葉は、ケータイの着信履歴に残るキーちゃんの画面を自然と開かせていた。
『今更、電話なんかしてどうなるの?やっぱり、やり直したいって言うの?私は、やっぱり、キーちゃんが好きなの?』
独り言…。他人からしたら、どんなに危ない女に見えるだろう。ケータイ開いてブツブツと…。何を迷ってるんだろう。キーちゃんの画面を開いてる時点で未練タラタラなんじゃん。
『きっと、キーちゃんだって同じだよ。』
私は、思い切って発信ボタンを押した。
(プルルルル。プルルルル。プルルルル…。)
こんなにも発信音が長いと感じる事は、なかった。それと比例して高まる鼓動。私には今、プルルルルとドキドキしか聞こえてないよ…。
『…も、もしもし!?』
で、出た!
『も、もしもし!?キーちゃん!?』
『優里!?どうしたの!?』
『うん、ゴメンね、突然…。今、大丈夫?』
『いや、全然、大丈夫だよ。』
『うん、もう、単刀直入に言うね。私、キーちゃ…!ウッ!』
『え!?何!?どうしたの!?優里!?』
『ンーッ!ンーッ!』
『優里!?優里!?』
(ガタンッ!)
『ンーッ!ンーッ!』
私は、突然、口を塞がれワンボックスカーの中に押し込まれた。そこで、目にした驚愕の光景に私は、たった今までキーちゃんと電話していた事なんて一瞬にして吹き飛んだ。
『ははは!久しぶりだな!優里!俺だよ!』
『さ、悟くん!?』
目の前に突然、現れたのは、3年前に別れた元彼。悟くんだった。ただ、明らかに、私が知ってる、あの頃の形相とは違くて、異常に興奮していた。
『こんな形で再会するのは、不本意だけど、もう仕方ねぇ!優里、お前が悪いんだからな!』
『え!?ちょ、ちょっとヤメて!イヤーッ!』
『わはははは!こんな高そうな白いコートなんか着やがって!お高くとまってんじゃねぇぞ!』
悟くんは、笑っていた。お気に入りだった白いコートのボタンを引きちぎり、嫌がる私を見ながら笑っていた。私は、無意識のうちに叫んでいた。
『キーちゃん!キーちゃん!』
『わはははは!わはははは!』
『…おーい!優里!?どうしたんだよ!優里!』
車の外で、突き刺さる冷たい風の中、落としたケータイから虚しく私を呼ぶ声だけが響いていた…。
『うるせーなぁ!2月なんだから寒いに決まってんだろ!改めて叫ぶな!』
『ちょっと、恭平ちゃーん。そこまで言わなくっても良いじゃないねぇ!だって寒いもんは寒いんだから。なぁ清彦?』
『あ?ああ…。』
『なんだよ、清彦。まだ落ち込んでんのかよ。いい加減、元気だせよ!フられた女の事なんか、さっさと忘れちまよ!』
『ああ、そうだな…。』
『ダメだ、こりゃ。重症だよ。おい、拓ぅ!また合コンでも開いて、別の女、紹介してやれよ。でなきゃ、こら治んねぇわ!』
『うーん…。そうだなぁ、それで元気になるんだったら良いけど、まだ無理な気がするな。』
『まだ無理って、もう1ヶ月以上経ったろ?どんだけ引きずんだよ!』
『そんだけ本気だったって事だよ。…そりゃまぁ、そうだろ。ただ単にフられた訳じゃないからな。満を時してのプロポーズを断わられたんだから…。』
ーーー。
『キーちゃん、私ね、正直言って今は、結婚考えられないんだ。』
『え?』
『だってまだ学生だし、社会人として、ちゃんと働きたいもん。』
『それは別に、俺は子供を作ろうって、何も専業主婦をやってくれって言ってる訳じゃないんだから!結婚してからだって優里のやりたい事やればいいさ。何も問題無いと思うけど?』
『違うの!そういうんじゃないの!ごめんね!私にとって結婚って、終わりなの!』
『終わりって…。』
『うーん、上手く言えないけど、私は、一応ちゃんと仕事を成功させたいの。一社会人でいる内は、独身で勝負したいの!だから今は、キーちゃんとは、結婚出来ません。』
『いやでも…!』
『キーちゃん。…たぶん、私達これで終わりだよね?キーちゃんが、このタイミングでプロポーズしてきたって事は、イコール限界って事だよね?』
『優里…。』
『んーん、良いんだ。覚悟してた事だから。キーちゃんは、結婚する事で私を色んな意味を込めて自由にしたかったんでしょ?我慢する事が減らせると思ったんでしょ?でも私は、今、結婚する事を徳とは考えられない。社会的には、不利になるとしか考えられないの。』
『優里、でも…。』
『んーん、分かった!もっとはっきり言ってあげる。私は、まだキーちゃんの性欲処理にはなれないの!』
『せ、性欲処理!?』
『キーちゃんの事は、もちろん好きだよ。もっと一緒に居たいよ。でも、私は、まだそれで良いの。その先は、まだ求めてないの。キーちゃんが今、私にそれを求めて来るんだったら私は、嫌だけど、さよならを告げるしかないよ。』
ーーー。
情けない事に反論は出来なかった。余りにも確信を突かれた返事にもはや動揺を飛び越え、開き直りの理解の頷きしか優里に向かって示す事が出来なかった。
あれから1ヶ月が経つ。優里とは一切の連絡が途絶えた。クリスマスも正月もケータイの中の優里をぼーっと見つめながら、股間を弄った。収まる事を知らない確信犯・下心は、もはや虚しさの何物でもない。
指輪は、まだ自分の部屋の良く目に入る棚の上に置いてある。明らかに、まだ好きとしか思えない優里に、明らさまな未練をスコールの様に自分に浴びせていた。
ーーーーー。
『ちょっと優里!嘘でしょ!?もう一回、言ってごらん!』
『だからぁ、キーちゃんにプロポーズされたけど断わったって。』
『もう何でよ!?何で断わる必要があるの!?結婚なんて本望じゃない!』
『だ、だってぇ…。』
『だってじゃない!もう信じらんない!今からでも遅くないから、直ちに清彦くんのとこ言って、やっぱり嘘ですって言って来なよ!』
『ごめんね、千夏。ありがと…。』
『優里…。』
『千夏、私ね、キーちゃんには凄い感謝してるよ。私に色んな事、教えてくれたもん。先ず人を好きになる事、好きな人と一緒に夜を過ごす事。そこにセックスが無くっても十分に私は、幸せを感じる事が出来た。それだけでも、キーちゃんと過ごした時間に後悔はしてない。でもね、私は、思うの。もし今、キーちゃんとセックスしちゃったらキーちゃんは、確実に私をダッチワイフとしか思わなくなる。』
『はー!?ちょっと、あんた何言って…。』
『んーん、絶対そう!別にキーちゃんをヤリチンだとは言わないけど、その壁を一回越えてしまったらもう、私に対する恋心なんて、一瞬にして消し飛んじゃうんだから。』
『優里ねぇ、あんた何にも分かってない!』
『えっ?』
『何が恋心よ!そんなもん消し飛んだって良いじゃない!その代わりに愛情で包まれるんだよ?恋が愛に変わるんだよ!ワンランク上に上がるんだよ!』
『違う!私は、性欲処理機にされるの!』
『もう!あんたバカじゃないの!?何が性欲処理機よ!だったら優里も清彦くんを逆に性欲処理機にしちゃえば良いじゃない!』
『わ、私にそんな事出来るわけないしょ!?だ、大体、性欲を処理したいなんて思った事がないんだから!千夏とは違うの!』
『何が違うのよ!何も違わないわよ!優里はまだ何も知らないからでしょ!優里だって一回セックスを覚えたら、どうせ止まらなくなるんだから!さっさとその下らない処女浪漫を捨てて来なさいよ!』
『何よ!何でそんな事言うのよ!千夏は、私の一番の理解者じゃなかったの!?千夏なら私の事もっと分かってくれ…。』
『もう、わかんない!』
『え!?』
『私は、もう優里がわかんないよ!ってか、面倒臭い!何?処女が何なの?ダッチワイフが何なの?所詮、人間だってアニマルなんだから、ヤってナンボなのよ!そんなもん生理現象よ!』
『千夏…。』
私って、もはや人間失格なんだね。千夏の言葉が胸に刺さり過ぎて出血が止まりません。こんな状態で卒業を、春を迎えて私、大丈夫?やっぱり、キーちゃんと終わりにしたのは間違ってたのかな…。これが後悔なのかな…。
季節は、まだ春が近そうで遠い2月の終わり。突き刺さる冷たい風。それを超える千夏の言葉。私は、お気に入りのファーの付いた白いコートで必要以上に身を守る。
でも、不思議なのは、身体中を駆け巡る千夏からの言葉は、ケータイの着信履歴に残るキーちゃんの画面を自然と開かせていた。
『今更、電話なんかしてどうなるの?やっぱり、やり直したいって言うの?私は、やっぱり、キーちゃんが好きなの?』
独り言…。他人からしたら、どんなに危ない女に見えるだろう。ケータイ開いてブツブツと…。何を迷ってるんだろう。キーちゃんの画面を開いてる時点で未練タラタラなんじゃん。
『きっと、キーちゃんだって同じだよ。』
私は、思い切って発信ボタンを押した。
(プルルルル。プルルルル。プルルルル…。)
こんなにも発信音が長いと感じる事は、なかった。それと比例して高まる鼓動。私には今、プルルルルとドキドキしか聞こえてないよ…。
『…も、もしもし!?』
で、出た!
『も、もしもし!?キーちゃん!?』
『優里!?どうしたの!?』
『うん、ゴメンね、突然…。今、大丈夫?』
『いや、全然、大丈夫だよ。』
『うん、もう、単刀直入に言うね。私、キーちゃ…!ウッ!』
『え!?何!?どうしたの!?優里!?』
『ンーッ!ンーッ!』
『優里!?優里!?』
(ガタンッ!)
『ンーッ!ンーッ!』
私は、突然、口を塞がれワンボックスカーの中に押し込まれた。そこで、目にした驚愕の光景に私は、たった今までキーちゃんと電話していた事なんて一瞬にして吹き飛んだ。
『ははは!久しぶりだな!優里!俺だよ!』
『さ、悟くん!?』
目の前に突然、現れたのは、3年前に別れた元彼。悟くんだった。ただ、明らかに、私が知ってる、あの頃の形相とは違くて、異常に興奮していた。
『こんな形で再会するのは、不本意だけど、もう仕方ねぇ!優里、お前が悪いんだからな!』
『え!?ちょ、ちょっとヤメて!イヤーッ!』
『わはははは!こんな高そうな白いコートなんか着やがって!お高くとまってんじゃねぇぞ!』
悟くんは、笑っていた。お気に入りだった白いコートのボタンを引きちぎり、嫌がる私を見ながら笑っていた。私は、無意識のうちに叫んでいた。
『キーちゃん!キーちゃん!』
『わはははは!わはははは!』
『…おーい!優里!?どうしたんだよ!優里!』
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