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第零譜
序章
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これは、古くから語り継がれる悲しき神話の残る世界の話。
その世界には主だった大陸が一つのみ存在し、その大陸には多種多様な生物が暮らしていた。その大陸の名は"レムリア”と云った。
大陸には大国が三つ存在し、各々がその風土に合った暮らしを育んでいた。
──カナン王国。
北西に位置し、大陸の中でも特に力を持ち魔力に優れた人種が多く、絶対的な権力を持った王に寄り治められている。
──デゼルト国。
砂漠の多い南に位置し魔力は少ないが知力と体力を兼ね揃えている人種が多く、資本主義国家である。
──リーウェン帝国。
最東に位置し、独特の文化を持ち皇帝を主としながらも民主主義を是とし、魔力を持たない人種が多い神秘国家とも呼ばれていた。
その三国が中心となり、時には小規模な反乱や内戦が起こりながらも平和な世界であった。
そう、七年前までは。
ある日、カナン王国の王はリーウェンの皇帝に皇女を妃にと望んだのだ。
皇女は齢十であり、王とは親子ほども歳が離れていた、何よりも彼女を妃に出す理由もなかったのだ。
それを拒んだ皇帝に対し、反逆だなどと王は声を荒げ戦争になったのだ。
軍事国家であるカナンに大国であり備えもあるとは云え、軍事力でカナンに勝るわけもなく、リーウェンは侵攻され、帝都は火の海に沈んだ。
それが五年前である。
その際に皇帝と皇妃は国と共に逝去と云う報せがあったが、皇子と皇女は行方をくらませてしまったと云う。
長きに渡る戦争にリーウェンは民を喪い、土地を喪い、そして彼らの純血である何よりの証である紅玉の眸の持ち主も消えてしまった皇子と皇女のみになった。
人々は疲弊し、やがてカナンへの憎悪からこの二つの種族の因縁が始まった。
──これは狂った愛の物語。
その世界には主だった大陸が一つのみ存在し、その大陸には多種多様な生物が暮らしていた。その大陸の名は"レムリア”と云った。
大陸には大国が三つ存在し、各々がその風土に合った暮らしを育んでいた。
──カナン王国。
北西に位置し、大陸の中でも特に力を持ち魔力に優れた人種が多く、絶対的な権力を持った王に寄り治められている。
──デゼルト国。
砂漠の多い南に位置し魔力は少ないが知力と体力を兼ね揃えている人種が多く、資本主義国家である。
──リーウェン帝国。
最東に位置し、独特の文化を持ち皇帝を主としながらも民主主義を是とし、魔力を持たない人種が多い神秘国家とも呼ばれていた。
その三国が中心となり、時には小規模な反乱や内戦が起こりながらも平和な世界であった。
そう、七年前までは。
ある日、カナン王国の王はリーウェンの皇帝に皇女を妃にと望んだのだ。
皇女は齢十であり、王とは親子ほども歳が離れていた、何よりも彼女を妃に出す理由もなかったのだ。
それを拒んだ皇帝に対し、反逆だなどと王は声を荒げ戦争になったのだ。
軍事国家であるカナンに大国であり備えもあるとは云え、軍事力でカナンに勝るわけもなく、リーウェンは侵攻され、帝都は火の海に沈んだ。
それが五年前である。
その際に皇帝と皇妃は国と共に逝去と云う報せがあったが、皇子と皇女は行方をくらませてしまったと云う。
長きに渡る戦争にリーウェンは民を喪い、土地を喪い、そして彼らの純血である何よりの証である紅玉の眸の持ち主も消えてしまった皇子と皇女のみになった。
人々は疲弊し、やがてカナンへの憎悪からこの二つの種族の因縁が始まった。
──これは狂った愛の物語。
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