花休み

紅花

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どんな人生を

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 少女と歩いていると、少女は急に歌いだした。
 静謐な声で、神秘さを含む声で。

愛さないでください
なくなるのが悲しいから
我慢してください
美徳の1つですから

期待しないでください
できなかったとき苦しいから
自分から謝りなさい
全て丸くおさまるから

見向きしないでください
じっと見つめられると辛いから
笑顔を浮かべなさい
愛想でどうにかなるから

生かそうとしないでください
生きることにつかれたから
悪役になりなさい
皆の幸せのために

私はなぜ生きるのでしょう
人類はなぜ絶滅しないのでしょう
私はなぜ生きようとするのでしょう
人類はなぜ生かそうとするのでしょう

生きるのは死ぬためであり
死ぬのは生きるためである
そう言ったあなたは
今はもう笑ってる

私が愛したあなたは
笑顔がすてきな人でした
私を愛したあなたは
全てを諦めた人でした
過度な期待で壊れて
虚像を見られた人でした

私はなぜ笑うのでしょう
人類はなぜ差別を行うのでしょう
私はなぜ痛いのでしょう
人類はなぜ人類を殺すのでしょう

痛いのは笑うためであり
笑うのは痛いためである
そう言ったあなたは
今日もまた嘲笑う

私を壊したあなたは
笑顔が醜い人でした
私を殺したあなたは
玩具が好きな人でした
愛を貰えるだけもらい
傷をつけ続ける人でした

皆とは誰ですか
お前以外の全人類
生きるって何ですか
人形になることだ
じゃあ、私の幸せは?
皆の幸せがお前の幸せだろう?
サヨウナラ
ワタシハニンギョウニナリハテマシタ

「その歌って」
「あら、ご存じですか?天狼さんの曲です」
 聞いたことがあった。
 友人が聞かせてきて、僕は嫌いだった。
「この曲、私と環境が似ているのです。ついつい、口ずさんでしまうんですよね」
「似てる?」
「はい。とっても」
 少女はそう言って呟いた。
「無理に笑わなくていいのです。痛いときは痛いと、嫌な時は嫌だと言えばいい。それを知らない子は、言えない子は世界で何人いるんでしょうね」
 諦めたかのように笑う少女。
 この子はどんな人生を送ってきたのだろう。
「さあ、先に進みましょう。早くしないと本当に大変なことになりますからね」
 少女は僕の背を押した。
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