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1 不夜城 グロリオサ
第四話 死者に捧げる食材
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一度きりの死霊術を施すに値する相手は、幸いなことに見つけ出すことが出来た。しかし、それは新しい問題の出現を意味していた。
肉体とは魂の牢獄であり、空腹とは肉体ではなく魂の欲求である。
グラジオラスとムスリカが遺したこれらの言葉を、私は冷や汗と共に思い出す。目の前の彼女は、どれ程甘く見積もっても400年分の空腹をその肉体に蓄えている。400年という言葉が引き出すイメージと、実際に引き起こされる現実の間の乖離がどれほどの物なのか、私にはもはや判断がつかない。
これほどの期間、放置された遺体に死霊術を施した事例は当然ながら皆無であり、ここまでの特殊事例を目にしてしまうと死霊術の1300年間の蓄積という物すら頼りなく思えてしまう。
私の常識は、これ以上ないほどに弱気になっている。400年という年月は、彼女から理性はおろか、記憶、知識、技術をも奪い去っているはずだ。私がこれからやろうとしていることは、英雄的な能力を持った死者の復活ではなく、人の形をした猛獣の解放であるとしか言いようがない。
仮に私がこの空間いっぱいの料理を用意したとしても、とても足りない。彼女に注ぐ血を増やすにしても、限度というものがある。ミイラ取りがミイラになってしまっては元も子もない。
そもそも、私は激しく抵抗するであろう彼女に追加の血を捧げられるのか?オリハルコンの弓を操り、一本の矢から400年溶けない氷山を生み出すような戦士に、私は勝てるのか?
「……」
しかし、出来ない理由をまくしたてる私の傍らには、無理筋とも思える楽観論を並べ立てる私がいた。曰く、彼女はふくよかであっただの、光栄あるグロリオサの戦士は、空腹など物ともしないだの、美人は空腹にならないだの……それらの殆どは鼻で笑えてしまうような空理空論ばかりであった。ただ、そんな箸にも棒にもかからないような暴論の中に一つ、妙に私の気を引き付ける物があった。
曰く、彼女は覚悟のうえで、その身を氷に封じ込めたのだというのである。
400年の空腹に耐える覚悟が彼女に合ったのかはさておき、尋常ならざる空腹に苛まれることを覚悟のうえで、彼女は自身を氷の中に封じ込め、再起の時を待ったたという推測は、的を得ていると言える。その行動がどんな地獄を引き起こすのか、彼女が知らないはずがない。
死霊術と共に「死」という概念の探求が進んだ現代において、即座の復活が保証されている場合を除いて、自分の遺体を長くこの世に留めようと思う者は存在しない。死霊術による復活が望めない者達は皆、自身の遺体を一刻も早く焼却し、立ち昇る煤煙と共に肉体から魂を解放させることを望む。例え転生した先で獣としての生涯を送ることとなったとしても、五感全てを奪われた真っ暗闇の中でただひたすら飢餓に苦しむよりは遥かにマシだからである。
火葬は皆が憧れる葬送であり、魂が空腹を覚える前に遺体を灰へと変える腕の良い葬儀屋は、国政にも介入できるほどの権力を享受する。宮仕えを夢見る者達は己の体を灰とするために寝食を忘れて勉学に励み、宮仕えが敵わぬ者達は己の体が土の中に葬られる日を震えて待たねばならなかった。
ミイラは誰もが恐れる葬送と化し、ミイラとして葬られることを告げられた罪人がその場で絶命したという逸話は枚挙にいとまはない。皇帝の火葬の際、迂闊にも火加減を誤り火葬台に焼骨を遺した葬儀屋は、その場で首をはねられた上で体に防腐の施術を施され、地下深くに封じ込まれた。
遺体をこの世に残すことが、魂にとっての自殺行為である。このことは、現代においては万人が知る常識である。そしてこの通念は、グロリオサがあった400年前においても普遍的に共有されていた。
地下水路の最深部という、およそ人の往来など考えられないような場所で、自らを氷の中に閉じ込めるという行為が、どれ程の苦痛をもたらすことになるかを彼女が知らなかったとは考えられないのである。しかし、年単位の飢餓に苦しむことを理解したうえでなお、自らを氷に封じ込めたのだとしたら、その覚悟の源は一体何だというのだろうか。
「……」
彼女を復活させる、させないという議論はいつの間にか終わりを迎えていた。後に残ったのは淡い知的好奇心である。400年前の遺体に死霊術を施すという、前人未到の領域に足を踏み入れようとする興奮。一人の人間を地獄へと突き動かした、狂気とも思える覚悟への興味。遠くない未来に自分が直面することになる、生涯忘れられないであろう死闘への、震えんばかりの恐怖。
こののぼせ上るような熱狂によって、脳髄が溶けていく唯一無二の感覚を私は噛み締めた。この感情の昂りは、もう二度と私の元へ訪れないだろう。
飢餓地獄から彼女の理性を救い出す方法が皆無かというと、そうとも言い切れない。400年前の死者を復活させた例は存在しないが、似たような事例であれば多くの先例がある。夫に二度目の生を授けたサフランの著書『美食録』などは、その代表例だろう。
彼女は夫に死霊術を施すにあたり、10年分の料理を用意していた。友人に食い殺されたムスリカの事例に学んだ彼女であったが、そんな彼女の努力は残念ながら報われなかった。
彼女の血によって二度目の生を授かった夫は、サフランが心を込めて用意した料理を食べきる前に理性を取り戻してしまったのである。10年分の飢餓に苛まれていたはずのサフランの夫であったが、彼はたった1か月分の食事をとっただけで理性を取り戻し、しかもそこから4時間の間、彼は空腹を忘れてしまっていたのである。不死者に満腹の時間が訪れることを全く想定していなかったために、彼女の料理の大部分は途中で腐ってしまったのである。
この事例からわかるように、私は今すぐに400年分の食事を用意する必要はない。一定量を食べれば、不死者は暫くの間空腹を忘れてくれるのである。彼女にとっての一定量とは、どれ程のものであるかという問題はまだ残っているが、とにもかくにも希望はある。
後は簡単だ。探索の拠点と強力な魔術師の遺体を見つけた私は、それから不夜城のあらゆる場所を駆けまわり、目の前のあらゆる食料を集めていった。いったいどれほどの時間を食料集めに費やしたかは解らない。夜が訪れないこの不夜城にいると、時間間隔が簡単に失われてしまう。ただ、日にちを忘れてしまうだけの成果は得られたと私は考えている。
「……なかなかに、おいしそうです」
目の前に山と積まれた食料をみていると、口の中から唾液があふれ出しそうである。そもそもは貯水槽として設計されたであろうこの広大な空間は、色とりどりの食材に占拠されていた。
その巨体ゆえに強い存在感を持つ『レッドサラマンダー』や『スミイロオオトカゲ』。陛下に献上する食材に選ばれるほどの美味を持つ『ツンドラオオウナギ』に『赤馬』。食材にするもよし、調理器具の代替とするもよしという、高い万能性を持つ『鋼牛』。滋養強壮として高い人気を持つ『火箭蛇』。肝臓の味は折り紙付きの『ヒョウガサンショウウオ』に北方地域の郷土料理を形作る『ブリザードピラニア』や『アイスフィッシュ』。キャラバンの携帯食と名高い『イナリ』の実や、栽培できない地域はないとまで言われる『コウテイイモ』、乾燥地帯の住人にとっては唯一といっても良い青果物である『ヒョウロウサボテン』に湿った暗がりを好む『ユウレイニンジン』などなど……。
不夜城が広大といえども、所詮は人が作り上げた領域。こんな狭い地域で、ここまで正反対の食材を得られるのも珍しい。山と積まれた食材は、その色どりだけでも心が満たされる程に瑞々しく、これらを食べればどれだけおいしいのだろうと考えると、食欲が刺激される。この食材を調理できる機会に恵まれたことに、感謝する以外にない。
「さて……」
豊穣の証とも思えるこの珍味たちを前に、私は背嚢から自身の包丁を手に取り、死者に捧げる料理の献立を考えていく。この広大な地下空間に所狭しと並べられる料理達の漠然とした姿を脳裏に思い浮かべた私は、目の前の不死者へ手向ける400年分の料理達をイメージという名の屏風からすくい出していったのだった。
肉体とは魂の牢獄であり、空腹とは肉体ではなく魂の欲求である。
グラジオラスとムスリカが遺したこれらの言葉を、私は冷や汗と共に思い出す。目の前の彼女は、どれ程甘く見積もっても400年分の空腹をその肉体に蓄えている。400年という言葉が引き出すイメージと、実際に引き起こされる現実の間の乖離がどれほどの物なのか、私にはもはや判断がつかない。
これほどの期間、放置された遺体に死霊術を施した事例は当然ながら皆無であり、ここまでの特殊事例を目にしてしまうと死霊術の1300年間の蓄積という物すら頼りなく思えてしまう。
私の常識は、これ以上ないほどに弱気になっている。400年という年月は、彼女から理性はおろか、記憶、知識、技術をも奪い去っているはずだ。私がこれからやろうとしていることは、英雄的な能力を持った死者の復活ではなく、人の形をした猛獣の解放であるとしか言いようがない。
仮に私がこの空間いっぱいの料理を用意したとしても、とても足りない。彼女に注ぐ血を増やすにしても、限度というものがある。ミイラ取りがミイラになってしまっては元も子もない。
そもそも、私は激しく抵抗するであろう彼女に追加の血を捧げられるのか?オリハルコンの弓を操り、一本の矢から400年溶けない氷山を生み出すような戦士に、私は勝てるのか?
「……」
しかし、出来ない理由をまくしたてる私の傍らには、無理筋とも思える楽観論を並べ立てる私がいた。曰く、彼女はふくよかであっただの、光栄あるグロリオサの戦士は、空腹など物ともしないだの、美人は空腹にならないだの……それらの殆どは鼻で笑えてしまうような空理空論ばかりであった。ただ、そんな箸にも棒にもかからないような暴論の中に一つ、妙に私の気を引き付ける物があった。
曰く、彼女は覚悟のうえで、その身を氷に封じ込めたのだというのである。
400年の空腹に耐える覚悟が彼女に合ったのかはさておき、尋常ならざる空腹に苛まれることを覚悟のうえで、彼女は自身を氷の中に封じ込め、再起の時を待ったたという推測は、的を得ていると言える。その行動がどんな地獄を引き起こすのか、彼女が知らないはずがない。
死霊術と共に「死」という概念の探求が進んだ現代において、即座の復活が保証されている場合を除いて、自分の遺体を長くこの世に留めようと思う者は存在しない。死霊術による復活が望めない者達は皆、自身の遺体を一刻も早く焼却し、立ち昇る煤煙と共に肉体から魂を解放させることを望む。例え転生した先で獣としての生涯を送ることとなったとしても、五感全てを奪われた真っ暗闇の中でただひたすら飢餓に苦しむよりは遥かにマシだからである。
火葬は皆が憧れる葬送であり、魂が空腹を覚える前に遺体を灰へと変える腕の良い葬儀屋は、国政にも介入できるほどの権力を享受する。宮仕えを夢見る者達は己の体を灰とするために寝食を忘れて勉学に励み、宮仕えが敵わぬ者達は己の体が土の中に葬られる日を震えて待たねばならなかった。
ミイラは誰もが恐れる葬送と化し、ミイラとして葬られることを告げられた罪人がその場で絶命したという逸話は枚挙にいとまはない。皇帝の火葬の際、迂闊にも火加減を誤り火葬台に焼骨を遺した葬儀屋は、その場で首をはねられた上で体に防腐の施術を施され、地下深くに封じ込まれた。
遺体をこの世に残すことが、魂にとっての自殺行為である。このことは、現代においては万人が知る常識である。そしてこの通念は、グロリオサがあった400年前においても普遍的に共有されていた。
地下水路の最深部という、およそ人の往来など考えられないような場所で、自らを氷の中に閉じ込めるという行為が、どれ程の苦痛をもたらすことになるかを彼女が知らなかったとは考えられないのである。しかし、年単位の飢餓に苦しむことを理解したうえでなお、自らを氷に封じ込めたのだとしたら、その覚悟の源は一体何だというのだろうか。
「……」
彼女を復活させる、させないという議論はいつの間にか終わりを迎えていた。後に残ったのは淡い知的好奇心である。400年前の遺体に死霊術を施すという、前人未到の領域に足を踏み入れようとする興奮。一人の人間を地獄へと突き動かした、狂気とも思える覚悟への興味。遠くない未来に自分が直面することになる、生涯忘れられないであろう死闘への、震えんばかりの恐怖。
こののぼせ上るような熱狂によって、脳髄が溶けていく唯一無二の感覚を私は噛み締めた。この感情の昂りは、もう二度と私の元へ訪れないだろう。
飢餓地獄から彼女の理性を救い出す方法が皆無かというと、そうとも言い切れない。400年前の死者を復活させた例は存在しないが、似たような事例であれば多くの先例がある。夫に二度目の生を授けたサフランの著書『美食録』などは、その代表例だろう。
彼女は夫に死霊術を施すにあたり、10年分の料理を用意していた。友人に食い殺されたムスリカの事例に学んだ彼女であったが、そんな彼女の努力は残念ながら報われなかった。
彼女の血によって二度目の生を授かった夫は、サフランが心を込めて用意した料理を食べきる前に理性を取り戻してしまったのである。10年分の飢餓に苛まれていたはずのサフランの夫であったが、彼はたった1か月分の食事をとっただけで理性を取り戻し、しかもそこから4時間の間、彼は空腹を忘れてしまっていたのである。不死者に満腹の時間が訪れることを全く想定していなかったために、彼女の料理の大部分は途中で腐ってしまったのである。
この事例からわかるように、私は今すぐに400年分の食事を用意する必要はない。一定量を食べれば、不死者は暫くの間空腹を忘れてくれるのである。彼女にとっての一定量とは、どれ程のものであるかという問題はまだ残っているが、とにもかくにも希望はある。
後は簡単だ。探索の拠点と強力な魔術師の遺体を見つけた私は、それから不夜城のあらゆる場所を駆けまわり、目の前のあらゆる食料を集めていった。いったいどれほどの時間を食料集めに費やしたかは解らない。夜が訪れないこの不夜城にいると、時間間隔が簡単に失われてしまう。ただ、日にちを忘れてしまうだけの成果は得られたと私は考えている。
「……なかなかに、おいしそうです」
目の前に山と積まれた食料をみていると、口の中から唾液があふれ出しそうである。そもそもは貯水槽として設計されたであろうこの広大な空間は、色とりどりの食材に占拠されていた。
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不夜城が広大といえども、所詮は人が作り上げた領域。こんな狭い地域で、ここまで正反対の食材を得られるのも珍しい。山と積まれた食材は、その色どりだけでも心が満たされる程に瑞々しく、これらを食べればどれだけおいしいのだろうと考えると、食欲が刺激される。この食材を調理できる機会に恵まれたことに、感謝する以外にない。
「さて……」
豊穣の証とも思えるこの珍味たちを前に、私は背嚢から自身の包丁を手に取り、死者に捧げる料理の献立を考えていく。この広大な地下空間に所狭しと並べられる料理達の漠然とした姿を脳裏に思い浮かべた私は、目の前の不死者へ手向ける400年分の料理達をイメージという名の屏風からすくい出していったのだった。
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