ダンジョンコアの始まり

Teruru52

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早朝から護衛の人達が起き出して出発の準備をしている音に目が覚めた。
この世界へ来たころから気になってたんだけど、なんで僕は食事は必要ないのに睡眠は必要なんだろう?

考えても仕方がないのでまだ寝ているシルビアを起こさないようにテントから出る。

「シロ、もう起きたのかい?」

シルビアのお父さんはポワールさんという名前らしい。護衛の人がそう呼んでいるから間違いないだろう。
ポワールさんもとてもいい人みたいで、僕を優しく撫でてくれた。

「それにしてもまだ子犬なのによく森で生き延びれたね、シロは運がいいのかもしれない。」

そういうとポワールさんは僕を撫でるのをやめて、護衛の人達と一緒に出発の支度にとりかかる。
僕はすることもないので、みんなから少し離れたところで無属性魔法を試してみることにした。

18人全員が持っていたのかはわからないけど、結構倒したから一気にレベルが2になっている。
でも所詮2だからとんでもないことにはならないだろう。
INTとMPが結構上がって来たので、魔力を込めすぎないようにして手頃な場所に生えている気に向かって魔法を放つ。

すると魔力の塊が僕から出て木にドンッと音を立てて打つかって消える。

「なるほど、純粋な魔力を扱う魔法ってそのまんまだな。」

もう一度、さっきよりも同じ量の魔力を圧縮して、矢のようにして打つイメージを持って放つと、魔力の塊が矢の形になって飛んで、木に少しだけ突き刺さってしばらくすると消える。

「あんまり派手じゃないけど、レベルが上がって行ったらいろいろできることも増えるかな?」

とりあえず当面はもっとレベルの高い魔法を戦闘では使うことにしよう。
今まで倒して来た魔物から無属性魔法を得ることはできなかったから、そう簡単にはレベルも上がらないだろうしね。


「シロー!どこにいるのー?」

シルビアの呼ぶ声が聞こえて来たので戻ると、起き出して来たようで僕を探していた。
足元まで駆けていくとシルビアが嬉しそうに僕を抱え上げる。

「どこに行ってたの?あんまり離れたら危ないよ?」
「ワンッ!」
「さぁ一緒に朝ごはんを食べようね。」

焚き火の側へ行くと、ポワールさんがシルビアに朝食のパンとソーセージを渡す。
昨日の夜と同じようにシルビアは僕に器に入ったミルクをくれる。

「ほらシロ、朝ごはんだよ。」
「シロ、お前は肉はもう食べるのかい?」

ポワールさんは僕に干し肉を千切ってくれた。

「ワンワンッ!」
「すごい、シロはお肉ももう食べれたのね。」

本当は何も食べなくてもいいんだけど、気分転換にはなるし、味はわからないけど干し肉を食べる。
食べるとは言っても飲み込んだ後に消化吸収してるだけなんだけど。

「旦那様、そろそろ森を抜けて、今日の昼過ぎには街へ戻れるはずです。」
「そうか、今回の旅はいろいろあったし、早く戻ってゆっくり休みたいな。食事が終わり次第出発しよう。」
「わかりました。」

今日には街に着くのか!ずっと森での生活だったから、なんだか楽しみだなぁ。
それからしばらくして準備が整うと、馬車で街へ向かって出発した。

街道にはあまり魔物は出ないのか、それからは森を抜けるまで一度も魔物に遭遇することなく順調に移動は進んだ。

「シロ、お家に帰ったらいっぱい遊ぼうね!街にはいろんな面白いものがあるんだよ!」
「ワンッ!」
「そういえばシロは私たちが話しかけるときにいつも吠えて返事をするなぁ、相当賢いみたいだ。」

たわいもない会話をしながら(僕は吠えてるだけだけど)そのまま進み続けると、馬の行者さんが声をかけてきた。

「旦那様、街が見えて来ましたよ。」

窓から外を覗くと、外壁に囲まれた大きな街が見えた。
アハヴァー様が弱い僕を送ってくれた森だけに、近くに大きな街なんてないと思ってたからけっこう以外だな。
といっても森自体が相当大きかったからそんなに近くにあるわけでもなかったか。

しばらくすると外壁の門にたどり着いて、そこに立っていた衛兵に止められる。

「身分証明証を。」

行者の人が何かカードのような物を見せると、衛兵の人はそれを確認してから返す。

「ポワールさんでしたか。久しぶりの家族の旅はどうでしたか?」
「行きは良かったんだけどね、帰りに盗賊に襲われて大変だったよ。」
「本当ですか!?無事で何よりです。どうぞお通りください。」

短い会話をポワールさんが交わすと、馬車は街へと入って行った。

街にはたくさんの人がいて、みんな思い思いの場所へと歩いている。
いろんなお店が立ち並んでいる場所を通り過ぎると、今度は住宅街へと入って行く。
しばらくすると、他の家よりは大きくて、もう少し離れたところに立ち並んでいる大きな屋敷よりは少し小さい屋敷の前で馬車は止まった。

「シロ着いたよ、ここがあなたの新しいお家だよ!」

シルビアはそういうと、僕をまた抱きかかえて門をくぐって屋敷の中へ入って行った。
屋敷の入り口には執事らしき人とメイドさん2人が待ってくれていて、僕たちを中へ入れてくれる。

執事さんとポワールさんの話を聞いてみると、ポワールさんは商人をしているみたいだ。

「お父さん、シロは私の部屋で寝てもいい?」
「あぁいいよ、シロも毛は綺麗だけど森にいたし、一緒にお風呂に入っておいで。」
「わかった!シロ、今から綺麗にしてあげるからね。」

そういうとシルビアは僕をお風呂に連れて行ってくれて、体をしっかり洗ってくれた。
本当は体に汚れがついても吸収して綺麗にできるし、汚れてなかったんだけど、お風呂はすごく温かくて、シルビアが体を洗ってくれると気持ちがよかった。
ずっと1人でいたから、こうやって誰かと一緒に時間を過ごせるのはすごく嬉しい。

お風呂から上がると夕食を大きな部屋で食べたけど、シルビアのお母さんはいなかった。
部屋を見回すと絵画が立て掛けれらていて、そこにはポワールさん、シルビアと一緒に1人の綺麗な女の人が描かれていた。

恐らくシルビアのお母さんはもう生きていないんだろう。
こんなに小さいのに、寂しい思いをしてきたんじゃないかな。
シルビアがそんな思いをしないで済むように、僕が側にいてあげたいなと強く思った。
ずっとこの街にいられるかはわからないけど、ここにいるまでは僕が彼女の支えになろうと決意した。

食事が終わった後は僕はシルビアの部屋でしばらく一緒に遊んだ。
上手く人のいる街へ入ることができて済む場所も見つかった。
これからアハーヴァ様から与えられた使命をどう果たすことができるか、眠くなるまでシルビアに抱きしめられながら僕は考え続けた。

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みんなの感想(1件)

ハタ
2017.12.25 ハタ

面白いです!!!!!!!
定期的にでもいいので更新してくれるとありがたいです!!!!

解除

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