5 / 52
蝉の声が止んだ時
第5話
しおりを挟む
お別れの日。
夕立。
僕らはボロ小屋へ駆け込んだ。
濡れちゃった。
おもむろにあきは、Tシャツを脱いだ。
「はるちゃん、わたしのからだ、変じゃないかな?」
やかましかった蝉の声は消え、雨音に変わっていた。
直視出来る筈もない。
まだ15時前、夕方みたいに薄暗い。
「もう、ちゃんと見て!恥ずかしいし、寒いよ。」
ほっぺを膨らませた。
「ごめん、無理だよ。女子のからだなんて見たことないし、それに暗くて…」
しどろもどろする僕の首をグイッと、瞬間、雷鳴、稲光。
見た。
それは、きれいな白い肌。
彼女が何を気にしてるのかわからなかったけど、ただ、ただ、きれいに白く光っていた。
あきは目を伏せていた。
その白い頬を赤くして。
すぐに目をそらし「なんともない。なんともあっても、なんともない」
僕も体操着を脱ぎ、今度は彼女の首をグイッ。
ほら見て。
僕ら、変わらない。
まだ僕ら、そんなに変わらなかった。
それから服も濡れてるし、すぐに服を着せちゃダメな気がした。
何より寒いだろう、本能的に彼女を抱きしめた。
彼女はひんやり冷たかった。
「あったかい、はるちゃん、あったかいね」
その言葉にふたり我に返って離れて、冷たい服を着た。
嘘みたいに晴れた。
また蝉が鳴き出した。
僕らなんだか手を繋いで、それでも顔を見れず、黙って雑木林の入口まで。
サヨナラも言わず別れた。
明日のお別れも、来年の約束も出来ず。
「きれいだよ」の一言も、伝えられないまま。
それから僕らが会う事はなかった。
春と秋が混じり合った短い夏は、終わってしまった。
夕立。
僕らはボロ小屋へ駆け込んだ。
濡れちゃった。
おもむろにあきは、Tシャツを脱いだ。
「はるちゃん、わたしのからだ、変じゃないかな?」
やかましかった蝉の声は消え、雨音に変わっていた。
直視出来る筈もない。
まだ15時前、夕方みたいに薄暗い。
「もう、ちゃんと見て!恥ずかしいし、寒いよ。」
ほっぺを膨らませた。
「ごめん、無理だよ。女子のからだなんて見たことないし、それに暗くて…」
しどろもどろする僕の首をグイッと、瞬間、雷鳴、稲光。
見た。
それは、きれいな白い肌。
彼女が何を気にしてるのかわからなかったけど、ただ、ただ、きれいに白く光っていた。
あきは目を伏せていた。
その白い頬を赤くして。
すぐに目をそらし「なんともない。なんともあっても、なんともない」
僕も体操着を脱ぎ、今度は彼女の首をグイッ。
ほら見て。
僕ら、変わらない。
まだ僕ら、そんなに変わらなかった。
それから服も濡れてるし、すぐに服を着せちゃダメな気がした。
何より寒いだろう、本能的に彼女を抱きしめた。
彼女はひんやり冷たかった。
「あったかい、はるちゃん、あったかいね」
その言葉にふたり我に返って離れて、冷たい服を着た。
嘘みたいに晴れた。
また蝉が鳴き出した。
僕らなんだか手を繋いで、それでも顔を見れず、黙って雑木林の入口まで。
サヨナラも言わず別れた。
明日のお別れも、来年の約束も出来ず。
「きれいだよ」の一言も、伝えられないまま。
それから僕らが会う事はなかった。
春と秋が混じり合った短い夏は、終わってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる