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亀甲石
第9話
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巨岩はごろごろ転がって、あっと言う間に見えなくなった。
しかし遙か下の方からまだ転がってる音がする。
110番。
電波がない。
酔いも醒め、車に乗り込み林道を下る。
電波が通じる場所まで下りた頃には亀甲石は国道に達し、ガードレールで跳ね返って下り坂を転がっていた。
幸い家屋に損壊はなかったが、通行中の車をくまなく破壊した。
ぐんぐん加速し時速100キロを超える速度。
どちらに向かう車も避け様がなかった。
通報するといたずらと一蹴された。
なにかで亀甲石が転げ落ちたのは間違いない。
しかし人が動かせる重さではない。
ましてや手足が出て、歩いて落ちた、なんて。
誰も信じるわけがない。
皮肉にも交通の便の為、また、災害時の避難経路ともなるはずの真っ直ぐで道幅の広い、平滑な舗装路が災害を助長してしまっていた。
亀甲石が転がった方向は道路がめちゃくちゃだったから、反対方向の自分の村へと車を走らせ、最初の飲食店へ。
僕はテレビを持っていないから。
テレビではその様子を実況していた。
ヘリが飛び、空中から。
国道上はまるで地獄絵図だった。
救急車も入れず、ヘリがひしめいて着陸出来る場所を探している。
ああ、僕はなんて事をしてしまったんだ。
カメラが転がる亀甲石を捉えた時、その速度は200キロを超え県境に達するところだった。
あそこは坂が緩くなるし、その先の上りで止まる。
誰もがそう思っていた。
しかしガードレールの切れ目、亀甲石は左に弾けてもっと低い方へ転がり出した。
川へ。
まずい、川はずっと下る。
店内はざわめいた。
あの時一瞬右足が出て、右側のガードレールを蹴った。
僕だけ確かに見ていた。
しかし遙か下の方からまだ転がってる音がする。
110番。
電波がない。
酔いも醒め、車に乗り込み林道を下る。
電波が通じる場所まで下りた頃には亀甲石は国道に達し、ガードレールで跳ね返って下り坂を転がっていた。
幸い家屋に損壊はなかったが、通行中の車をくまなく破壊した。
ぐんぐん加速し時速100キロを超える速度。
どちらに向かう車も避け様がなかった。
通報するといたずらと一蹴された。
なにかで亀甲石が転げ落ちたのは間違いない。
しかし人が動かせる重さではない。
ましてや手足が出て、歩いて落ちた、なんて。
誰も信じるわけがない。
皮肉にも交通の便の為、また、災害時の避難経路ともなるはずの真っ直ぐで道幅の広い、平滑な舗装路が災害を助長してしまっていた。
亀甲石が転がった方向は道路がめちゃくちゃだったから、反対方向の自分の村へと車を走らせ、最初の飲食店へ。
僕はテレビを持っていないから。
テレビではその様子を実況していた。
ヘリが飛び、空中から。
国道上はまるで地獄絵図だった。
救急車も入れず、ヘリがひしめいて着陸出来る場所を探している。
ああ、僕はなんて事をしてしまったんだ。
カメラが転がる亀甲石を捉えた時、その速度は200キロを超え県境に達するところだった。
あそこは坂が緩くなるし、その先の上りで止まる。
誰もがそう思っていた。
しかしガードレールの切れ目、亀甲石は左に弾けてもっと低い方へ転がり出した。
川へ。
まずい、川はずっと下る。
店内はざわめいた。
あの時一瞬右足が出て、右側のガードレールを蹴った。
僕だけ確かに見ていた。
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