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底なし
brighten the corner!
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みんななんでわからないんだろう。
いっつも教室の隅っこに居て、ボーっと外の景色を眺めてる。
勉強も運動も出来なくて、あ、ごめんね、僕より出来る方が少ないのだけど、でも、彼に絵を描かせてごらん。彼女に歌を歌わせてごらん。
感受性。
もし彼や彼女がそれを自ら閉ざしてしまうなら。それは僕のせいだ。言わなかったから。
僕はいいよ。
だけど、正直自惚れていた。
貧乏隠しの嘘。
僕がなんでも出来る人気者であれば、担保になったんだ。
僕は成績良くて運動出来て面白い僕じゃなきゃならなかった。
けれども彼や彼女たちは逆だった。
彼や彼女たちは、暗くて成績悪くて運動音痴だから、隠さなきゃならなかった。
先生、友達、みんなどうかしてる。
なんであんな宝石に目もくれないんだ?
僕は取って付けたんだ。
勉強、運動、人気は取って付けられるんだ。
ずっと不自然に、笑ってさ。
彼や彼女たちは自然だ。
そのうち続かない。
だから照らすんだ。
そしたら僕の化けの皮なんて、すぐに剥がれるよ。
それにきっと彼や彼女たちの家は僕ん家みたいに貧乏じゃない。
僕は偽物だから、彼や彼女たちみたいにちゃんとした自分が眩しいし、それを守りたい。
けれど、ごめんよ、自分がかわいいんだ。
居心地が良いんだ。
教室の四隅を進んでブラインドする軽口で、クラスを笑わせるんだ。
その時の彼や彼女たちは、屈託無く笑ってる。
ああ、ガサツなひとに、なりたいな。
いっつも教室の隅っこに居て、ボーっと外の景色を眺めてる。
勉強も運動も出来なくて、あ、ごめんね、僕より出来る方が少ないのだけど、でも、彼に絵を描かせてごらん。彼女に歌を歌わせてごらん。
感受性。
もし彼や彼女がそれを自ら閉ざしてしまうなら。それは僕のせいだ。言わなかったから。
僕はいいよ。
だけど、正直自惚れていた。
貧乏隠しの嘘。
僕がなんでも出来る人気者であれば、担保になったんだ。
僕は成績良くて運動出来て面白い僕じゃなきゃならなかった。
けれども彼や彼女たちは逆だった。
彼や彼女たちは、暗くて成績悪くて運動音痴だから、隠さなきゃならなかった。
先生、友達、みんなどうかしてる。
なんであんな宝石に目もくれないんだ?
僕は取って付けたんだ。
勉強、運動、人気は取って付けられるんだ。
ずっと不自然に、笑ってさ。
彼や彼女たちは自然だ。
そのうち続かない。
だから照らすんだ。
そしたら僕の化けの皮なんて、すぐに剥がれるよ。
それにきっと彼や彼女たちの家は僕ん家みたいに貧乏じゃない。
僕は偽物だから、彼や彼女たちみたいにちゃんとした自分が眩しいし、それを守りたい。
けれど、ごめんよ、自分がかわいいんだ。
居心地が良いんだ。
教室の四隅を進んでブラインドする軽口で、クラスを笑わせるんだ。
その時の彼や彼女たちは、屈託無く笑ってる。
ああ、ガサツなひとに、なりたいな。
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