悪役令嬢になんてさせません。

タツミ

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新生児

私の娘ースチューデント子爵視点

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私とエミリアは幼馴染であるもともあり、貴族の中で珍しい恋愛結婚であった。
エミリアは社交界の花といわれるほど美しく聡明な女性で、凡庸な私には勿体ないほどの存在だった。彼女は伯爵との婚約の話を蹴り、両親を説得してまで私との結婚を了承してくれたとき、私は一生妻だけを愛すると神に誓った。領地の経営も順調で王や宰相とも学友でもあった私は、ふとしたきっかけで王都の重要な役職に就くことができ、人に妬まれてもおかしくないほど幸せな毎日を送っていた
私は領地の運用を代理に任せ、王都の仕事に集中することを検討していたとき、エミリアの懐妊を知らされた。それを聞かされた時、私は天にもあがらんばかりに喜んだ。早速王都に屋敷を構えようとしたとき、エミリアからストップがかかった。
何故と問う私にエミリアは有無も言わさぬ態度だった
エミリアと離れるという選択肢がない私は、最小限度の日数だけ王都に上がることにした
本来役職をもつ以上王都を離れるのは許されぬ行為なのだが、私たちの性格を熟知していた宰相は元々その予定での采配だったらしく、むしろ私が王都に屋敷を構えようとしていたことに驚かれ爆笑された。
こうして、王都と領地を跨ぐ生活をしていた私だが、妻が懐妊にしたからといって日程をずらすことは流石にできず、エミリアと離れている間は気が気ではなかった
長女の出産は王都で聞いた
転がる勢いで王と宰相に報告し、すぐに屋敷に戻った私が見たものは相変わらず美しいエミリアと天使だった
よく子供のことを天使と例えるが、私はその子を見たとき本物の天使ではないかと疑った
初めて抱こうとした瞬間、激しく泣かれてしまったときは激しく落ち込んでしまったが、翌日には笑顔を見せてくれた時には、あまりの嬉しさに涙が出てしまった
しかしこの子が生まれたことで、よく思わないものもいることも確かで、全力でこの子をまもる体制をすぐに整えた。シルビィアと名付けたその子と妻が健やかに生活が出来ること。私の思いはそれだけだった
だが、私が王都に出向いたときに事件は起こってしまった
シルの部屋を何者かが荒らしたというのだ。しかも、屋敷のものは全く気が付かなったという。
どうやって侵入したのか、何が目的なのか一切不明。
その中でも一番驚愕したのはシルが泣かなかったということだ
普段のシルは必要な時しか泣かない赤子で、周りが心配してしまうほどだった
ただ初見のものには泣く癖のようなものがあったが、すぐに泣き止むので誰しも人見知りが激しいのだろうと認識をしていた。それが違うのだとわかったのはシルが4か月を過ぎたころだった
シルが突然泣き始めたのは夜も深まったころだった。
赤子が泣くのは普通のことなので不思議なことではない。ただ珍しいと誰もが思った
だが、1時間経っても泣き止まないシルに私達は不安を感じ始めたその時、シルは唐突に泣き止み眠り始めた。
本当に細やかな異変だった。
翌朝、シルが泣いていていただろう時間に侵入者がいた報告を受けたが、私は何も気にはしなかった
そしてそれからも侵入者や敵対心を持つものが屋敷に来ると泣き始め、排除されると泣き止むことが続き、私達はいやおうなしにシルが悪意に反応していることがわかり、驚愕とともにシルが泣き始めるとある種の緊張が走るようになった。
だが、今回の侵入者にシルは反応しなかった。
報告を受けたとき私は血の気が引く思いだった
ノーマとて人なのだ、24時間娘に付きっきりにさせることなど不可能なことぐらいわかる。それで責めることは考えていない。むしろシルの感知能力を頼り切ってしまった自分の愚かさを呪った
私はすぐに騎士を配置した。だが見慣れぬものがあるせいか、困ったことにシルがなかなか騎士の存在に慣れてくれず、結果的に扉の外に配置することになった
また、幼いアズがシルの世話係になることで、若干の不安を感じていたが、思いのほかよくやっているようで安心した。ノーマも構ってられなかったアズがそばにいることで安心したのか、毎日エミリアと楽しそうに過ごしている






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