どうしてこうなった

古部 鈴

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番外 オレの癒し

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   ◇
 オレの肩にとまる鳥。

 緑と青の綺麗でここいらでは珍しい鳥がその綺麗な風切り羽根を広げて優雅に羽繕いしている。
 スッと伸びた尾羽は長いから手からははみ出てしまうけれど、本体はオレの掌よりは少し大きいくらいの大きさの鳥だ。

 元々はシュベルツレンゲルって種類の鳥だった。そう、過去形だ。

 つい、うっかり綺麗だなって鳥を見つめて、うっかりする気もなく呪縛して、うっかりそんなつもりもなく魅了して、うっかりかわいいしと名付けて……ついうっかりがどれだけ続くんだよだが、オレがルーレルと名付けてしまったおかげで、ステータスが洒落ならないくらいにがんがん上がってしまって、ついうっかりでこの子を鳥以外の何かにしてしまった。

 種族も変わったというのか何というのか。

 このオレが。そんなつもりはさらさらなかったが、うっかりというよりありえないだろ? の連続なんだが、盛大にやらかしてしまったのだ。

 どうにか戻せないかな? と思ったこともある。だが、ちゃんと元どおりになるのかよくわからないし、下手なことをしてよりもっとすごいことになっても困るし。



 うっかりに疲れ果て、試しにオレにオレの能力全部消えろって思ってやってみたけど、よりひどいことになったし。
 
 意味わからなかったけど、一瞬で消した分より増えた。
 むしろより前より訳わからなくなった。統一化? 合理化? 
 なんかより怪しいスキルが増えて、元のスキルよりとんでもなくなった。もちろん全て無限大。なんでもかんでも無限大。消そうがやはり無限大。
 
 怖くて加減以外は消す方向は触らなくなった。

 そのままでも増えるけど、消したら加速度増すって何!
 そして何? このスキル? 怖すぎるよ。

 オレこの世界の何になればいいの?
 


 すりすりっとオレの頬に顔を寄せるルーレル。オレにべた懐きだ。
 魅了はもうかかってないと思うし、すべて解除しているはずなんだがな。

 かわいい。オレがべた懐きかもしれない。


 そうそう、ごめんな、ルーレル。そんなつもり全くなかったんだがが、しばらく前にまた増えたんだった。

 ルーレルは元々のシュベルツレンゲルよりもより違うより美しく綺麗な姿になってしまっている。最早別種だ。

 ついうっかりオレがルーレルに冠羽とかあっても綺麗だろうなとか思ってしまったせいで、ルーレルの頭上に青い光が満ちて、それが冠羽となってしまった。

 苦い思い出だ。綺麗だろうなでなんでこうなるの? 
 確かに綺麗だが。

 無論謝ったさ。ルーレルは気にしないふうだけれど。無意識すぎて、何魔法使ったんだろうだったけど、創造魔法? 具現化? オレ自身の何もかもが怖いよ。気をつけていても、ぽろっとやっちゃったが怖くて。

 ライアリエ様、もうこれ以上オレに盛るのやめてくださいよ。
 どうせ聞いちゃくれないだろうけど。
 

 まぁ綺麗だけどさ、ごめんなと思いながら、ルーレルを見つめていると、ルーレルの体が青緑に輝いていている。

 うん、まぁ綺麗だけど、普通は鳥ってこんなふうに輝かないよな? オレか? 

 いや違うようだ。ルーレル自身が光を纏っているようだ。なんかステータス冠羽増やしてしまった時に増えたのかも。無意識に増やしちゃったのかもな。
 輝くルーレル綺麗だけどさ。

 最早鳥として、違うよな。

 すまない。オレのせいか。オレだよな。
 ルーレル、鳥はそんなふうに光らない。目立って危ないしな? どうにか出来る? 加減わかるか? とつぶらな目を見つめて呟くと、輝きは消えた。

 なんか、オレ罪深いな。

 ルーレルは、教えてくれてありがとうって、オレにさえずっているようだ。体をふるわせながら、美しいさえずりが……

 うわっ、ちょっと待て、ルーレル。

 それ詠唱になっているぞ。いや、また自分のとはちょっと違う魔力で興味深くはあるんだが。やはり人類と鳥類は違うのかな?

 今のオレらどちらも人外で鳥外だろうけどさ。

 ルーレルの頭から青い冠羽伸び開いていく。そこに魔力のこもった光が満ちる。
 綺麗だ。綺麗だが――

 オレの静止に鳴き声を止めるルーレル。

 光は消え、立っていた冠羽はふわっと頭上に戻りきょとんとしてオレを見つめる。

 魔力の乗ったさえずりもまたなんともいえず綺麗だから、聞いていたかったけど、普通のさえずりとそれはまた違うから。

 え? 特にそんなつもりない? びっくりしているのはルーレルも一緒?

 さえずりをやめても、ルーレルから強い魔力を感じる。

 無詠唱?

 よくわからなさすぎて暴走してる?

 知らない力すぎて、ルーレルから戸惑いを感じるが、オレだって心底戸惑っているさ。気をつけて魔力おさえこんで、慌てて調整出来るか試みたけど。
 そして、落ち着かせたルーレルを鑑定すると、魔力ひどく増えている。前にはなかったと思うスキルがやはり増えている。なんだんだよ。これ。
 
 オレはルーレルを巻き込まないように気をつけ頭を抱えた。

 仲間増やしたかった訳じゃないんだ。断じてオレは同じような仲間を増やしたかった訳じゃない。

 ルーレルがオレの頬に頭をすり寄せる。癒しだ。ふわふわの羽毛の感触。満ちていく。至福感――

 癒しの力に満ちて――


 えっと、これ魔力こもってる? ルーレルさん? 意識してない? そうか。
 好意だよな、好意。ありがとな、ルーレル。でもな、オレ以外には駄目だぞ。オレだけにしろよ。他は駄目だ。

 言葉だけだとどんな束縛系だよと思わなくはない。しかも鳥相手。そしてルーレルはオスだ。


 いや、いいんだ。いいんだよ。綺麗だし。さえずりも聴いていてうっとりするし、ルーレルさんはルーレルさんでいいからね?
 
 オレはルーレルの頭を撫でてやる。


 神様、オレと一緒にいるからって、ルーレルにまでスキルがんがん盛ってないよな?

 オレに盛り切れてない分、ルーレルにのってるとかないよな? 神様、なぁ神様!



        end























    後書きみたいなもの


 ちょっと、鳥の話は完結とつけてしばらくしてから思ってました。
 鳥の種族名はざっぱに適当につけました。
 どうするかなと思いましたが、番外編みたいなの書くのもありかなと思いましたので勢いよく書いてみてました。

 お気に入り登録とかしてくださっている方とかには通知機能が通知設定していたら多分届くでしょうし、しおりしてくれている方はあれはどうなるのだったかな。
 どうもありがとうございます。よければくらいのかんじですので。
 誤字脱字、改稿も見直すとしていたりもしてますが、中々中々。拙いものですがそれでもよければです。

 あまり機能とかよくわかってませんが、楽しんでいただける方がいらっしゃるならば幸いです。

 完結したりあけたりしてもいいのかもですね。

 読んでくださりありがとうございます。

 なるほど、最新の更新にはのるみたいですね。すぐに流れるでしょうけれど。
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