4 / 55
番外編 ふしぎな夜のおひなさま
4 次へ向かって、みんなで作戦会議(後)
しおりを挟む
〈日にち〉2月24日(月曜日)
〈お願いしてきた人〉1年2組の真美ちゃん、千枝ちゃん
〈お仕事の内容〉夜に動いているのかもしれないおひなさまを調べる。
〈方法〉3月1日の5時に、真美ちゃんの家に行く。
→夜の12時から、真美ちゃんと2人でおひなさまをこっそり見守る。
「何を書いてるの?」
お昼休みにノートを書いていたわたしは、前の席の麻緒ちゃんに声をかけられました。
でもわたしが答える前に、後ろのももちゃんに当てられました。
「わかった!いつも付けてるお仕事ノートでしょ」
そう聞いて麻緒ちゃんは納得しました。
「そっか。昨日相談されてたもんね」
わたしはうなずきます。
「うん。どんなお仕事をしたか、ちゃんと書いておかないとね」
お泊まり会ができるって朝にきいたので、今回もそろそろ書き始めることにしたのです。
そんなわたしに、桜ちゃんがほーっと息をつきました。
「みかんちゃんって、結構まめだよね。ノートは何ページいったの?」
そう聞かれたので、わたしは今までのノートの枚数を数えてみました。
でも最初の方だからすぐ終わったよ。
「3年生になった時から書いてるんだけど、このノートが2冊目で、今5ページ目だよ」
そういうと、周りにいたみんなに驚かれました。
「うわー。すごくたくさん」
「1つの出来事に1ページ使ってるんだったよね。
…ということは、1ヶ月に3件くらいってことだね」
そう秋子ちゃんが素早く計算までするので、わたしは手を振っていいました。
「わたしにはできなかったお願いも書いているから、たくさんになってるんだよ」
そう、わたしの使える魔法が少ないからできなかったことや、魔法使いにもできないお願いもたくさんありました。
でもわたしは一応全部書いています。
たまにこのノートを見て、今度同じことをお願いされた時にできることはないか考えています。
お勉強すればできそうなことは、できるだけ頑張って力になりたいもんね。
そのおかげで役に立ったことも、少しはあるんだよ。
「今回は、どんな内容だったんですか?」
正くんがいつものようにノートを持って聞きます。
魔法使いがどういうお仕事をするのか、とっても興味があるそうです。
だから、お願いした人が秘密っていった時や、わたしが他の人にはいわない方がいいんじゃないかなって思ったこと以外は話しています。
今回のは真美ちゃんの悩みっていうよりも、不思議なお話だからいってもいいよね。
わたしはそう思って、みんなに話すことにしました。
「毎朝おひなさまを見た時に、昨日よりも少し動いているんだって。
だから夜に動いているのかもって、調べることになったんだよ」
そういうと、やっぱりみんな驚きました。
「とってもおもしろそうな話」
柾紀くんがそう笑顔でいったのを最初に、女の子達も張り切ります。
「本当におひなさまが動いていたら感動するねー」
でも温広くんは逆に、まじめな顔でいいました。
「それってあぶなくないか?
人形が動くって、いい理由よりも…、たたりだったりとかさー」
その言葉で、一気にみんな暗ーい顔になりました。
「たしかに…」
龍太郎くんも、そう左手をあごにやってうなずきます。
すると彩ちゃんがわたしの手を取りました。
「みかんちゃん、大丈夫?」
そうみんながまじめに心配してくれたけど、わたしは自信を持って答えました。
「大丈夫!そういうのじゃないよ。だったら見た時わかるはずだもん」
そんな怖いことじゃないって、不思議と信じられます。
そう笑顔でいられるわたしに、正くんが質問しました。
「じゃあ、みかんさんはどう思っているんですか?」
そこでわたしは、昨日少し考えてみたことをいってみます。
「お人形自体は普通で、自分で動いているんじゃないと思うの。
だからおひなさまを動かしている、何かがあるのかなあ?」
それが何かはまだわからないんだけどね。
でもその答えに、正くん達みんなは満足したみたいです。
「そうですか、なるほど。ではわかったら教えてくださいね」
正くんがノートを閉じていいました。
「その何かが素敵なものだといいなあ」
そう瞳をきらきらさせていう、みゆきちゃんの言葉にうなずきます。
「うん、そうだね。きっといいものだよ」
そう話がまとまると、今度は高志くんに聞かれました。
「そういえば、さっき夜に調べるとかいってなかったか?」
「うん」
わたしがうなずくと、途端にまたみんなに心配されました。
「夜って8時くらい?」
優香里ちゃんの言葉に、光くんが答えます。
「いや、いくら何でもそんなに早くないんじゃない?」
「そうそう。なんたってみんなが知らない間だし…」
港くんがそういった後に、みんながわたしをじーっと注目します。
わたしはちょっと気が引けたけど答えました。
「夜の12時からなの…」
すると思った通り、みんなに騒がれました。
「夜の12時…って、おれ達だってきつい時間だぞ!?
夏の学校宿泊会の時、自分が何時に寝たか覚えてるか?」
そう健治くんにいわれて、半年前の宿泊会のことを思い出しました。
雪湖小学校は夏に、3・4年生は学校で、5・6年生になったら遠くまで連れて行ってもらって、お泊まり会があるんだよ。
たしかこの前は、昼間元気にはしゃいで疲れちゃったから、すぐ寝ちゃったんだっけ。
あれって何時だったのかな?
わたしが思い出せないでいると、健治くんが強くいいました。
「8時30分だぞ、8時30分!
みかんと、麻緒と、柾紀と、港は、夜更かしなんてぜーったい無理!」
そう早く眠ったらしいみんなまでおまけに指を指されて、力説されてしまいました。
えへへへへ。わたしは仕方なく、とりあえずごまかし笑い。
健治くんのいう通り、12時まで起きているなんてわたしには無理です。
でもそれももちろん考えてあるんだよ。
わたしは人差し指を立てて、そのことを付け加えます。
「ちゃんと考えてあるよ。
土曜日の5時からだから、学校が終わってから3時間眠っていけるでしょ。
それから真美ちゃんの家に行っても、時間まではできるだけ寝ることになってるもん」
昨日しっかり真美ちゃん達と、そう眠る時間のことまで決めておきました。
今回はお仕事のために行くので、遊ぶよりもお仕事を成功させるための計画を立ててあります。
わたしがそう説明すると、龍太郎くんがうなずいてくれました。
「なら、大丈夫なんじゃないか?前もって寝てるんなら安心だよ」
みんなも納得してくれたようです。
「でもみかんは夜弱いんだから、あんまり無理するなよ」
そう最後に注意してくれた高志くんに、わたしはうなずいていいました。
「うん、そうだね。気を付けるよ。
でも楽しそうなお話だし、できるだけがんばってくるね!」
そう元気に答えてから、みんなに向き直っていいます。
「何でだったのか、みんなに報告するからね」
〈お願いしてきた人〉1年2組の真美ちゃん、千枝ちゃん
〈お仕事の内容〉夜に動いているのかもしれないおひなさまを調べる。
〈方法〉3月1日の5時に、真美ちゃんの家に行く。
→夜の12時から、真美ちゃんと2人でおひなさまをこっそり見守る。
「何を書いてるの?」
お昼休みにノートを書いていたわたしは、前の席の麻緒ちゃんに声をかけられました。
でもわたしが答える前に、後ろのももちゃんに当てられました。
「わかった!いつも付けてるお仕事ノートでしょ」
そう聞いて麻緒ちゃんは納得しました。
「そっか。昨日相談されてたもんね」
わたしはうなずきます。
「うん。どんなお仕事をしたか、ちゃんと書いておかないとね」
お泊まり会ができるって朝にきいたので、今回もそろそろ書き始めることにしたのです。
そんなわたしに、桜ちゃんがほーっと息をつきました。
「みかんちゃんって、結構まめだよね。ノートは何ページいったの?」
そう聞かれたので、わたしは今までのノートの枚数を数えてみました。
でも最初の方だからすぐ終わったよ。
「3年生になった時から書いてるんだけど、このノートが2冊目で、今5ページ目だよ」
そういうと、周りにいたみんなに驚かれました。
「うわー。すごくたくさん」
「1つの出来事に1ページ使ってるんだったよね。
…ということは、1ヶ月に3件くらいってことだね」
そう秋子ちゃんが素早く計算までするので、わたしは手を振っていいました。
「わたしにはできなかったお願いも書いているから、たくさんになってるんだよ」
そう、わたしの使える魔法が少ないからできなかったことや、魔法使いにもできないお願いもたくさんありました。
でもわたしは一応全部書いています。
たまにこのノートを見て、今度同じことをお願いされた時にできることはないか考えています。
お勉強すればできそうなことは、できるだけ頑張って力になりたいもんね。
そのおかげで役に立ったことも、少しはあるんだよ。
「今回は、どんな内容だったんですか?」
正くんがいつものようにノートを持って聞きます。
魔法使いがどういうお仕事をするのか、とっても興味があるそうです。
だから、お願いした人が秘密っていった時や、わたしが他の人にはいわない方がいいんじゃないかなって思ったこと以外は話しています。
今回のは真美ちゃんの悩みっていうよりも、不思議なお話だからいってもいいよね。
わたしはそう思って、みんなに話すことにしました。
「毎朝おひなさまを見た時に、昨日よりも少し動いているんだって。
だから夜に動いているのかもって、調べることになったんだよ」
そういうと、やっぱりみんな驚きました。
「とってもおもしろそうな話」
柾紀くんがそう笑顔でいったのを最初に、女の子達も張り切ります。
「本当におひなさまが動いていたら感動するねー」
でも温広くんは逆に、まじめな顔でいいました。
「それってあぶなくないか?
人形が動くって、いい理由よりも…、たたりだったりとかさー」
その言葉で、一気にみんな暗ーい顔になりました。
「たしかに…」
龍太郎くんも、そう左手をあごにやってうなずきます。
すると彩ちゃんがわたしの手を取りました。
「みかんちゃん、大丈夫?」
そうみんながまじめに心配してくれたけど、わたしは自信を持って答えました。
「大丈夫!そういうのじゃないよ。だったら見た時わかるはずだもん」
そんな怖いことじゃないって、不思議と信じられます。
そう笑顔でいられるわたしに、正くんが質問しました。
「じゃあ、みかんさんはどう思っているんですか?」
そこでわたしは、昨日少し考えてみたことをいってみます。
「お人形自体は普通で、自分で動いているんじゃないと思うの。
だからおひなさまを動かしている、何かがあるのかなあ?」
それが何かはまだわからないんだけどね。
でもその答えに、正くん達みんなは満足したみたいです。
「そうですか、なるほど。ではわかったら教えてくださいね」
正くんがノートを閉じていいました。
「その何かが素敵なものだといいなあ」
そう瞳をきらきらさせていう、みゆきちゃんの言葉にうなずきます。
「うん、そうだね。きっといいものだよ」
そう話がまとまると、今度は高志くんに聞かれました。
「そういえば、さっき夜に調べるとかいってなかったか?」
「うん」
わたしがうなずくと、途端にまたみんなに心配されました。
「夜って8時くらい?」
優香里ちゃんの言葉に、光くんが答えます。
「いや、いくら何でもそんなに早くないんじゃない?」
「そうそう。なんたってみんなが知らない間だし…」
港くんがそういった後に、みんながわたしをじーっと注目します。
わたしはちょっと気が引けたけど答えました。
「夜の12時からなの…」
すると思った通り、みんなに騒がれました。
「夜の12時…って、おれ達だってきつい時間だぞ!?
夏の学校宿泊会の時、自分が何時に寝たか覚えてるか?」
そう健治くんにいわれて、半年前の宿泊会のことを思い出しました。
雪湖小学校は夏に、3・4年生は学校で、5・6年生になったら遠くまで連れて行ってもらって、お泊まり会があるんだよ。
たしかこの前は、昼間元気にはしゃいで疲れちゃったから、すぐ寝ちゃったんだっけ。
あれって何時だったのかな?
わたしが思い出せないでいると、健治くんが強くいいました。
「8時30分だぞ、8時30分!
みかんと、麻緒と、柾紀と、港は、夜更かしなんてぜーったい無理!」
そう早く眠ったらしいみんなまでおまけに指を指されて、力説されてしまいました。
えへへへへ。わたしは仕方なく、とりあえずごまかし笑い。
健治くんのいう通り、12時まで起きているなんてわたしには無理です。
でもそれももちろん考えてあるんだよ。
わたしは人差し指を立てて、そのことを付け加えます。
「ちゃんと考えてあるよ。
土曜日の5時からだから、学校が終わってから3時間眠っていけるでしょ。
それから真美ちゃんの家に行っても、時間まではできるだけ寝ることになってるもん」
昨日しっかり真美ちゃん達と、そう眠る時間のことまで決めておきました。
今回はお仕事のために行くので、遊ぶよりもお仕事を成功させるための計画を立ててあります。
わたしがそう説明すると、龍太郎くんがうなずいてくれました。
「なら、大丈夫なんじゃないか?前もって寝てるんなら安心だよ」
みんなも納得してくれたようです。
「でもみかんは夜弱いんだから、あんまり無理するなよ」
そう最後に注意してくれた高志くんに、わたしはうなずいていいました。
「うん、そうだね。気を付けるよ。
でも楽しそうなお話だし、できるだけがんばってくるね!」
そう元気に答えてから、みんなに向き直っていいます。
「何でだったのか、みんなに報告するからね」
0
あなたにおすすめの小説
【もふもふ手芸部】あみぐるみ作ってみる、だけのはずが勇者ってなんなの!?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
網浜ナオは勉強もスポーツも中の下で無難にこなす平凡な少年だ。今年はいよいよ最高学年になったのだが過去5年間で100点を取ったことも運動会で1等を取ったこともない。もちろん習字や美術で賞をもらったこともなかった。
しかしそんなナオでも一つだけ特技を持っていた。それは編み物、それもあみぐるみを作らせたらおそらく学校で一番、もちろん家庭科の先生よりもうまく作れることだった。友達がいないわけではないが、人に合わせるのが苦手なナオにとっては一人でできる趣味としてもいい気晴らしになっていた。
そんなナオがあみぐるみのメイキング動画を動画サイトへ投稿したり動画配信を始めたりしているうちに奇妙な場所へ迷い込んだ夢を見る。それは現実とは思えないが夢と言うには不思議な感覚で、沢山のぬいぐるみが暮らす『もふもふの国』という場所だった。
そのもふもふの国で、元同級生の丸川亜矢と出会いもふもふの国が滅亡の危機にあると聞かされる。実はその国の王女だと言う亜美の願いにより、もふもふの国を救うべく、ナオは立ち上がった。
【3章】GREATEST BOONS ~幼なじみのほのぼのバディがクリエイトスキルで異世界に偉大なる恩恵をもたらします!~
丹斗大巴
児童書・童話
幼なじみの2人がグレイテストブーンズ(偉大なる恩恵)を生み出しつつ、異世界の7つの秘密を解き明かしながらほのぼの旅をする物語。
異世界に飛ばされて、小学生の年齢まで退行してしまった幼なじみの銀河と美怜。とつじょ不思議な力に目覚め、Greatest Boons(グレイテストブーンズ:偉大なる恩恵)をもたらす新しい生き物たちBoons(ブーンズ)とアイテムを生みだした! 彼らのおかげでサバイバルもトラブルもなんのその! クリエイト系の2人が旅するほのぼの異世界珍道中。
便利な「しおり」機能を使って読み進めることをお勧めします。さらに「お気に入り登録」して頂くと、最新更新のお知らせが届いて便利です! レーティング指定の描写はありませんが、万が一気になる方は、目次※マークをさけてご覧ください。
魔法使いアルル
かのん
児童書・童話
今年で10歳になるアルルは、月夜の晩、自分の誕生日に納屋の中でこっそりとパンを食べながら歌を歌っていた。
これまで自分以外に誰にも祝われる事のなかった日。
だが、偉大な大魔法使いに出会うことでアルルの世界は色を変えていく。
孤独な少女アルルが、魔法使いになって奮闘する物語。
ありがたいことに書籍化が進行中です!ありがとうございます。
四尾がつむぐえにし、そこかしこ
月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。
憧れのキラキラ王子さまが転校する。
女子たちの嘆きはひとしお。
彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。
だからとてどうこうする勇気もない。
うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。
家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。
まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。
ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、
三つのお仕事を手伝うことになったユイ。
達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。
もしかしたら、もしかしちゃうかも?
そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。
結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。
いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、
はたしてユイは何を求め願うのか。
少女のちょっと不思議な冒険譚。
ここに開幕。
突然、お隣さんと暮らすことになりました~実は推しの配信者だったなんて!?~
ミズメ
児童書・童話
動画配信を視聴するのが大好きな市山ひなは、みんなより背が高すぎることがコンプレックスの小学生。
周りの目を気にしていたひなは、ある日突然お隣さんに預けられることになってしまった。
そこは幼なじみでもある志水蒼太(しみずそうた)くんのおうちだった。
どうやら蒼太くんには秘密があって……!?
身長コンプレックスもちの優しい女の子✖️好きな子の前では背伸びをしたい男の子…を見守る愉快なメンバーで繰り広げるドタバタラブコメ!
9日間
柏木みのり
児童書・童話
サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。
(also @ なろう)
左左左右右左左 ~いらないモノ、売ります~
菱沼あゆ
児童書・童話
菜乃たちの通う中学校にはあるウワサがあった。
『しとしとと雨が降る十三日の金曜日。
旧校舎の地下にヒミツの購買部があらわれる』
大富豪で負けた菜乃は、ひとりで旧校舎の地下に下りるはめになるが――。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる