なけなしの石で引いたガチャから出てきた娘がただのレアだった件

きゅちゃん

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第28話 師弟

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「マジっすか…」

「SSRにも、オトコがいるんだよ…」

「あら、だから心は乙女よ。失礼しちゃうわね」

「その…胸は」

「ハーミットは高位魔術師だ。…あとはわかるな?」

「…はい」

「なんか…フケツです、その会話」

ニアがぷーっと膨れ面で俺と小野寺さんをにらんだ。

「いや、大きければいいとか決してそういうわけでは」

「うむ、大は小を兼ねるなどと言うつもりはない」

「アナタたち…わりとどうしようもないわね」

アストにまで冷たい視線を向けられ、俺たちは必死で会話の方向を逸らす。

「ま、まぁとりあえず次のフロアに向かいましょうか?」

「そ、そうだな。うむ、頑張ろうじゃないか!」

ニアから視線を逸らしつつ、フロア19へと足を進める。
クエスト「煌めく宝石」はフロア20が最終階層なので、あと一歩まで来たのだ。
とりあえずはアストの強力な魔法も加わったことだし、油断さえしなければなんとかなるだろう。

フロア19は飛行タイプの敵が多く、大型の吸血コウモリをニアとアストの魔法で撃ち落としながら進んでいく。

「ニアちゃん、攻撃魔法は敵の軌道を予測して放たないとなかなか当たらないわよ」

「は、はい…!」

「敵が移動するであろう場所にあらかじめ魔法を置いておく、とでも言うのかしら」

同じ魔法系のよしみか、はたまた個人的に気に入ったのか、アストが色々と教え込んでいる。
まるで師弟のようで微笑ましいが、余計なことも教え込んでいるようだ。

「恋も同じよ。相手の心の機微を読み…いかに撃ち抜くか、よ」

「は、はい…?」

「オトコの心なんて単純だから、うまく読めればモンスターを落とすのより簡単よ」

「そ、そうでしょうか?」

「そうよ…ほら、ニアちゃん、もう少し胸元のボタンを開けなさいって」

「え、あの、それはちょっと恥ずかしいです…」

「あら?谷間は女の武器なのにねぇ…」

「わ、わたしそんなにないので…」

「大きさの問題じゃないの、心意気の問題よ」

「そういうもんでしょうか…」

「あの、そろそろフロアボスなので…」

止まらない二人のガールズ?トークに恐る恐る口を挟んだ。
フロア20へと続くであろう階段の前に、明らかに不自然な広場が設けられている。
どこからどう見てもボスが出てくる…そんな気配が漂っていた。
4人で固まりつつ、慎重に足を踏みれる…

「グギャアッ!!!」

鋭い叫び声がして、出現エフェクトとともに巨大な影が地中から這い出してきた。

「キングリザードマン Lv:55」

周囲にリザードマンの親衛隊を従えた巨大な王が、大剣を俺たちに突きつける。

「ニア、攻撃魔法で親衛隊たちを牽制頼む。動きが止まったところをアストの上位魔法で片付けよう」

小野寺さんの指示に、2人の魔術師が頷き杖を構える。

「…あっちのでかい方は、俺とお前で相手だ」

「はい…!親衛隊が片付いたら、ニアとエリスをチェンジして、3人でトドメを!」

「それでいくぞ!」

泰然自若と王は動かず、まずは親衛隊が突撃してくる。
その剣先を躱し、俺は王を目指して一直線に進む。
後に続いた小野寺さんが、トールハンマーを無照準で解放。
態勢の乱れたリザードマン達に、ニアの攻撃魔法が次々と着弾し、足を止めた。

「トカゲの皮じゃ、素敵なバッグは作れないわね…ヴォルテクス!」

続いてアストの高位無属性魔法が親衛隊を直撃し、完膚なきまでに壊滅させる。
…先ほどのヘルアンドヘヴンほどではないにせよ、相当な威力だ。

残すはリザードキングただ一人。

「ニア、ナイスだ…チェンジ!」

あとは近接3人で押し切り、王を仕留めるのみ。
ニアからエリスにチェンジし、包囲網を築く。

「正面は俺が引き受ける。リョウキとエリスは側面または背後を狙え」

「了解!」

「ふふん、やっぱりいざという時はあたしを頼るんだから…」

「あ、ちょっと待てってば」

「いくわよっ!」

にへら、とエリスが笑いながら、指示を聞いていたんだかいないんだかわからないままに突撃していく。

「あらあら…困った娘ね」

アストが後ろでそう呟くのが耳に入った。
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