21 / 21
第21話(最終話) 偽物が見つけた本物の幸せ
しおりを挟む
結婚式から三ヶ月が経った。
春の陽光が窓から差し込む中、私は聖女の執務室で書類に目を通していた。
「ルーナ様、東の村から感謝の手紙が届いています」
メリッサが嬉しそうに報告してくれた。
「先日の病気の流行を、あなたの治癒の力で止められたと」
「それは良かった」
私は微笑んだ。
結婚しても、聖女としての仕事は続けている。むしろ、アルベルトの支えがあることで、以前よりも活発に活動できるようになった。
「今日の午後は、孤児院の視察ですね」
「ええ。トムたちに会うのが楽しみだわ」
コンコン。
扉がノックされ、エリスが入ってきた。
「おはよう、ルーナ」
「エリス様、おはようございます」
「もう『様』はいいわ」
彼女が笑った。
「私たちは対等なパートナーでしょう?」
「それでは......エリス」
「ええ、その方が好きよ」
エリスが報告書を広げた。
「北の国境付近で小さな諍いがあったけれど、話し合いで解決できたわ」
「良かった」
「あなたが『愛の大切さ』を説いたおかげね」
彼女が私の肩を叩いた。
「一年前は想像もできなかったでしょう? 二人で国を治めるなんて」
「本当に」
私は窓の外を見た。
城下町には平和な日常が戻っている。市場では人々が笑顔で買い物をし、子どもたちが元気に遊び回っている。
「そういえば」
エリスが声を潜めた。
「アルベルトから聞いたのだけれど......」
「何ですか?」
「あなた、もしかして......」
彼女の視線が私のお腹に向けられた。
「えっ? い、いえ、まだそういうわけでは......」
私の顔が真っ赤になった。
「冗談よ」
エリスが楽しそうに笑った。
「でも、いつかはね」
「もう、エリス!」
午後、私とアルベルトは孤児院を訪れた。
「聖女様!」
「アルベルト様!」
子どもたちが駆け寄ってくる。
「みんな、元気そうね」
「はい! 毎日、勉強も訓練も頑張ってます!」
トムが胸を張った。
「この前、剣術の試験に合格したんです」
「すごいわね」
「俺、いつか騎士団に入って、国を守りたいんです」
彼の目が輝いている。
「きっとなれるわ」
私は彼の頭を撫でた。
「でも、覚えていてね」
「何ですか?」
「本当に強い人は、力だけじゃなくて、心も強い人よ」
トムが真剣に頷いた。
「はい。ルーナ様のように」
孤児院の院長が近づいてきた。
「聖女様、いつもご支援ありがとうございます」
「いえ、私にできることは限られていますから」
「そんなことはありません」
院長が微笑んだ。
「あなたが定期的に訪問してくださるおかげで、子どもたちに希望が生まれています」
夕方、城に戻ると、意外な訪問者がいた。
「ノア?」
元深淵の王、今はノアと名乗る青年が、庭で花の手入れをしていた。
「ルーナ様、お帰りなさい」
「あなた、ここで何を?」
「城の庭師として雇っていただきました」
彼が照れくさそうに笑った。
「償いの一環として、美しいものを育てようと」
「素敵ね」
「かつて闇を広げた私が、今は花を育てている」
ノアが一輪の薔薇を摘んで、私に差し出した。
「不思議なものです」
「人は変われるのよ」
私は薔薇を受け取った。
「あなたが証明してくれたわ」
「ルーナ様のおかげです」
彼が深々と頭を下げた。
「あなたが教えてくれた愛の力を、私も誰かに伝えていきたい」
その夜、アルベルトと二人で夕食を取った。
私たちの新居は、城の一角にある小さな館だった。
「今日も充実した一日でしたね」
アルベルトが優しく微笑んだ。
「ええ。でも、少し疲れました」
「無理をしないでくださいね」
「大丈夫よ。あなたがいてくれるから」
食後、私たちは暖炉の前で寛いでいた。
「ねえ、アルベルト」
「はい?」
「一年前を思い出すわ」
「どんなことを?」
「あなたに初めて会った日」
私は彼の肩に頭を預けた。
「聖女検証官として、厳しい目で私を見ていたわね」
「今思えば、恥ずかしいですね」
アルベルトが苦笑いした。
「あの時から、もう惹かれていたのかもしれません」
「本当?」
「ええ。だからこそ、厳しくしてしまった」
「私は、怖かったわ」
「それは申し訳ない」
彼が私を抱きしめた。
「でも、今は違います。これからは、ずっとあなたを守ります」
「私も、あなたを支えます」
静かな時間が流れた。
暖炉の火がパチパチと音を立てている。
「ルーナ」
「何?」
「幸せですか?」
「ええ、とても」
私は彼を見上げた。
「偽物の聖女だった私が、こんなに幸せになれるなんて」
「あなたは最初から本物でした」
「でも、魔力もなくて——」
「魔力がなくても、あなたの心は本物でした」
アルベルトが私の手を握った。
「人を愛する心。それこそが、真の聖女の力です」
涙が溢れそうになった。
「ありがとう」
「いいえ、私こそ」
彼が私の額にキスをした。
「あなたに出会えて、人生が変わりました」
翌朝、王様からの呼び出しがあった。
謁見の間で、王様は厳かな表情で私たちを見ていた。
「ルーナ、アルベルト」
「はい」
「お前たちの活躍により、国は以前にも増して平和になった」
王様が立ち上がった。
「民は二人を愛し、二人を頼りにしている」
「恐縮です」
「そこで」
王様が宣言した。
「お前たちに、正式に『愛の大使』の称号を授ける」
「愛の大使......ですか?」
「そうだ。この国の愛と平和を象徴する存在として、他国との友好関係も築いていってほしい」
「光栄です」
私とアルベルトは深々と頭を下げた。
謁見の間を出ると、エリスが待っていた。
「おめでとう」
「ありがとう、エリス」
「これから、もっと忙しくなるわね」
「ええ。でも——」
私はアルベルトの手を握った。
「二人なら、どんなことも乗り越えられるわ」
その日の午後、私たちは城の屋上に上がった。
あの結婚式の夜、星空の下でキスをした場所。
「懐かしいですね」
アルベルトが言った。
「ええ。あれから、まだ三ヶ月なのに」
「ずっと一緒にいるような気がします」
「私もよ」
風が優しく吹いている。
城下町を見下ろすと、人々が平和に暮らしている様子が見えた。
「ねえ、アルベルト」
「はい?」
「私たち、きっとこれからもいろいろな困難に出会うわね」
「そうでしょうね」
「でも」
私は彼を見つめた。
「一緒なら、大丈夫よね」
「ええ、必ず」
彼が私を抱きしめた。
「どんな困難も、二人の愛で乗り越えましょう」
遠くで、教会の鐘が鳴った。
新しい時を告げる音。
偽物の聖女だった私は、本物の愛を見つけた。
そして今、その愛と共に、新しい未来へと歩み出している。
この先、どんなことが待ち受けているかはわからない。
でも、恐れることはない。
なぜなら——
愛する人が、そばにいてくれるから。
仲間たちが、支えてくれるから。
そして何より、私の心には、本物の愛があるから。
空を見上げると、青い空に白い雲が浮かんでいた。
まるで、祝福のように。
「さあ、行きましょう」
私はアルベルトの手を取った。
「これからも、たくさんの人に愛を届けに」
「ええ」
彼が微笑んだ。
「永遠に、一緒に」
私たちは手を繋いで、階段を降りていった。
新しい明日へ。
愛に満ちた未来へ。
偽物から始まった物語は、本物の幸せへとつながった。
そして、その幸せは——
これからも、ずっと続いていく。
——それから、五年の月日が流れた。
城の庭園では、小さな女の子が花の間を走り回っていた。
「ママ、見て! 蝶々!」
「危ないわよ、エミリア」
私は娘を優しく抱き上げた。
エミリア——私たちの娘は、今年で三歳になった。
「パパはどこ?」
「お仕事よ。もうすぐ帰ってくるわ」
その時、アルベルトが庭に現れた。
「ただいま」
「パパ!」
エミリアが嬉しそうに駆け寄っていく。
「よしよし」
アルベルトが娘を抱き上げた。
「今日は良い子にしていたかな?」
「うん! ママとお花を見てたの」
「そうか。えらいぞ」
私はその光景を見て、胸が温かくなった。
こんな幸せな日々が来るなんて、あの時は想像もできなかった。
「ルーナ」
アルベルトが私に微笑みかけた。
「幸せですか?」
「ええ」
私は彼に寄り添った。
「こんなに幸せでいいのかしらと思うほどよ」
「それは良かった」
遠くで、エリスとノアが話をしているのが見えた。
エリスは今も聖女として国を支え、ノアは立派な庭師として城で働いている。
トムは騎士団に入り、子どもたちを守る立場になった。
みんな、それぞれの幸せを見つけた。
「ねえ、エミリア」
私は娘に話しかけた。
「ママはね、昔は偽物だったのよ」
「偽物?」
「ええ。でもね、本物の愛を見つけたの」
娘はきょとんとしている。まだ難しい話だろう。
「いつか、大きくなったら教えてあげるわ」
「何を?」
「愛の大切さを」
私はアルベルトと娘を抱きしめた。
「そして、どんな人でも幸せになれるということを」
青い空の下、私たちの幸せな時間は続いていく。
偽物だった私が見つけた、本物の幸せ。
それは——
永遠に輝き続けるのだ。
春の陽光が窓から差し込む中、私は聖女の執務室で書類に目を通していた。
「ルーナ様、東の村から感謝の手紙が届いています」
メリッサが嬉しそうに報告してくれた。
「先日の病気の流行を、あなたの治癒の力で止められたと」
「それは良かった」
私は微笑んだ。
結婚しても、聖女としての仕事は続けている。むしろ、アルベルトの支えがあることで、以前よりも活発に活動できるようになった。
「今日の午後は、孤児院の視察ですね」
「ええ。トムたちに会うのが楽しみだわ」
コンコン。
扉がノックされ、エリスが入ってきた。
「おはよう、ルーナ」
「エリス様、おはようございます」
「もう『様』はいいわ」
彼女が笑った。
「私たちは対等なパートナーでしょう?」
「それでは......エリス」
「ええ、その方が好きよ」
エリスが報告書を広げた。
「北の国境付近で小さな諍いがあったけれど、話し合いで解決できたわ」
「良かった」
「あなたが『愛の大切さ』を説いたおかげね」
彼女が私の肩を叩いた。
「一年前は想像もできなかったでしょう? 二人で国を治めるなんて」
「本当に」
私は窓の外を見た。
城下町には平和な日常が戻っている。市場では人々が笑顔で買い物をし、子どもたちが元気に遊び回っている。
「そういえば」
エリスが声を潜めた。
「アルベルトから聞いたのだけれど......」
「何ですか?」
「あなた、もしかして......」
彼女の視線が私のお腹に向けられた。
「えっ? い、いえ、まだそういうわけでは......」
私の顔が真っ赤になった。
「冗談よ」
エリスが楽しそうに笑った。
「でも、いつかはね」
「もう、エリス!」
午後、私とアルベルトは孤児院を訪れた。
「聖女様!」
「アルベルト様!」
子どもたちが駆け寄ってくる。
「みんな、元気そうね」
「はい! 毎日、勉強も訓練も頑張ってます!」
トムが胸を張った。
「この前、剣術の試験に合格したんです」
「すごいわね」
「俺、いつか騎士団に入って、国を守りたいんです」
彼の目が輝いている。
「きっとなれるわ」
私は彼の頭を撫でた。
「でも、覚えていてね」
「何ですか?」
「本当に強い人は、力だけじゃなくて、心も強い人よ」
トムが真剣に頷いた。
「はい。ルーナ様のように」
孤児院の院長が近づいてきた。
「聖女様、いつもご支援ありがとうございます」
「いえ、私にできることは限られていますから」
「そんなことはありません」
院長が微笑んだ。
「あなたが定期的に訪問してくださるおかげで、子どもたちに希望が生まれています」
夕方、城に戻ると、意外な訪問者がいた。
「ノア?」
元深淵の王、今はノアと名乗る青年が、庭で花の手入れをしていた。
「ルーナ様、お帰りなさい」
「あなた、ここで何を?」
「城の庭師として雇っていただきました」
彼が照れくさそうに笑った。
「償いの一環として、美しいものを育てようと」
「素敵ね」
「かつて闇を広げた私が、今は花を育てている」
ノアが一輪の薔薇を摘んで、私に差し出した。
「不思議なものです」
「人は変われるのよ」
私は薔薇を受け取った。
「あなたが証明してくれたわ」
「ルーナ様のおかげです」
彼が深々と頭を下げた。
「あなたが教えてくれた愛の力を、私も誰かに伝えていきたい」
その夜、アルベルトと二人で夕食を取った。
私たちの新居は、城の一角にある小さな館だった。
「今日も充実した一日でしたね」
アルベルトが優しく微笑んだ。
「ええ。でも、少し疲れました」
「無理をしないでくださいね」
「大丈夫よ。あなたがいてくれるから」
食後、私たちは暖炉の前で寛いでいた。
「ねえ、アルベルト」
「はい?」
「一年前を思い出すわ」
「どんなことを?」
「あなたに初めて会った日」
私は彼の肩に頭を預けた。
「聖女検証官として、厳しい目で私を見ていたわね」
「今思えば、恥ずかしいですね」
アルベルトが苦笑いした。
「あの時から、もう惹かれていたのかもしれません」
「本当?」
「ええ。だからこそ、厳しくしてしまった」
「私は、怖かったわ」
「それは申し訳ない」
彼が私を抱きしめた。
「でも、今は違います。これからは、ずっとあなたを守ります」
「私も、あなたを支えます」
静かな時間が流れた。
暖炉の火がパチパチと音を立てている。
「ルーナ」
「何?」
「幸せですか?」
「ええ、とても」
私は彼を見上げた。
「偽物の聖女だった私が、こんなに幸せになれるなんて」
「あなたは最初から本物でした」
「でも、魔力もなくて——」
「魔力がなくても、あなたの心は本物でした」
アルベルトが私の手を握った。
「人を愛する心。それこそが、真の聖女の力です」
涙が溢れそうになった。
「ありがとう」
「いいえ、私こそ」
彼が私の額にキスをした。
「あなたに出会えて、人生が変わりました」
翌朝、王様からの呼び出しがあった。
謁見の間で、王様は厳かな表情で私たちを見ていた。
「ルーナ、アルベルト」
「はい」
「お前たちの活躍により、国は以前にも増して平和になった」
王様が立ち上がった。
「民は二人を愛し、二人を頼りにしている」
「恐縮です」
「そこで」
王様が宣言した。
「お前たちに、正式に『愛の大使』の称号を授ける」
「愛の大使......ですか?」
「そうだ。この国の愛と平和を象徴する存在として、他国との友好関係も築いていってほしい」
「光栄です」
私とアルベルトは深々と頭を下げた。
謁見の間を出ると、エリスが待っていた。
「おめでとう」
「ありがとう、エリス」
「これから、もっと忙しくなるわね」
「ええ。でも——」
私はアルベルトの手を握った。
「二人なら、どんなことも乗り越えられるわ」
その日の午後、私たちは城の屋上に上がった。
あの結婚式の夜、星空の下でキスをした場所。
「懐かしいですね」
アルベルトが言った。
「ええ。あれから、まだ三ヶ月なのに」
「ずっと一緒にいるような気がします」
「私もよ」
風が優しく吹いている。
城下町を見下ろすと、人々が平和に暮らしている様子が見えた。
「ねえ、アルベルト」
「はい?」
「私たち、きっとこれからもいろいろな困難に出会うわね」
「そうでしょうね」
「でも」
私は彼を見つめた。
「一緒なら、大丈夫よね」
「ええ、必ず」
彼が私を抱きしめた。
「どんな困難も、二人の愛で乗り越えましょう」
遠くで、教会の鐘が鳴った。
新しい時を告げる音。
偽物の聖女だった私は、本物の愛を見つけた。
そして今、その愛と共に、新しい未来へと歩み出している。
この先、どんなことが待ち受けているかはわからない。
でも、恐れることはない。
なぜなら——
愛する人が、そばにいてくれるから。
仲間たちが、支えてくれるから。
そして何より、私の心には、本物の愛があるから。
空を見上げると、青い空に白い雲が浮かんでいた。
まるで、祝福のように。
「さあ、行きましょう」
私はアルベルトの手を取った。
「これからも、たくさんの人に愛を届けに」
「ええ」
彼が微笑んだ。
「永遠に、一緒に」
私たちは手を繋いで、階段を降りていった。
新しい明日へ。
愛に満ちた未来へ。
偽物から始まった物語は、本物の幸せへとつながった。
そして、その幸せは——
これからも、ずっと続いていく。
——それから、五年の月日が流れた。
城の庭園では、小さな女の子が花の間を走り回っていた。
「ママ、見て! 蝶々!」
「危ないわよ、エミリア」
私は娘を優しく抱き上げた。
エミリア——私たちの娘は、今年で三歳になった。
「パパはどこ?」
「お仕事よ。もうすぐ帰ってくるわ」
その時、アルベルトが庭に現れた。
「ただいま」
「パパ!」
エミリアが嬉しそうに駆け寄っていく。
「よしよし」
アルベルトが娘を抱き上げた。
「今日は良い子にしていたかな?」
「うん! ママとお花を見てたの」
「そうか。えらいぞ」
私はその光景を見て、胸が温かくなった。
こんな幸せな日々が来るなんて、あの時は想像もできなかった。
「ルーナ」
アルベルトが私に微笑みかけた。
「幸せですか?」
「ええ」
私は彼に寄り添った。
「こんなに幸せでいいのかしらと思うほどよ」
「それは良かった」
遠くで、エリスとノアが話をしているのが見えた。
エリスは今も聖女として国を支え、ノアは立派な庭師として城で働いている。
トムは騎士団に入り、子どもたちを守る立場になった。
みんな、それぞれの幸せを見つけた。
「ねえ、エミリア」
私は娘に話しかけた。
「ママはね、昔は偽物だったのよ」
「偽物?」
「ええ。でもね、本物の愛を見つけたの」
娘はきょとんとしている。まだ難しい話だろう。
「いつか、大きくなったら教えてあげるわ」
「何を?」
「愛の大切さを」
私はアルベルトと娘を抱きしめた。
「そして、どんな人でも幸せになれるということを」
青い空の下、私たちの幸せな時間は続いていく。
偽物だった私が見つけた、本物の幸せ。
それは——
永遠に輝き続けるのだ。
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
転生バレ回避のはずが、領主の息子に見つかって恋をした。
黒蜜きな粉
恋愛
前世で遊び尽くしたRPGの世界に転生した少女ルーシ。
この世界で転生者は特別な存在として保護され、自由を奪われる。
英雄になんてなりたくない。
ルーシの望みはただひとつ──静かに暮らすこと。
しかし、瀕死の重傷を負った領主の息子アッシュを救ったことで、平穏な日常は崩れ始める。
才能への評価、王都への誘い、そして彼から向けられる想い。
特別になりたくない転生治癒師と、
彼女を見つけてしまった領主の息子の物語。
※第19回恋愛小説大賞にエントリーしております。
悪魔が泣いて逃げ出すほど不幸な私ですが、孤独な公爵様の花嫁になりました
ぜんだ 夕里
恋愛
「伴侶の記憶を食べる悪魔」に取り憑かれた公爵の元に嫁いできた男爵令嬢ビータ。婚約者は皆、記憶を奪われ逃げ出すという噂だが、彼女は平然としていた。なぜなら悪魔が彼女の記憶を食べようとした途端「まずい!ドブの味がする!」と逃げ出したから。
壮絶な過去を持つ令嬢と孤独な公爵の、少し変わった結婚生活が始まる。
【旦那様は魔王様 外伝】魔界でいちばん大嫌い~絶対に好きになんて、ならないんだから!~
狭山ひびき
恋愛
「あんたなんか、大嫌いよ!」ミリアムは大きく息を吸い込んで、宣言した。はじめてアスヴィルと出会ったとき、彼は意地悪だった。二度と会いたくないと思うほど嫌っていたのに、ある日を境に、アスヴィルのミリアムに対する態度が激変する。突然アスヴィルは、ミリアムを愛していると言い出したのだ。しかしミリアムは昔のまま、彼のことが大嫌い。そんなミリアムを振り向かせようと、手紙やお菓子、果ては大声で愛を叫んで、気持ちを伝えようとするアスヴィル。果たして、アスヴィルの気持ちはミリアムに届くのか――
※本作品は、【旦那様は魔王様!】の外伝ですが、本編からは独立したお話です。
白い結婚のはずでしたが、冷血辺境伯の溺愛は想定外です
鍛高譚
恋愛
――私の結婚は、愛も干渉もない『白い結婚』のはずでした。
侯爵令嬢クレスタは王太子アレクシオンから一方的に婚約破棄を告げられ、冷徹と名高い辺境伯ジークフリートと政略結婚をすることに。 しかしその結婚には、『互いに干渉しない』『身体の関係を持たない』という特別な契約があった。
形だけの夫婦を続けながらも、ジークフリートの優しさや温もりに触れるうち、クレスタの傷ついた心は少しずつ癒されていく。 一方で、クレスタを捨てた王太子と平民の少女ミーナは『真実の愛』を声高に叫ぶが、次第にその実態が暴かれ、彼らの運命は思わぬ方向へと転落していく。
やがて訪れるざまぁな展開の先にあるのは、真実の愛によって結ばれる二人の未来――。
気付けば名も知らぬ悪役令嬢に憑依して、見知らぬヒロインに手をあげていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
私が憑依した身体の持ちは不幸のどん底に置かれた悪役令嬢でした
ある日、妹の部屋で見つけた不思議な指輪。その指輪をはめた途端、私は見知らぬ少女の前に立っていた。目の前には赤く腫れた頬で涙ぐみ、こちらをじっと見つめる可憐な美少女。そして何故か右手の平が痛む私。もしかして・・今私、この少女を引っ叩いたの?!そして何故か頭の中で響き渡る謎の声の人物と心と体を共存することになってしまう。憑依した身体の持ち主はいじめられっ娘の上に悪役令嬢のポジションに置かれている。見るに見かねた私は彼女を幸せにする為、そして自分の快適な生活を手に入れる為に自ら身体を張って奮闘する事にした―。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく
たまこ
恋愛
10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。
多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。
もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。
[完結]7回も人生やってたら無双になるって
紅月
恋愛
「またですか」
アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。
驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。
だけど今回は違う。
強力な仲間が居る。
アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。
『皇族を名乗った伯爵家は、帝国に処理されました』 ―天然メイドは、今日も失敗する―
ふわふわ
恋愛
婚約破棄を経て、静かに屋敷を去った令嬢。
その後に残された伯爵家は、焦燥と虚勢を抱えたまま立て直しを図ろうとする。
だが、思惑はことごとく空回りする。
社交界での小さな失態。
資金繰りの綻び。
信用の揺らぎ。
そして、屋敷の中で起こる“ちょっとした”騒動の数々。
決して大事件ではない。
けれど積み重なれば、笑えない。
一方、帝国では新たな時代が静かに始まろうとしている。
血筋とは何か。
名乗るとは何か。
国家が守るものとは何か。
これは、派手な復讐劇ではない。
怒号も陰謀もない。
ただ――
立場を取り違えた家が、ゆっくりと現実に追いつかれていく物語。
そして今日も、屋敷では誰かが小さな失敗をする。
世界は静かに、しかし確実に動いている。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる